13.下級召喚士、召喚をしまくる
「――あなたが城塞国王? フフフ……大人しく従うもよし、従うつもりが無ければ城塞を跡形もなく消し炭にしますけれど?」
「わ、分かった! あ、あなた様に触れたことは謝りますから、どうか……国を、城塞を消すことだけはお許しを……!」
「くくっ……姿で態度を変える辺り、所詮人間……いや、ノミのすること」
「ひ、ひぃっ……あ、悪魔」
「我の主にもその態度を示せば灰にする。必ずな……王には、その覚悟はおありなのでしょう?」
「わ、分かりましたから、どうかお命だけは……」
◇
何で俺は自らスキルを下げまくっているのだろうか。
いや、スキルが下がっているとかは見えていないから、下がっているかは分からない。
「――召喚士、本気か?」
「も、もちろんです! こ、これが実力なんです」
「ワーム、ワーム、ビースト……素材には欠かさないが、これがお前の実力か。エルフが目を光らせているのはそのせいか」
「ど、どうなんでしょうね、は、はは……」
職人ギルドの闇エルフさんに連れられて外に出されたものの、何故か召喚しまくりな状況になっている。
普段は外に狩りに行き、そこで獣の皮を剥いで素材にしているらしい。
「召喚士一人をギルドに常駐させておけば、狩りに出かける必要が無いと思っていたが、見込み違いとはな」
「ご、ごめんなさい……」
「ちっ、ビーストはともかく、ワームなんざ何の薬品にも……」
「あ、それなら!」
「何だ?」
――ふと彼女のことを思い出したものの、彼女は村にいるしどうにも出来ない。
「いえ、何でもないです」
「役に立たない奴だ……」
「おっしゃる通りです……」
「ちっ」
ノームと呼ばれる妖精を召喚出来ていたのに、どうしてまたワームに戻ってしまったのだろう。
ワーム大量召喚でも、彼女がいれば何とかなりそうなんだけど、彼女も召喚出来たらな……
合成のことに関して、あの子がとんでもない能力の持ち主だったことを思い出した。
思えば思うほど、会いたくなって来た。
「何だ、何をよそ見している? いい加減にしろ! 少しはマシな召喚をしろ。しなければお前を殺すぞ?」
「ひ、ひえっ!?」
「……ノームを呼んだ時に呟いていた呪文で強そうな獣を呼べ!」
「そ、そんなこと言われても……」
名前を教えてくれない闇のエルフさんは、寸でのところで短剣ナイフを突きつけている。
俺のことを傷つけようとすることは簡単らしいけど、ルムデスの視線のことがあってしないみたいだ。
ルムデスは一体どの辺にいるんだろう。見ているだけでなくて助けに来てくれないのだろうか。
「宿に泊まりたければ、素材を王に献上しろ! まともな品でなければお前は城にすら入れないだろう」
「ええ? そ、そんな……」
「ル・バランはタダで宿を使わせるほど優しくないからな! 分かっているのか、召喚士」
「は、はい……」
そう言えばトルエノが宿に行ったはずだけど、もしかして追い出されているのだろうか。
トルエノのことだからと思っていたけど、献上するものが無いしそもそも子供の姿だし、宿に入れずに機嫌を悪くして俺を探し回っているのかもしれない。
「あのー、町に戻っていいで――」
「黙って獣を召喚しろ! 出来なければ腕を落とす」
「し、しますします! しますから」
何でこうも危険な人に絡まれてしまうのか。何でもいいから強そうな召喚が成功して欲しい……
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