表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
村を追放された最弱召喚士がチート級モンスターたちを召喚して、いつの間にか最強になってました。  作者: 遥風 かずら
第六章:力を注ぐ者

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

118/169

117.閉ざされし壁の向こう側 4 アサレア編


「ライゼルは無事なの? フィアフルさんは……?」

「……召喚士は獣と植物とエルフを引き連れて、弱る気配が無い。お前の言うフィアフルなる奴は、召喚士が滅した」

「――ライゼルがフィアフルさんを!? そんな、だって友達だって言ってたのに……」

「……あの男、いや骸は既に”人”では無かった。お前を利用しリエンガンに来たようだが、後のことは召喚士に聞け」

「……そんな、そんな……」


 リエンガンに来るまで、アサレアはフィアフルと行動を共にし、ライゼルとの関係を聞かされていた。

 それだけに動揺を隠しきれず、しばらく言葉を失ってしまう。


『ラズ、準備は出来ているか?』

『――は。自分以下、懲罰部隊が揃っております』

『あの男以外の魔剣士どもは、全て始末済みで間違いないな?』

『この壁の向こう側にいるのは、アインのみでございます。いかがなさいますか?』

『フフ……これで駒は揃った。男どもはアーティファクトに執着し、ロザックを捨てた。だが奴に付き従う者はほぼ始末している。残るアインはこの娘とライゼルに任せ、アタシらはすべきことを成せ!』

『……は』


 アサレアが自失していた少しの間、魔剣士リオネの真の企みが展開されようとしていた。


「ミゼラ、ロランナ村のアサレアの傍につけ」

「利用されるのですね?」

「アインごとき呪紋で記憶封じをされているが、邂逅させれば思い出す。アインは召喚士に任せればいいだけのこと」

「では、宿願しゅくがんの時ですね! ネルヴァの洞窟でやられたらどうしようかと思いましたよ」

「あの洞窟でほとんどの男どもを消してくれたからな。それにフフッ……アインさえ消えれば、召喚士に噛みつく必要は無くなる。エルフを傷つけたオルガも、既に消したしな」


『ど、どういうこと……!? あなたたちの目的は何? ライゼルに何かするんじゃないの!? そ、それにエルフを傷つけた? まさかルムデス!?』

 

 自失のアサレアに聞こえて来たのは、ただならない出来事の数々だったことで、平常に意識を戻すことが出来たようだ。


 アサレアの問いかけに、女魔剣士をまとめるリオネが口を開く。


「アサレア。お前の願いで、ライゼルは言うことを聞くか?」

「――わ、分からないけど、ライゼルならわたしの声に耳を傾けてくれるはず……」

「それならお前の願いとライゼルの力で、我らの宿願が果たせられそうだ。それと、お前自身にかけられている呪紋も直に解けるだろう」

「呪紋? そ、それをかけた相手が壁の向こう側に?」

「……そういうことだ。それが解ければ、封じられた記憶が戻るだろうな」

「それではこのミゼラが、アサレアさんを向こう側にお連れします! リオネさま、行って参ります!」


 リオネの陰にいたミゼラに突然腕を組まれ、動揺しながらもアサレアは、リオネとミゼラの顔を交互に見ることしか出来ない。


「え、あの……」

「アタシらは見守るだけ。ライゼルの力を借りて、向こう側にいる”敵”を滅して欲しい」

「よ、よく分からないけど、わたしやライゼルに何かするわけじゃなければ……」

「フフッ……何もしない。しなくても、ね」


 自分にかけられた呪紋への不安を抱えつつもようやく再会出来るライゼルに期待し、アサレアは魔剣士ミゼラに守られながら、閉ざされた壁からようやく出られることになった。


「待っててね、ライゼル。それにルムデス。ようやく会えるよ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ