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君の後ろに  作者: 餡子
4/4

僕が彼で、彼が…

奇跡が起こった。

 彼女が電話を取りながら涙を流していた。

始めはその涙のわけはわからなかったけれど、悲しい涙ではないことは声のトーンや表情でわかった。

以前君と過ごした記憶はもうないけれど、この3ヶ月、君の後ろにいれば君の嬉しい時くらいわかる。

そして彼女は急いで身支度を整え、電車に乗り、目的地へ向かった。

 この路線は…病院?

まさかの可能性を僕は考えた。

目覚めることのないと言われた人の目覚め。

だけどもし、今現在本体のほうの僕が目覚めているのだとしたらここに浮遊している透明な僕は一体なんなのだろうか。

それとも僕は目覚めてはいないが回復傾向にある、そういう目覚める兆しの吉報だったのだろうか…

僕が迷走に心奪われている間に病室のドアが開けられようとしていた。


そこにあった光景はあってはならないものだった。

目覚めた僕に泣きつく彼女…

側からみれば奇跡のハッピーエンドだ。

だが僕には信じがたい光景だ。

仮に今の状態が僕の本体と離れた精神のような状態だったのだとしたらこんなことはありえない。

精神が肉体に戻っていないのにまるで何事ないように彼女と話している。

さらにはあっちの僕は記憶障害にもなっておらず、彼女との会話が成立している。

もし、記憶がない状態なのであれば目が覚めた時点でパニック状態になっているはずだ。

僕は一体どうなってしまうんだ。

目覚めた彼を僕じゃないと否定もできない、そこで話しているのは僕より僕らしい彼。

見ているとだんだん憎く思えてきた。

お前がいない間誰が彼女を見守ってきたとおもっているんだ。

この3ヶ月間、苦しむ彼女も泣いている彼女も僕はいつだって君を 君を受け止めてきたんだ。


あっ。

僕は気がついてしまった。

多分僕が幽霊になり、感情が薄くなり、客観的に見れるようになったからこそなんだろう。

前提が間違っていたんだ。

記憶がなくなり、鏡に姿が映らず、幽霊として目覚めた場所が病室。

そこで僕は勘違いをしていた。

断片的な記憶は思い返してみるとどれも刺された側でなく、刺した側。

”ストーカー”に関する悲しいという感情。

そして生きている人間が幽体化。

思い返してみるとどれも違和感だらけだ。

僕は君のことを愛しているということで自分にいいように色々な不確定要素を改ざんしていた。

そう、僕は君の後ろにいた…

生きていた頃も、そして-----コレカラモ…




ー終わりー


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