07 深海 著 鬼 『食堂のおばちゃん』
忘れもしない。あれは五年前のこと。
短い夏のおわりに、両親をなくした。
父はかなりな晩婚で、俺が生まれたときには、すでに五十を越えていたらしい。心臓は丈夫だったが、脳の血管が弱っていたようだ。雪がしんしん降る夜、洗い場でたおれたままいってしまった。
母はうさぎのように、さびしくなると死んでしまう生き物だった。かなりな病弱で、俺を生んでからはずっと臥せっていたこともあって、父の死にまったく耐えられなかった。
そんなわけで父の死後、一週間もたたぬうちに、母もいってしまった。
俺が生まれたのは、人口百人の小さな寒村。村全体の農地は、あわせてもネコの額ほど。一年のほとんどは雪と氷にうもれて、育つ作物は数種類。氷をきって泉の小魚を釣るのと、トナカイ狩りでなんとかほそぼそやっている。
そんな厳しい土地柄だから、村の人口はきっかり百人からなかなかふえないでいた。そして両親がなくなり、村の人口はいっとき九十八人になった。
ところがふしぎなことに、母の葬儀の数日後に、近所に男女のふたごがうまれた。
両親が生まれ変わってこの村にもどってきたんじゃないかと、ものすごく期待したのを覚えている。 百人ぽっきりの集落なので、周りはほぼほぼ、親族。母親の看病から解放された俺は、これからは身を粉にして、村の役に立とうと意気込んでいたんだが。
『ああ、百人村からきたんだねえ』
俺は村長さんから、紹介状をもたされて村を送り出された。
ついた先は北の町の、大通りに並ぶ小さな長屋だった。
『ふうん。あんたがうちの姪っこの息子ねえ。たしかに髪は赤いけど』
そこはなんと、母の実家。その家の主は、ずんぐりむっくりしたおばちゃんだった。
このおばちゃんは、俺の母方のおじいちゃんのお姉さんであるという。
母方のおじいちゃんも、おばちゃんのだんなさんもすでに他界して久しく、おばちゃんが家を継いで家長になっていた。といっても、たいした家じゃあなかったけど。
家には、おばちゃんの娘と孫のリサちゃんがいた。
『親を亡くしたから面倒見てくださいって、書いてあるけど。あんたいくつだい?』
『十八』
『あらまあ、もう大人じゃないか』
どうやら村長さんは、村の食糧事情が厳しいので、俺を追い出したかったらしい。ようするに、口減らしというやつだ。
『若い男なんて、村にとっちゃあ、いい働き手なのにねえ。その赤い髪がだめだったのかね』
うーん、容姿のせいというか、なんというか。
父方は、あの村で何代も村人やってきた、由緒ただしい狩猟採集民。
かたや母方は代々町に住む、あかぬけた町人。
きびしい自然の中でくらす狩猟採集民からすれば、城壁に囲まれてくらしてる町人というものは、ひよわであまっちょろい生き物。いい人間だとは、あんまり思われてない。
まあ、ひよわっていう点は反論できないなぁ。母親が病弱なだけあって、俺もおさないころはよく寝込んだ。親に似て、生命力なしなしと認定されていたふしはある。さらには母親の看病のために、ずっとひきこもり同然だった。だから今まであんまり、狩りにも農作業にも貢献できてなかった。それが致命的な理由だったんだろう。
俺は「これから」と思ってたが、あっちは「もうこれまで」、だったんだ。
『でもいたって健康なんです、俺』
『じゃあ、さっそく明日から働いてもらおうかね』
ずんぐりむっくりおばちゃんは、にっこり。そうして俺を連れていったのだった。
おばちゃんの職場、銀枝騎士団営舎の食堂に。
『とりあえず食堂の給仕係ってことで、入れといたから。よろしくたのむよ』
職場の第一印象は、「どでかい宮殿にきちまった」だった。
これは俺がまったくのいなか者だったせいだ。
騎士団営舎は、実際には幅は家一軒分そこそこ、長さは家五軒分ぐらい。実にこぢんまりとした、箱型の建物にすぎない。お茶をいれに王都にいったとき、俺はその規模のささやかさを思い知ることになったわけなんだが、それまでは、「まごうことなく大宮殿だ!」と思っていた。
おばちゃんに案内されて入った食堂の広さに、俺は唖然呆然。
たっぷり一刻は、目を丸くして職場を見てまわってたと思う。
高い天井。たくさんの卓と椅子。でかくて長いカウンター。
奥の厨房には、いったい鍋がいくつ並んでるんだ……
いったいおたまがいくつさがってるんだ……
なんだよあのかご、野菜たっぷり山づみじゃん。あんなに大量の食料、みたことないぞ……
『百人収容できる食堂だよ』
おばちゃんにいわれて、俺、目を白黒。
故郷の村人全員が、ここでいっせいに食事できるとか、なにそれ! めっちゃすげえって驚いた。
食堂・厨房・食料庫・貯蔵庫を見学し、給仕の仕方を教えられ、厨房で野菜洗い……と、第一日目から仕事がもりだくさん。昼のまかないでチーズ粥をだされて有頂天になったのもつかのま、午後はひたすら包丁の特訓をされた。
下ごしらえを手伝ってもらうよっていわれたけれど、そこで気がつくべきだった。
俺が包丁を持たされた意味に――。
おばちゃんは厨房内をめまぐるしく動いて、いくつもの鍋とフライパンに、いくつもの料理を作っていった。すさまじい勢いで、大量にだ。両手で囲えないような、どでかいフライパンで焼かれるたまごスフレをみて、俺はひるんだ。
騎士様って、いったいどんだけいるんだと。緊張がぞわっとわいてきた。
『ほら、リズムよく切るんだよ! 左手は握って! 指を切るよ!』
おばちゃんは、魔法のように料理を仕上げていくかたわらで、まないたのうえのにんじんと格闘する俺を叱咤。叱咤。叱咤。
『よしよし、なれてきたね』
三時休憩のころには、厨房にはごちそうがずらり。置ききれなくて、裏の食料庫にもどんどん置かれた。
これが、今日の夕飯一回分なのか、俺がこれを次々運ばにゃならんのかと、戦々恐々としていたら。
『とりあえず、一週間分は作ったからね』
『へっ?!』
『じゃあ、あとはたのんだよ』
『はい?!』
ア ト ハ タ ノ ン ダ ヨ ?!
――『食堂のおばちゃん!』
なにが起こったか理解できない俺の背後。食堂から、快活な若い男の声が炸裂した。
『むかえにあがりました!』
『ああ、まってたよ』
おばちゃん?! な、なんで顔赤くしてんの? なんでリュック背負ってんの?
なにこの、若い男。いかにも街の商人っていでたちだけど、いったいだれ?!
『ってことで、しっかりおやり』
『は? はあああああ?!』
『ああ、もし困ったら、そこの樽に話しかけるといい』
おばちゃんは武士の情けで、俺に救いの一手を授けていった。
開けるな危険、という樽を指し示したのだ。
『はあ?! なんで樽?! 樽にぐちれ?! ちょ! なんで?! なんで!?』
おばちゃんは、樽じゃなくて樽の上にある折れた剣のことを、教えてくれたんだと思う。
いまとなっては、それだけはよくわかる。あの剣はなんだかんだいって、俺の料理の腕を格段にあげてくれた気がする。まあ、聞いただけでほいほいできるおれにも、ある程度の才能があったんだろうけど、ずいぶん助かった。
けれど。そのほかのことは、今もさっぱり、わけがわからない。
俺に突然、すべてを丸投げしていったおばちゃんが。なぜに……。
「こら! にんじんの太さが均一じゃないよ!」
なぜに……。
「ひい、料理長、鬼ーっ」
「泣くんじゃないよ、前菜係!」
「こ、これはたまねぎのせいでありますうー!」
「いいわけしてる間に切る!」
「はいいい!」
なぜに……
「なんだい、パン係?」
「い、いえ!」
「種がそろそろふくらんだころだ、窯に入れな! 新しい窯の調子をよくみるんだよ!」
「はいっ!」
なぜに今、エティア王宮の厨房の料理長なんて、やってるのか。
まったくもって、わけがわからない……。
陛下のありがたい思し召しで王宮一階厨房のパン係になって、二週間すぎた。
日がたつにつれ、俺の疑問はいやますばかりだった。なにせ食堂のおばちゃんは、たしかに食堂のおばちゃんのはずなのに、俺のことをまったくすこしも覚えていないようなのだった。
『おばちゃん?!』
『おまえは……』
はじめてここに彼女がいると知ったとき、おもわずもらした叫び。おばちゃんはそれにぴくりと反応したものの、その注意の矛先は俺の存在そのものではなく、俺の髪に向けられた。
『頭髪ながすぎ!』
すみませんでした! ごめんなさい!
すぐに短く刈って、再度本人に確かめてみても。
『おばちゃん、ですよね?』
『はぁ? なにをいってるんだ。さっさと作業するんだよ、パン係!』
見事に流された。
解せない。わからない。どんなわけなんだ?
もし、あの日俺がいなかったら。
おばちゃんは、一週間分の料理だけ残して、営舎を黙って去るつもりだったんだろう。
なぜにおばちゃんはあのとき、そんなことをしなければならなかったのか。どうして若い男といってしまったのか。
だっておばちゃんちには娘も孫もいる。家族を棄てて若い男とって、道ならぬかけおちじゃなければ、いったいどんな理由でそうなるんだ?
まさか、あの若い男は、変装した大貴族だったとか?
それで王都の館に住むようになって、ジャルデ陛下の目に止まって、大抜擢されたとか?
うう、七十七歳にしては、馬力がありすぎる……って、もう三年たってるから、八十歳じゃん。
「パン係長さん、そろそろ焼きあがるよ」
「あ、アントンさん。了解です」
新調されたパン窯は、炎のように真っ赤なレンガ造り。五台あって、一台で大きな丸パンが三十個焼ける広さ。バターで丹念にしこみ、いろんな形に整形した種を焼くのは、なんと薪ではない。
となりの塔に住んでいるウサギが最近合成した、なんとかっていうガスだ。この方式でパンを焼くのは、生まれてはじめてだった。薪よりはるかに温度調節がしやすくてびっくりだ。
中の温度にムラがないので、焼いている最中に移動させたり、という手間もいらない。
「もう一回焼いたら十分かな」
「ですねえ。たまご乗せ瓶が、まだまだ大好評ですから」
瓶づめの芋たまごは、王宮の定番料理と化している。ジャルデ陛下は昼も夜も、と三食召されるときすらある。おかげで高価なバターの消費量が抑えられて、会計官がほくほくだとかそんなウワサもちらほら……
「なんだこの魚は」「魚、なのか?」
左翼厨房のはるかむこうはじで、どよめきが上がった。魚介を調理する部署あたりからだ。
厨房の食材はそれぞれ専用通路でこの厨房に運ばれてくる。生ものは食料庫に貯めるのではなく、直接業者が運び入れる場合が多い。
「おおー!」「さすが!」
歓声とともに、魚介係から盛大な拍手があがった。
アントンさんがなんだなんだと、爪先立って様子をうかがう。
「変な魚がとどいて、それをみごとにさばいてる人がいる、みたいだ」
「へええ。それはすごいですね」
厨房にいる料理人って、正確に数えたことがない。中央廊下にずらっと並ぶぐらいいるから、右翼左翼合わせて百人ぐらいだろうか。広い仕事場に散らばるので、他の部署の料理人の顔なんて、あんまり見知っていなかった。料理人たちはここでまかないを食べることが多くて、食堂はあんまり利用しないってことも大きかったかもしれない。
「みんな集合!」
だからおばちゃん――総料理長が集合をかけたとき、俺は息を呑んだ。
「これは鬼カサゴ。大きな湾の岩場で獲れる珍しい魚だ」
真っ赤でグロテスクなガビガビひれだらけの大魚を、おばちゃんは高々とかかえあげた。
「大変美味だが、全身二十三箇所に毒針がある! いまから弟子のゴドフリートに取り方を披露させるから、みな、見て学ぶように!」
さっき拍手を浴びていたのは、魚介類の係長なのであろう、そのゴドフリートだった。
どこかで見覚えがあると思ったら、なんとその人こそ……
「ひれを広げるときは、十分注意してください。ゴム手袋をしても、容易に貫通します」
その人こそ……
「毒張りを露出させ、はさみで切り落とします。危険なのは針だけです」
『食堂のおばちゃん! おむかえにあがりました!』
おばちゃんを騎士団営舎から連れ出した、若い男その人……だった。
「え……うそ……えええ?!」
呆然と口をあける俺のそばで、前菜係やら腸詰係やら、左翼厨房のうん十人といる料理人たちが、ひそひそ。
「さすがメンジェール国王子……」「王家の者はみな一流の料理人っていう……」
「はあ?! 王子ぃ?!」
――「そこ、静かに!」
悲鳴をあげてしまった俺に、おばちゃんの叱咤がとんできた。
うう、かけおち男がこっちをにらんでいる。ちょっと待て。妨害したわけじゃないんだ。
俺は驚いただけなんだ。
この……この、王宮の広さに!
いまさらだが、ほんとにここは広すぎる。営舎の食堂のいったい何倍あるんだ?
二週間、同じ職場で働いてて、ぜんぜん気づかない広さってなんだよ!
「メンジェール人かぁ」
もと貴族にして特別使用人のアントンさんが、なるほどなぁとうなずいている。
見学を終えて窯にもどってくるなり、俺はきいてみた。
「メンジェールって、どこにあるんですか?」
「スメルニアの辺境にあるらしい。街ひとつほどの小さな国だけど、世界中の食材が集まるすごいところで、王様が代々美食家のみならず、おそろしく腕のたつ料理人だって話だ。なんでも王位継承は、生まれた順じゃなくて、料理の腕で決められるとか……」
「そ、そんな国があるんですか…」
「うん。食聖ホーテイが、王族の先祖だって、いわれてるっぽいぞ」
なにその、食聖って。初めて聞いたぞ。そんなのいたのかこの大陸に。
「まあ、あのゴドフリートってのは、王位継承を争うために、料理修行してるんじゃないかな」
おばちゃん、たしか彼のことを弟子って紹介してたよな……。
ってことは、彼女は師匠、っていうわけで……。
「かけおちじゃ、なかったんだ」
「へ?」
「あ、いや……」
でも家族を棄てて異国の王子に協力って、それもなんだか理不尽な気もするし。
超料理人がそろっているのであろう王国の王子に、師と仰がれるおばちゃんって、いったい……。
俺が前にもまして疑問符をとばしていると。左翼の料理長がやってきて、ジャルデ陛下がお召しであると告げてきた。
たまごのせ瓶をずいぶん堪能されたから、あたらしいレシピを考えろ、とか、そんな思し召しをいただくのかと思ったら。
「おばちゃん代理。なんかな、ついさっき、こんな報せが届いたんだが」
いつにもまして厳しい顔で、俺は陛下に密書らしき羊皮紙を見せられた。
そこにしたためられていたのは、ゆゆしき事態を告げる一報だった。
『寺院へ搬送中であった戦神の剣が、剣匠ネコメとともに拉致されたことが、判明せり。下手人は、メンジェール第三王子の一派である模様』
「なに……これ……」
俺の……剣が? 奪われた? しかもメンジェールって……なんで、ゴドフリートさんのふるさとの人に?!
「メンジェールって知ってるか? 王位継承を料理の腕で決める国」
はい。ついさっき知りました。
こくりとうなずく俺に、陛下はよしよしとうなずいた。
「なら、話は早い。この下手人だっていう第三王子の後ろには、スメルニアがついててなぁ。順当にいけば王位を継承するだろうって思われてる第一王子を負かそうとしてるんだ。って、俺んとこも同じ悪巧みしてるけどな。うちは第二王子推し。まぁ、王都にはスメルニアの密偵なんてわんさかいるから、どっかから剣を移送するって漏れたんだな。がはは!」
いや、がははじゃなくって……。エティアが肩入れしてる第二王子ってもしかして、ゴドフリートさんのことなのか? ってことは、おばちゃんが彼の師匠になってるってのは、ま、まさかの国策?!
し、しかしなんで、俺の剣がさらわれるんだ? ね、ネコメさんは無事なのか?!
「首をかしげるまでもなかろう。あの剣、人の魂をばかすか食っちまうだろ?」
「それは……思い知ってます。先の戦いでじゅうぶんに」
「あの剣な、いままでにそうとう、いろんなやつの魂を食ってきてるって話だ」
「それは、そうでしょうね……」
「しかも、かなり昔の奴の魂をためこんでるだろ」
「そう、らしいです」
「うん。それでさ、なんと食聖ホーテイの魂を食ってるって伝説がさ、まことしやかに伝わってるんだってよ。あのちっちぇー国に」
え? そ、それって。
「もし食聖の魂を剣から吐き出させて、第三王子の体に乗り移らせてだな、料理作らせたらどーなると思う? ちょっとやばくね? 王位継承を決める料理大会で、第三王子が勝っちゃうんじゃね? そうなると、ちょっと困るんだよなぁ」
お、俺の剣って、たしかに、魂の吐き出しも可能だったけど。で、でもっ。
「魂を吐き出す吐き出さないに関係なく、あいつは「すごく危険なもの」って、エティアの裁判所に認定されたじゃないですか!」
そう。あいつは、俺をかばって……
「そうなんだよ。しかもそれ、スメルニアの訴求がすごくってさ、うちの裁判所だけじゃなくって、大陸同盟にも認定されちゃってんだよ。だからとられちゃいましたーあははって、放っておけないんだよな。おまえなにやってんだよって、エティアが同盟に糾弾されちまう」
「うあああああ! なんですかそれー! い、一大事ですよね?」
「うん。ってことで、剣をとりもどすのに協力してくれないかね?」
「ええええっ?! い、いいんですかそれ、俺が助けて。俺があいつを助けていいんですか?!」
俺、いちおう罪人で執行猶予ついてるはずなんだけど。
ジャルデ陛下はきっぱりおっしゃった。
「いやむしろ、おまえじゃないと、だめじゃないかと」
「な……」
「だって主人だからな。呼べばほいほいと飛んできてくれるんじゃないかと思われるからさ、うん」
「い、いやそう簡単には」
「でもちょっと距離離れてても、会話できるだろ?」
「は、はい、たしかに……アンテナにはなれるかも」
これは、陛下の温情って考えるべきなのか?!
わからない。わからないが、剣とネコメさんを、助けにいかないと!
しかしなんてこった……
ジャルデ陛下はずいっと身を乗り出して、頭をかかえる俺に請け負ってくださった。
うむをいわさぬ笑顔で。
「心配するな。もちろん、俺様が最大限援護するよ。第二十四代主人どの」
こうして俺は、俺の剣をみずからとりもどすことになったのだが。
その大作戦?は、これから怒涛のように長い長い物語になる予感がして。しかもおばちゃんのみならず、ネコメさんの師匠であるウサギが大いに絡んできそうな気がして。
「な、なんか、救出隊とか、でかい団体ができる予感が……」
ちょっと、気が遠くなってしまうのであった。
―― 食堂のおばちゃん 了 ――