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24章 憎火のアントロポゾフィー

あけましておめでとうございます


今は帰省中ですが、簡単に執筆しました


秋葉原行きたい


[追記]これの執筆後、秋葉原に行ってきました


チルノのフィギュア買ってきました

バイクの前に映る、他のビル群よりも異端の空気を醸し出す、巨大な白亜の神殿。

静かに佇むその御殿こそ―――2人の最大の宿敵…オズマ・トフェニ=エデンであった。

惆悵芥蔕裁判(エデン・ジャッジメント)を行い、多くの無辜の民を聖櫃化(ヴィルドガンズ)し、今のOBEY兵を作り上げた張本人―――。


「…あれが噂の…エデン…」

「…そうよ。あの建物自体が"オズマ・トフェニ=エデン"と言う1つのトフェニなのよ」


そして、神殿近くに設置させられた飛行場に止められた、銀色の翼―――。

…間違いは無かった。あれこそが、仲間を連れ去った元凶であった。

2人はそれを見た時、行き場の無い怒りが込み上げて来たのだ。


―――早く、仲間を助けよう。


…2人はその一心であった。バイクはエンジン音を風に呼応させ、響かせる。

高速道路上を、凄まじい速さで駆け抜けていったのだ。…それは2人の焦りを示唆していた。


◆◆◆


バイクはそのまま摂理府本営であるオズマ・トフェニ=エデンの前に到着する。

大きな音を立てていたバイク音は静かに小さくなっていき、やがて寂寥そのものとなって回帰した。

黒塗りのバイクから降り立った2人は、中の偵察を行う為、潜入を図った。


中は大きな回廊が外回りに存在し、内側に主要な部屋が集っている。

2人は足音を立てず、ゆっくり進んでいく。


「…ここにいるのよね、咲夜たちは」

「―――そうだ。…でもここは敵の本拠地でもある、バレたら集団包囲される」


彼は今、自分たちが立っている場所が一番危険な場所であることを悟っていた。

悍ましさ、恐怖、畏怖、懺悔―――あらゆる負の感情が、彼の中では渦巻いていたが…そんな感情など、今の彼には効かなかった。それは彼の心に宿る気持ち―――"決心"と言う思いだ。


「…でも…もし咲夜たちが危険な目に遭わされそうであったら…」

「―――お前はどうしたい?」


…彼の問いに、彼女は悩む暇など存在しなかった。

ごく小さな声で彼の質問に答える。…彼女もまた、"決心"と言う感情を抱いていた。


「…すぐに助けに行くわ。…危険を顧みず、ね」

「―――私はお前についていく。…どんな時も、だ」


◆◆◆


回廊を静かに歩いていた歳、とある部屋の扉の前から話し声が聞こえたのだ。

それは2人が敵対していた存在―――エニルクス達の会話であった。

そんな会話に2人は気づき、虚空の中に耳を澄まさせた。


「…早苗様、反逆を続けてきた紅魔館組は咒番3號炉に運ばれたそうです。…担当はコンガラだそうで」

「―――よくやりましたね。…その行為は褒めましょう」

「はっ、ありがとうございます」


扉の奥から聞こえるボソボソ声。

それは2人にとって、極めて重要な会話であった。

そして、咲夜たちが今、危険な状況に晒されていること―――彼女たちは咒番3號炉のトフェニ…"ゼア・トフェニ=パンドラ"によって聖櫃化(ヴィルドガンズ)されそうになっている事実…。

―――2人は焦らずにはいられなかった。


「咒番3號炉よ」

「―――急ごう。迷ってる暇は無さそうだ」


2人はすぐさま元来た回廊を戻り、駆け足で元のバイクへ戻った。

すぐさまエンジンをかけ、大きな轟音を立てて―――オズマ・トフェニ=エデンから出発を図った。

それは2人の遥かなる思い―――仲間を助ける為。

最早、2人はトフェニを"強大な存在"とは考えていない。


「…行こう」


静かな思いを胸に、彼はコンクリートの上の水平線を望んだ。

―――ゼア・トフェニ=パンドラ。…闇を司るトフェニを倒し、仲間を救うため。

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