曲がり角では安全確認を
カレンさんと別れてから、まだ時間があった僕は、フィールドを探索していた
結構戦闘にも慣れてきてその辺の敵なら苦戦もせずに倒せるようになった
しばらく進むと地面に穴が開いてるのを見つけた
近づくと、どうやら洞窟のようで緩やかに下へと続いているらしい
どういう仕掛けか、中は薄暗いもののはっきりと見える状態だった。
せっかくだから入ってみることにした。洞窟とかのダンジョンにはちょっとした宝もあるらしいのでどうせならそれも手に入れたい
洞窟は一本道だったが曲がり角が多く、敵もそこそこ多かった。
ちょっと苦労しながら敵を捌いてた時だった
奥から足音が近づいてきた。
何人分かの音が聞こえる。
何だろうと曲がり角を覗きこんだ時だった
「わあっ!?」
「えっ!?」
すぐ目の前に人が飛び出してきて避けるまもなく激突した
「いった…急に出てくるなよ!」
「えっ?あっ、ご、ごめんなさい」
素直に謝ったがそれを聞く前にぶつかった相手の人が立ち上がって武器を構えた。
一瞬怒ってこっちに攻撃するのかと思ったけれど相手の人は僕に背中を向けていた。
「さっさと立て!すごい数の敵が追ってきてる!もう巻けないからやるぞ!手伝え!」
「あっ、はい!」
そう言われて腰から下げてたトンファーを構えた。
奥から足音が聞こえ、敵の姿が見えてきた。
1、2、3…10…15!?
15体ものゴブリンが広くない洞窟内で縦に並んで走ってきた
「なんでこんなに!?」
「罠踏んだの!洞窟内は帰還スキル使えないし!」
剣を持ったゴブリンは一気に僕ら二人に襲いかかってきた
罠に引っ掛かったという男は軽く避けると剣で相手を返り討ちにした
だけどその死角から別のゴブリンが襲ってきた!
「あぶない!」
咄嗟に間に入ってガード…って、食い込んだ!
木製のトンファーに食い込んだゴブリンの剣をそのまま奪うと、ガードしてないもう片方のトンファーで反撃した
「さんきゅ!珍しい武器だな!」
そう言いながらも何体も敵を捌いていった
何とか最後の一体を倒すと、僕は床に座り込んで、相手は壁に寄りかかった。
「ふー危なかった…。一人ならどうなってたか…」
「つ、疲れた…」
実際はVRのこの世界では肉体的疲労はないのだが、集中してたので精神的に疲れていた
「そういや自己紹介がまだだったな。俺はテツだ」
「ユウヤです…よろしく」
テツくんはなんだか少しラフな格好で僕よりも背は高いけどそんなに(キャラの外見)年齢は離れてない感じがした。
武器は片手剣で大きさも平均ぐらいのものだった
「さてユウヤ、お前これからどうする?」
「えっと、奥に行くつもりだけど…。テツくんは?」
「テツでいいよ。あとリアルじゃないんだし敬語もなしな。
俺も奥に戻るつもりだぜ?」
「わかった、じゃあ一緒に行こっか」
ウインドウを操作してパーティーを組んだ。
テツのレベルは5で、僕は4だから、まあ同じくらいの強さだろう
「さーて、宝探しに参りますか!」
「おー!」
元気に返事すると一緒に洞窟を歩き始めた
・キャラクターネーム:テツ
・本名:????
・性別:男
・武器:ロングソード
活発な少年。よく適正レベル以上のエリアに行ったりする