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ニートの俺が、異世界唯一の料理人!?  作者: 淡井ハナ
第0章 始まりの物語
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動き始めた物語

 材料集めはどうしようか、一瞬迷ったが、すぐに村長が手配してくれた。

 村長はこの世界にはないだろうな、と俺が思っていた豆板醤や甜麺醤も難なく手に入れてくれた。


 どうやらこの世界では豆板醤も甜麺醤も、それぞれの果物を搾ってそれを瓶詰した物らしい。


「豆板醤が果汁って、どんな果物なんだ……?」


 そこはそってしておくことにした。


 さらには、俺のいた世界で言うところのトウチ(黒大豆を発酵させたもの)と味、質感がそっくりなものまであった。

 これがあるだけで味に大分差が出るので、助かった。


 村長、グッジョブ!!


 また、村の調理場は一晩でちょっとした食堂に改装されてしまった。

 何でも一晩でやってくれる人たちだな……。


 でも、俺のためにここまでしてくれたんだ。


 プレッシャーを強烈に感じ、胃が痛くなって逃げることも一瞬頭をよぎったが、 俺は村長の期待に応えるべく気合を入れてマーボー豆腐を作った。


 何日か試行錯誤を重ね、リタの協力も得ながら村の人の口に合う味に調整して、遂に完成にこぎつけた。


 そしていよいよ村人に食べてもらう時が来た。


 最初、目の前の料理に恐る恐るの村人たちだったが、一口口に含むと驚愕に目を見開き、汗を流しながら手を休めることなくマーボーを掻き込むのだった。


 そして始まった勇者コールと俺の胴上げ。一生のうちで、胴上げされることがあるなんて、夢にも思っていなかったな。


 その日以来、俺はずっとマーボーを作ることになった。

 村人のテンションは確かにちょっと引くほど高かったが、それほどまで俺の料理

喜んで食べてくれると、やっぱり嬉しい。


 この日、俺は封印していた日記帳を開いて、日記をつけることを再開した。

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