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少年は兄と出会う

あれ、ここ、どこだ…?


葬式場…?


誰の?



オレは…


確か、妹の未来(みく)と行った買い物の帰りに、車にひかれて…


そうだ!


未来は!?


「う、ぇっ こうにいちゃっ

 うっ ひっく」


…よかった、無事だった…


泣くなよ未来~


ってかなんで泣いてるんだ?


「…紅っ

 なんで…

 何で死んじまったんだよ…ッ!!」


父さん…?


な、に言って…?


オレ、死んだのか…?


確かに…車にひかれた割には、体が軽い…


「紅、にいちゃんっ

 ひぐっ、なんで、

 なんで、未来を、おいてっちゃったの…」


あぁ、未来…ごめんな…未来を置いて、死んじまう兄ちゃんで…


「紅、ごめんね、お母さんがもっとちゃんとしてれば…」


母さん…母さんのせいじゃないって…


「未来はね、紅がかばってくれたおかげで無傷で助かったんだって、

 お医者様が言ってたわ。

 未来は…

 未来は、紅の分まで笑ってすごせるように、優しい娘に育てるから…!」


母さん…


「紅…一緒にまた遊ぼうぜって言ってたじゃねえか…!」


「ひでぇぜ紅、

 サヨナラもいわずに逝っちまうことねぇだろ…ッ!」


ごめん…有弥(ゆうや)稲雅(とうが)


オレは幸せモンだ…


こんなにみんなに悲しんでもらえて…



「紅ッ!!

 お前、何で…

 何でこんなところにいるんだよ!!」


!?


あれ?オレ、死んでるんだよな?

じゃあ誰にも見えないはずじゃ…!?


振り返って声が聞こえたほうに目を向けて見てみると、


そこには、見知らぬ、大学生くらいの男の人がいた。


その人はたった今、全力疾走でもしてきたかのように、息を切らし、悲しみに満ちた眼をしている。そして、


たった今、初めて出会ったばかり、赤の他人のはずのその人は、何故か、今までずっと一緒に過ごしていた…そんな気がした。


「紅…未来を守ったとはいえ、

 何で来ちまったんだよ…」


…どういう事だ?


「えっと、あの…あなたは…?

 誰なんですか…?」


「オレ、は…」


その人は、一瞬迷ったように目を伏せて、それから、覚悟を決めたように話しはじめた。


「オレは、広末ひろすえ (とおる)

 …お前の、兄だ。」


オレの、兄ちゃん…?


「え…?

 だ、だってそんなの、父さんからも母さんからも聞いてないし…!」


「言わなかっただけだ。

 そんなことを言うには、お前はまだ幼いからな。」


いきなりそんなこと言われても…


「えっと、つまり、あなたはオレの兄ちゃんで、俺が生まれる前に死んじゃって…???」


「んー、

 ちょっと違うな。

 オレが死んだのは紅が生まれてから一ヶ月ぐらいのころだったんだよ。 

 まあそんなに変わんねーけど。」


あ、そうなんだ。


ってそんなことはどーでもよくって!


オレが混乱しているのを見て、透さん(なんて呼べばいいのか)は、ふっ


と顔をほころばせた。    


その顔を見て気付いたことが1つ。


「父さんにそっくり…!」


それを聞いた透さん(?)、


「マジでか!

 やった!」


…子供か!


「ふふっ」


まったく、つられて笑っちゃったじゃねーか!


と、ふいに、頭をなでられた。


「あーもう!

 かわいいなあ紅は!」


「頭なでるなー!」


「えー、いいじゃんスキンシップ!」


「いいじゃんじゃない!」


死んでユーレイとなった兄弟。


フリーダムな兄に、弟は、振り回されそうである…


「「なんか勝手にいい感じにまとめられたぁ!!」」

有弥くんと稲雅くんはきっと今後登場しません。

え、紅の生きてる頃の話読みたいですか。



…ちょっと書きたくなってきた←

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