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永久の旅人  作者: 小狼
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姫の奥ゆかしい心、とくとご覧あれ!

第六話『姫の奥ゆかしい心、とくとご覧あれ!』

始まります

あれから何回か戦闘を繰り返したユウヤ達パーティー一行は東門になんとか夕日が沈む前にたどり着いた。




「あれ、もうこんな時間か」


「何か用事でもあるんですか?」


「いや、もうそろそろ夕飯の時間だろ?早く止めなきゃ親に起こられちまう」


ユウヤがそう言葉を返した時に、一瞬顔を歪ませたメイだが、すぐに持ち直し、こう返した。


「はいっ!それじゃあまた明日」


「おうっ!今日と同じ東門でな」


こうしてユウヤとメイは現実へ帰還していくのであった。




――――――――――――

「ふぅ、つかれました~」


メイはそう溢しながらヘッドギアを取る。


「さて、夕飯でも食べて寝ますか」


一人だと独り言が出てしまうようで、芽衣は誰もいないのにそんな発言をした。


メイ、つまり現実での篠宮芽衣は生まれてからすぐに両親が離婚し、母子家庭となった。


まぁ、母子家庭なのだから働かないといかず、母親は芽衣を一人家や保育園に残し、夜まで仕事に明け暮れていた。


芽衣は両親の離婚があったり、母親の愛情をあまり受けずに育ったせいか、友達があまり出来ずに小、中と学生時代を過ごしてきた。


今度こそはと意気込んで高校に上がるも、一切友達が出来ないまま夏を迎えた。


このままじゃ一生友達が出来ない、と悩んでいる芽衣に一つの広告が目に入った。


『永久の旅人』、今にして思えばこれが人生の転機だったかもしれない。


母親になんとか頼み込み、ソフトにゲーム専用のVRMMO機の『黄金の微睡(まどろ)み』を買って貰った。


母親は今やとある大企業の社長になっております、お願いしたら、簡単にくれた。


わざわざ部屋の模様替えをし、可愛らしい部屋に変えられた『黄金の微睡み』のメインルームでキャラクターメイクをした芽衣はゲームの項目をタッチしてゲームの世界に入り込んだ。





特にキャラクターメイクでは芽衣は自分のままで友達を作りたいという意志で、変更しないで、仮想世界『アガルタ』へと芽衣は足を踏み入れたのだった。


――――――――――――



「わぁ、すご~い!!」


芽衣は眼前に広がる草原を見てそんな感想を抱いた。


どっかの誰かさんが言ったので説明は省くが、やはりこの世界に入った時にこの光景を見せられたらしばし魅入ってしまうようで、芽衣は草原をずっと見続けていた。


そんな芽衣の目の前にいきなり現れた小さい羽が生えた少女が喋り出す。


「こんにちは、今回あなたの専属サポーターを務めさせていただくハーピーでごさいます。どうか宜しくお願いします」


ハーピーはいい終えた後に律儀に頭を此方に下げて来た。


「あ、あの、此方こそ、その、宜しくお願いします」


「では、まず最初にあなたの名前を教えて頂けませんか?」


ちゃんと誰かと一緒で調べていた芽衣は動揺せずにこう答える。


「私の名前はメイです」


「私の名前はメイです様ですか、分かりました」


「え~と、そうじゃなくてですね」


「冗談です」


真顔で言うので全く笑えない。


「あ、あはは」


見事に苦笑と分かる笑い方をするメイ。


「それで、メイ様で宜しいんですね?」


「は、はい!それで宜しくお願いします」


「分かりました、では次に私の名前を決めて下さい」


長い蒼髪の少女が続けて言う。


「……じゃあ、カナちゃんで」


思い付きだ、というかいきなり決めるのに思い付き以外に何かあるはずがない。


「カナですね、名付けて下さって、とても嬉しく思います」


やっぱり表情って大事なんだな、とメイは真顔のカナを見ながらしみじみ思う。


――――――――――――


やはり誰かがしたように軽いキャラクターメイクの調整や前回説明したようなゲームの軽いチュートリアルを聞き終わり


「これでチュートリアルも終了しますけれど、何か質問などはございますか?」


「いえ、特に何もありません」


会話に慣れたのか、最初のオドオドしていた表情からワクワクしている顔にすっかり変わっている。


「では、ゲームを始めますが、準備はよろしいですか?」


「はい、OKです!!」


「では、3………2……1…スタートです!」



そして目の前が真っ白になった。


――――――――――――


メイが最初にしたことは友達を作るという行為だった。


が、やはり見知らぬ人に声を掛けれず、とりあえずレベルを上げて必要とされる人間になってからだ!!、と普通とは違う理由で南門に向かうメイ。


が、またもやそれは叶わなかった。原因はメイがゲームでも殴る、蹴るということが出来ないという致命的なことで、これじゃあなにも出来ないとメイは意気消沈してしまう。


メイは一旦町に戻り作戦を練ってからまたここに来よう、そう心に決め、メイは南門を去っていった。




メイはある作戦を実行しようとしていた。


その作戦はいたって簡単で、殴る、蹴るが出来ないなら林で石を投げればいいじゃない、というものだった。


メイは最初に石を沢山集めようと意気揚々と林に入っていったのだが


「あれ?どこですか?ここ」


気付いたら洞窟の目の前まで来ていた。


そう、メイは石を集めるのに夢中になりすぎていて、迷い混んだのだった。


「どうしよう?」


街に戻れない、そんな不安を抱きながらメイは洞窟内で一人体育座りをする。


そんなこんなで十分ぐらいたった頃、奇怪な叫び声が聞こえたのでそちらを向くと


「え…?熊と…人間?……人間!!」


なんで熊がここにとかここまで来る人いたのかとか色々詮無きことを考えつつ、とりあえず助けないとと思ったメイは行動を移す。


「こっちに来てください!!安全ですから!」


信じてくれるか分からなかったが、今はそんなことは関係なかった。


人間はこっちに来てくれてわざわざ礼を言ってきてくれた。


ここがチャンスだ!、メイは勇気を振り絞ってこう発言した。


「いえいえ、こちらこそ独りぼっちで寂しかったので大丈夫ですよ。

…あの、よければ名前を教えて頂けませんか?

私の名前は、メイと言います、よろしくお願いします。」

感想どしどし待ってまーす(^^)v



誤字・脱字、こうした方がいいよなどのアドバイスがありましたらどんどん送っちゃって下さいm(__)m

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