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第14話 ギルドマスターの提案

またギルドに呼ばれた。用事があるならさっき言えば良いのにと文太は思った。

そして、嫌な予感しかしない文太一行どうなる第14話。

ギルドの取り締まり部隊に囲まれ、

俺――藤沢文太は、再びギルドへ連行された。


(……なんで商売成功しただけで呼び出されんだよ……)


ヤスは呑気に笑っている。


「組長、売れすぎたから嫉妬されてるんすよ!」

「お前、不安って感情何処かに忘れたの?!」


ミドジは胸を張る。


「組長、堂々と行けばよいのですじゃ!」


「お前ら、なんでそんなに堂々としてんだよ!!」


ミドリは心配そうに袖を引っ張る。


「組長……怒られませんように……」


(……癒しだな、この子)


✦ギルドマスターの部屋へ

ギルドの奥にある重厚な扉が開く。


中には――

ギルドマスターが腕を組んで座っていた。


「来たか、藤沢文太」


「……ど、どうも」


(怖ぇぇぇよ……)


ギルドマスターは机の上に置かれた“銀貨の山”を指差した。


「市場での売上……銀貨百二十枚。

 初日でこれは異常だ」


「す、すんません……」

(余計なお世話だ、バカ野郎)


「謝る必要はない。

 むしろ――」


ギルドマスターはニヤリと笑った。

(怖えぇって)


「気に入った」


「へ?」

(え、褒められてる……?)


ヤスが胸を張る。


「組長はすげぇんすよ!」


「ちょっと黙ってヤス!」


ギルドマスターは続けた。


「藤沢文太。

 お前達の“文明の利器”……

 あれは街の産業を変える可能性がある」


(……そんな大層なもんなの?まぁ、この辺の道具に比べれば、そうなのか?)


「そこでだ」


ギルドマスターは身を乗り出した。


(な、なんだ?!)


「――ギルドと“専属契約”を結ばないか?」


「せ、専属……?」


拍子抜けした俺にミドジが小声で言う。


「組長、それは……大きな話なのですじゃ!」


ヤスが興奮して跳ねる。


「組長! ギルドと組むとか最強じゃないっすか!」


(いや、俺達食糧の買い付け出来れば……)


「フフ、乗り気のようだな」


「は?え?」

(なんだ?!話が進んでないか?誰も組むとか言ってな……)


ギルドマスターは指を一本立てた。


「条件は三つだ」


(ああぁ、もう決定事項っぽい)

文太はみんなの手前、平静を装いつつ嫌な予感しかしていなかった。


●一つ目

「文明の利器は、ギルドを通して販売すること」


(……まぁ、これはわかる)


●二つ目

「ギルドの依頼を優先的に受けること」


「依頼……?」


ヤスがニヤリと笑う。


「組長、仕事っすよ!」

「なんでそんなに嬉しそうなの?!」

(嫌な予感しかしねぇ)


●三つ目

ギルドマスターは俺をじっと見た。


「――街の治安維持に協力すること」


「ち、治安維持……?」


(俺ヤクザなんですけど!?

 治安維持とか一番向いてねぇとは思うが、この怖いおっさん俺達がヤクザって事が理解出来ていないんだろうな)


ヤスが胸を張る。


「任せてください! 組長は正義の味方っす!」

「決める?!なんで勝手に?!」


ギルドマスターは真剣な顔で言った。


「街には“冒険者ギルド”と“商人ギルド”がある。

 だが最近、どちらも手が回らないほど治安が悪化している」


「……なんで?そして、俺の意見は?」


ギルドマスターは低い声で答えた。


「――“黒牙団”という盗賊団が勢力を伸ばしている」


(黒牙団……?話がどんどん決まっていくけど、組長だよね、俺)


ミドジが眉をひそめる。


「組長、それは危険な匂いがしますのじゃ……」


ヤスが拳を握る。


「組長! ぶっ潰しましょう!」

「そんな簡単に、俺達に何の関係ある?!」


ギルドマスターは続けた。


「黒牙団は、ゴブリンの村を襲い、

 女や子供をさらい、男は殺す。

 ……お前達の仲間も、狙われるだろう」


「は?」

(……マジかよ)


ミドリが震えながら言う。


「組長……怖いです……」


俺は拳を握った。


(……ふっざけんなよ。

 ミドリ達を襲うような連中、絶対許せねぇ)


ギルドマスターは言った。


「藤沢文太。

 お前達が協力してくれるなら――

 ギルドは“藤沢組”を正式に保護する」


「保護……?」


「街での活動を保証し、

 敵対勢力が現れた時に協力するということだ」


(……それ、悪くないんじゃないか?自由に街に出入り出来るし、商売がはかどりそう!)


ヤスが俺の肩を叩く。


「組長、やりましょう!」


ミドジも頷く。


「組長、これは好機なのですじゃ!」


ミドリが俺の袖を握る。


「組長……お願いします……」


俺は深く息を吸った。

(よっしゃ、決めた!)


「……わかった。

 俺達、藤沢組はギルドと組むぞ」


ギルドマスターは満足そうに笑った。


「良い返事だ。

 今日からお前達は――

 ギルド公認の“準治安維持組織”だ」


「じゅ、準……?」

(なんかよくわからんが、すげぇ肩書きもらった。協力って話が治安維持にこき使おうって感じがしてすごく嫌だが……)


こうして――

藤沢組はギルドと正式に手を組むことになった。


だが、この時の俺はまだ知らなかった。


――黒牙団との戦いが、

藤沢組を“伝説”へと押し上げることを。

読んでくれてありがとう。

第14話は、藤沢組がギルド公認の組織になった。

どうなっていくのか、そして、黒牙団とは?

風雲急を告げる、どうなる次回。

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