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第11話 藤沢組、街で大騒動

ちょっとしたイザコザがあったにせよ街に入れた。

初っ端から胃が痛い文太だが、気を取り直して顔を上げた。

商売よりも問題が起きませんようにと願う文太だが、どうなる第11話。

街の門をくぐった瞬間――

俺は、圧倒された。


石畳の道。

露店の並ぶ市場。

人間、獣人、エルフらしき連中が行き交い、

荷馬車がガタガタと音を立てて進んでいく。


「……すげぇ……」


思わず呟いた。


(これが異世界の街……本物の文明だ……!)


ヤスはテンションMAXだ。


「組長! あれ見てくださいよ! 肉屋っすよ!

 あっちは武器屋っすよ! うわー! ギルドだギルド!!」


「落ち着けバカ!」


ミドジが周囲を警戒しながら言う。


「組長、人間達がワシらを見ておりますぞ……」


確かに、周囲の視線が痛い。


「ゴブリンだ……」

「なんで人間と一緒に……?」

「進化型……? いや、あれは……」


ざわざわと人々がざわめく。


(……そりゃそうだよな。ムキムキゴブリンが街歩いてたら怖ぇよな)


俺はゴブリン達に言った。


「絶対に暴れるなよ? 絶対だぞ?」


「了解なのですじゃ!」


(……フラグじゃねぇよな?)


✦市場で事件発生

まずは市場で相場を調べることにした。


露店には野菜、肉、布、薬草……

いろんなものが並んでいる。


「組長、あれ見てくださいよ!」


ヤスが指差したのは――

粗末な木製のノコギリ。


「これで銀貨三枚っすよ!」


「高っ!!」


(ヤスの出したノコギリ、これの十倍は性能いいぞ……?)


ミドジが言う。


「組長、これは儲かりますぞ……!」


「……マジで商売になるな」


俺が唸っていると――


「おい、そこのお前ら!」


突然、怒鳴り声が飛んできた。


振り向くと、

革鎧を着た冒険者風の男が立っていた。


「ゴブリンを連れて市場を歩くとは……正気か?」


(またかよ……)


ヤスが前に出た。


「俺達、商売しに来たんすよ!」


「商売だと? ゴブリンがか?」


「ゴブリンじゃなくて、藤沢組の構成員っす!」


「言うなバカ!!」


冒険者は鼻で笑った。


「ふん……どうせ盗品でも売りに来たんだろ。

 街の治安を乱すなら、ギルドに突き出すぞ?」


(……めんどくせぇ奴に絡まれた)


俺は丁寧に頭を下げた。


「すまねぇ、こいつらは俺の仲間で――」


だが、冒険者は聞く耳を持たない。


「人間がゴブリンと仲間? 笑わせるな。

 お前ら、どこの盗賊団だ?」


「盗賊団じゃねぇよ!!」


ヤスがキレた。


「組長を侮辱すんなよコラァ!!」


「やめろヤス!!」


だが、もう遅い。


冒険者が剣に手をかけた。


「やる気か……?」


ミドジが前に出る。


「組長に刃向かうとは……覚悟はできておるのかですじゃ?」


「やめろって言ってんだろ!!」


(頼むから喧嘩すんなよ……!)


その時――


「ちょっと待ちな!」


甲高い声が響いた。


✦謎の少女、登場

人混みをかき分けて現れたのは――

赤いポニーテールの少女。


年齢は十六、七。

腰には短剣。

胸にはギルドの紋章。


「ギルドの者だよ。

 あんたら、街で騒ぎ起こす気?」


冒険者が慌てて頭を下げる。


「い、いや、こいつらがゴブリンを連れて――」


少女は俺達を見る。


そして――

ヤスの持つノコギリに目を留めた。


「……それ、どこで手に入れた?」


ヤスが胸を張る。


「俺が出したっす!」


「出した……?」


少女はノコギリを手に取り、目を見開いた。


「なにこれ……めちゃくちゃ切れ味いいじゃん……

 こんなの、街じゃ見たことないよ……!」


(……お?)


少女は俺を見た。


「ねぇ、あんた達。

 ギルドで話を聞かせてくれない?」


「ギルド……?」


少女はニッと笑った。


「うん。

 ――あたし、冒険者ギルドの受付嬢、リナ。

 あんた達に興味あるんだ」


(……なんか、面倒なことになってきたな)


だが、商売のためにはギルドとの関係は重要だ。


俺は頷いた。


「わかった。案内してくれ」


こうして――

藤沢組は街のギルドへ向かうことになった。


(……頼むから、平和に終わってくれよ……)


だが、この時の俺はまだ知らなかった。


――ギルドで待ち受けている“とんでもない誤解”のことを。

読んでくれてありがとう。


猛烈に胃が痛い文太。


なんでこんな事になったのかと自問自答しながらギルドへ向う文太であった。

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