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第10話 藤沢文太、異世界の街へ

文明化が進む藤沢組。

家は建ち、風呂は湧き、道具は揃い、ゴブリン達も頑張ってる。


だが――

文明が発展すれば、当然“問題”も増える。

食料の分配、労働の割り振り、道具の管理。


文明の光が強くなるほど、影も濃くなる。

文太は組長として、初めて“統治”という壁に挑むことになる。


藤沢組が“街”へと変わるための試練が始まる第10話

朝の光が森を照らし、鳥の声が響く。


藤沢邸の前で、俺――藤沢文太は深呼吸した。


「……よし。行くか」


今日、俺はついに“街”へ行く。


食料不足を解決するため、

藤沢組の未来のため、

そして――文明のため。


(いや、正直めちゃくちゃ怖いけどな……)


ヤスが荷物を背負って駆け寄ってきた。


「組長! 準備できたっす!」


「お、おう……」


ミドジが胸を張る。


「組長、護衛はワシと若い衆三名が務めますのじゃ!」


ムキムキのゴブリン達が並ぶ。


(……いや、護衛っていうか……普通に怖いんだけど)


ミドリが心配そうに手を握ってきた。


「組長、気をつけてくださいね……」


「お、おう……」


(……なんだよこの家族感。悪くねぇけどよ)


✦街への道のり

森を抜ける道は、思ったより整備されていた。


「組長、これ全部ゴブリン達が作ったんすよ!」


「……すげぇな」


(文明化が早すぎる……)


道中、ヤスはずっと喋っていた。


「街にはギルドがあって、冒険者がいて、商人がいて……

 組長、絶対モテるっすよ!」


「いや、なんでそうなるんだよ」


「だって組長、カリスマあるし!」


「ねぇよ!」


ミドジが口を挟む。


「組長は、我らの誇りなのですじゃ!」


「いや、そんな大層なもんじゃねぇよ!」


(……なんだよこの持ち上げられ方。胃が痛ぇ)


✦街が見えた

森を抜けると、視界が一気に開けた。


そこには――


高い石壁。

巨大な門。

行き交う人々。

荷馬車。

商人。

冒険者らしき武装した連中。


「……街だ」


俺は思わず呟いた。


(すげぇ……本当に異世界の街だ……)


ヤスが興奮して跳ねる。


「組長! あれ絶対ギルドっすよ!

 あっちは市場っすよ!

 うわー! テンション上がるぅ!」


「落ち着けバカ!」


ミドジが真剣な顔で言った。


「組長、ここからは慎重に行動するのですじゃ。

 人間は、ゴブリンを見ると襲ってくる者もおりますゆえ」


「……だよな」


俺はゴブリン達を見た。


ムキムキ。

ムキムキ。

ムキムキ。


(……いや、これ普通に怖いだろ)


「お前ら、絶対に暴れるなよ?

 絶対だぞ?

 絶対にだぞ?」


「了解なのですじゃ!」


(……フラグじゃねぇよな?)


✦街の門で事件発生

門の前には、槍を持った門番が二人。


「止まれ!」


俺達は足を止めた。


門番は俺を見て、次にヤスを見て――

そして、ゴブリン達を見た。


「……は?」


空気が凍った。


「お、おい……あれ……ゴブリンじゃねぇか……?」


「なんで人間と一緒に……?」


(やべぇ……)


ヤスが前に出た。


「お疲れ様でーす! 通りまーす!」


「軽いな!!」


門番が槍を構える。


「ゴブリンを連れて街に入る気か!?

 正気かお前ら!」


(正気じゃねぇよ! 俺だって怖ぇよ!)


俺は慌てて手を挙げた。


「ちょ、ちょっと待ってくれ!

 こいつらは俺の仲間で――」


「仲間!? ゴブリンが!?」


(いや、俺だって信じられねぇよ!)


ミドジが胸を張る。


「ワシらは藤沢組の構成員なのですじゃ!」


「言うなバカ!!」


門番が叫ぶ。


「ゴブリンを街に入れるわけにはいかん!

 帰れ!」


(……終わった)


そう思った瞬間――


ヤスがニヤリと笑った。


「組長、任せてくださいっす」


「おいヤス、やめろよ……?」


ヤスは胸を張って言った。


「俺達、商売しに来たんすよ!」


「話聞けよ!!」


門番が怒鳴る。


「帰れと言っている!!」


ヤスは一歩前に出た。


「じゃあ、これ見ても同じこと言えますかね?」


ヤスが取り出したのは――

高品質のノコギリ。


門番の目が変わった。


「……な、なんだその道具は……?」


「これ、売り物っす」


門番はゴクリと唾を飲んだ。


「……ちょっと、上に確認してくる……」


(……え? 通れるの?)


ヤスが俺にウインクした。


「組長、文明の力は強いっすよ」


(……お前、マジで有能だな)


✦そして、街へ

しばらくして、門番が戻ってきた。


「……通っていい。ただし、ゴブリン達は絶対に暴れさせるなよ!」


「もちろんっす!」


ヤスが胸を張る。


俺は深く頭を下げた。


「ありがとう……助かった」


こうして――

俺達はついに、異世界の街へ足を踏み入れた。


(……頼むから、何も起きないでくれよ……)


だが、この時の俺はまだ知らなかった。


――街で待ち受けている“さらなる地獄”のことを。

読んでくれてありがとう。

第10話は、文明化した藤沢組が直面する

“現実的な問題”を描いた回だった。


文明は便利だけど、


10話到達しました。

これを記念して、評価、感想、ブックマークなど宜しかったら、お願いいたします

便利になればなるほど管理が必要になる。

文太はその現実に向き合い、

組長としての責任を少しずつ自覚していく。


そして今回から、

藤沢組の外――

“異世界の社会”との接触が始まる。


ここから物語は、

集落内の話から“世界”へと広がっていく。


文太の胃痛は悪化するけど、

藤沢組は確実に前へ進む。


次回は、藤沢組に訪れる“初めての外交”。

文明の発展と、文太の苦労はまだまだ続く。


10話到達。

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