現代ゴブリンの生態
くだらないと思いつつ読んで、にやりと笑ってほしい。
これはある特殊な訓練を受けた調査員が、ゴブリンに密着して得た、確かな情報である……
【ゴブリン】
一般的に知性が低く、攻撃性が強い。人間のまねをするものが多く、道具を駆使したりもする。個体によって差はあるが、品性下劣で多くは徒党を組んで活動している。
「弱いゴブリンほどよく吠える」という格言がある。
【ゴブリンライダー】
騒音を立てながら単車(またはスクーターであることも)を乗り回すゴブリン。
煙と騒音をまきちらす迷惑なゴブリン。
たいていは夜行性。夏になるとよく涌く。
ゴブリンらしく無駄に繁殖力が高い。
【ホブゴブリン】
体が大きくなったゴブリン。
最大のものになると、ベッドから起き上がれなくなったりもする。
脂肪で肥大しただけなので動きはのろく、膝が弱い。
糖尿病などの疾患をかかえているものが多い。
【ゴブリンマジシャン】
電子機器を使ってあらゆる悪いことをそそのかすゴブリン。
詐欺を働いたり、ネット上でイキってあらゆる人にかみついたりする。
人を騙すことが得意で、いつも嘘ばかりついている。
【ゴブリンシャーマン】
煙を使って悪霊に呼びかける邪悪なゴブリンの呪術師。
ところかまわず煙を吐き出し、エレベーター内でも平気で毒煙を充満させる。
歩きながら毒煙を吐き出し、火のついた燃えかすを捨てて火災を起こすことも。
【ゴブリンチャンピオン】
暴力集団のある一定の階級にあるゴブリンを表す名称。
チンピラの格上のゴブリン。暴力で解決することしか頭になく、交渉事は苦手。
暴力集団に類する「反社」と呼ばれるものも存在する。
【ゴブリンキング】
暴力集団のトップ。たいてい後継者のことでもめる。
キングと言ってもゴブリンなので、本物には遠くおよばない。
周囲を取り巻きで囲んでいるが、その中の何匹かは裏切るのが基本。
★【番外】★
【なろうゴブリン】
小説家になろうに出没するゴブリン。
気に入らないものに低評価を付けることだけが生き甲斐のゴブリン。
ゴブリンの中でも最弱で、倒しても経験値もゴールドも手に入らない。
これに遭遇した冒険者は冷ややかな笑みを浮かべながら「ほかにやることないの?」と、冷たくあしらうのがたびたび目撃されている。
【迷惑系(動画配信)ゴブリン】
おもにネット上に動画をさらして人を不快にさせるゴブリン。「ゴブリンマジシャン」の亜種。
ゴブリンはたいてい迷惑な生き物だが、金儲けのために活動している分、こざかしいものが多い。
図々しく、ずかずかと他人の敷地に上がり込んだりするが、それを咎められても自分を弱い立場のゴブリンだと装って、相手が攻撃的で悪いやつだ、という印象操作をよくする。
何かあると「いま動画撮ってますんで」と開き直るものが多い。