《1ヶ月前》
窓から入る朝日に顔を照らされ目が覚める。
まだ眠いがベッドから起きて着替えていると部屋のドアがノックされる。
「お兄ちゃん、起きてんの?遅刻するよ!」
声をかけてきたのは妹の佐藤朱莉。少し不機嫌な声なのは反抗期の最中だからだろう!
「大丈夫、起きてるよ!」
朱莉に返事をして部屋から出て行こうとすると最近読んでいる小説が目に入る。
今、ハマっている魔法と剣のファンタジー小説だ。
これを忘れる訳にはいかないからカバンの中に入れる。
今度こそ部屋から出て1階に降りると、母さんが弁当箱を持って不機嫌そうに立っていた。
「遅い。学校に遅刻するよ!」
「朝飯は?」
俺がそう返事すると
「バカ、遅刻するよ!食べたきゃ早起きする事だね」
呑気に返事したら怒鳴られた。朝から機嫌が悪いらしい。
最近、母さんは妹の進路の事で妹と揉めている。
中学3年で反抗期の最中の妹は母さんに進路の事に口を出されるのが嫌で昨日も大喧嘩。
それを、父さんと俺が仲裁するのが最近の我が家の日常だ。
これ以上、怒鳴られるのは御免なので急いで家を出る。
どうやら、朱莉は俺に声をかけた後、さっさと登校したらしい。
高校生になって約二ヶ月。
高校に向かって歩きながら小説を昨日の続きから読んでいると後ろから首に腕を回されてチョークスリーパをかけられる。
「よう剣斗。また朝から本なんか読みながら歩いてんのかよ。いい加減、事故んぞ?」
俺を離して、そんな声をかけてきたのは入学式から仲良くなった友人の立花海翔。
「剣斗君、ちゃんと前を見ないと危ないわよ?」
そう声をかけてきたのは海翔の姉の立花雪。
うちの高校じゃ生徒会のメンバーに次ぐ人気の持ち主だ。
「馴れてるから大丈夫だよ」
俺がそう返事をして歩き出すと2人は呆れながらも一緒に登校する。
3人で話しながら登校していると校門の前では生徒会のメンバーが生徒達に挨拶をしながら服装検査をしていた。
「おはよう、剣斗君。君はいつも本を読みながら登校して来るね。注意しても治らないなら昔みたいに私が手を繋いで一緒に登校してあげようか?」
そう声をかけてきたのは生徒会長の松本姫華だった。




