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《Side:松本姫華》

服装検査の日。


幼馴染みのケンちゃんと久しぶりに朝から話が出来た後、私は副会長のあきちゃんに生徒会の仕事をちゃんとするよう怒られていた。


「まったく。生徒会長なんだから一人の生徒とだけ話してちゃ駄目でしょ!皆に挨拶しないと」


そう言って、私を叱る幼馴染みで副会長のあきちゃん。


「でも、ああしないとケンちゃんと話せないんだもん!高校生になってからは何故か避けられてるし」


ケンちゃんと話をしたいのに何故か皆に邪魔されてる気がする。


「剣斗も高校生なんだから昔みたいにはいかないわよ。それに、嫌いじゃないって言ってたじゃない?」


「そうだけど」


それでも、もっと話したいの!と言う私に、あきちゃんは肩を竦める。







私には大事な幼馴染みが二人いる。一人は親友でもある遠藤あき。


そして、もう一人が私達より二つ年下の佐藤剣斗。


親同士が仲が良かった私はケンちゃんが生まれた頃から一緒にいて遊んでいた。そこに幼稚園で友達になったあきちゃんが加わり三人で良く遊ぶようになった。


二人とも大事な幼馴染みだけど、あきちゃんとケンちゃんでは少し違いがある。


高校生になってからは少し避けられてるけど私は彼が好き。


私が彼の事が好きだと自覚したのは中学三年の時。


不良生徒に告白された私は断った事で、その友達に校舎裏に連れてかれていた。


不良生徒達に囲まれて何故、断ったんだと問い詰められた私は怖くて泣いていた。


そんな時、一年生の彼が助けてくれた。


たまたま、近くのごみ捨て場に来てた彼は怒鳴り声が聞こえて様子を見に来ただけだった。


でも、囲まれてたのが私だと気が付くと私達の間に入り庇ってくれた。


まだ小柄な彼は、体格の良い不良生徒達に囲まれながらも一生懸命に私を庇っていた。


自分も怖くて震えているのに。


騒ぎを聞きつけた先生達が不良生徒を連れていくまで庇い続けてくれた彼に私は泣きついた。


彼は昔からそうだった。私やあきちゃんが困っていると必ず助けてくれた。


その時、私は彼の事が好きなのだと自覚した。


この事は誰にも言っていない。あきちゃんにも。この関係が壊れるのが怖いから。


一度、三人で遊んでいる時に冗談半分で私の事どう思ってるか聞いたら実の姉の様に思ってると言ってくれた。


嬉しかったけど異性としては見られてない事が悲しかった。


でも、告白してこの関係が壊れるぐらいなら私は姉を演じる事にした。


弟が大好きで大好きで仕方ないお姉ちゃん。幼馴染みの男の子が可愛くて可愛くて仕方ないお姉ちゃん。


ねえ、上手く演じる事が出来てる?







放課後、あきちゃんと一緒に帰りながら途中で本屋によって帰る。


「また小説買うの?」


あきちゃんが私が手に取った本をみて聞いてくる。


「うん!今朝ケンちゃんが新しいの読んでたから!」


私がそう言うと苦笑いするあきちゃん。


「よく続けるわね?弟の好きなものを知るのはお姉ちゃんの義務!だっけ?」


本当は少し違うけど。


「きっかけは確かにそうだけど面白いんだよ?」


ケンちゃんが中学二年になって少ししてから彼がファンタジー小説に夢中になっていた。


家に遊びに行くと本が少しずつ増えていた。この本が面白い。この本のここがカッコいい。と楽しそうに話す彼に、少しでも話しについていきたくて同じ本を買って読んでみた。


そうしたら、思った以上に面白くて一気に読み進めてしまい寝不足で学校に行ってしまったぐらいだ。


現実ではあり得ないファンタジーの世界が一時でも全てを忘れさせてくれる。


「じゃあ、買ってくるね!」


本を買って二人で本屋を後にする。


この数日後、声が聞こえた気がした。







バイトを終えて家に帰った私は部屋で本を読んでいた。


だけど、その日バイトで疲れていた私は本を読みながら眠ってしまったのだろう。気付いたら何故か森の中にいた。


周りには木があるだけ。奥に進んでみた私は村を見つける。


村の入口らしき場所で立ち尽くす私に気づいた村の人が話しかけてくる。


「あんた、大丈夫かい?何かあったのかい?」


そう言って話しかけてくる人達の、ある部分に私の目は釘付けだった。


『ケモ耳と尻尾がある』


私は動物が好き。小説にハマってからは獣人に少し憧れていた。


『今、目の前に獣人がいる』


「あんた、一人だけかい?家族は?」


目の前の光景にただただ驚いていると、おばあさんが話しかけてきた。


「え、えっと、私一人です」


戸惑いながらも私がそう返事をすると、おばあさんは悲しげな表情を浮かべる


「なら、あんたも一緒に村で暮らすかい?」


少しすると、おばあさんが優しい顔でそう尋ねてきた。


「えっと、良いんですか?」


私はおばあさんの提案に驚く。


「ああ、歓迎するよ!さあ、皆。新しい仲間だよ!」


おばあさんが皆に伝えると小さな子達に囲まれた。ケモミミが一杯!


「か、かわいい!」 


子供達に囲まれていると、私はお尻の方に違和感を感じる。


首を後ろに回すと見慣れない、けど先程から辺り一面に見えるものと同じものがある。


頭も触ってみる。するとモフッとした感触と擽ったさを感じる。


私は近くにあった水溜まりで自分の姿を確認してみる。


『わ、私にも耳と尻尾がある!』


黒い耳と黒い尻尾。私も獣人になってる!?


『これはやっぱり夢ね。でも天国にいるみたい!!』


私が自分の姿に感激していると


「お姉ちゃんの尻尾きれいだね!」


周りの子達が褒めてくれる!


「ありがとう」


夢ならばと子供達の耳や尻尾をモフモフさせてもらった!


「お姉ちゃん、変なの~!」


私のそんな様子を子供達は不思議そうにしていた。  


子供達と遊んだ後、私は村の人達の料理の手伝いをした。


私が作った料理に不思議そうに眺めてた人達も少しずつ食べては驚いていた。


「あんた、料理上手だね!」


私が作った料理を食べたおばあさんが、そう言ってくれる。


「ありがとうございます。」


『でも、ただ魚のあらを使った味噌汁なんだけどな?』


疑問に思いながらも食事を終え、私はおばあさんの家に泊まらせてもらった。


気が付くと自分の部屋の中に居た。私はあの夢の事を残念に感じながらも学校に行く準備をして家を出る。


それから毎日、夢を見た。


森にいる私は奥に進んでいく。


すると、いつも獣人の村があり村の人は毎回違うけれど歓迎してくれている。


そして毎回私が色んな料理を作ると皆、驚いて夢中で食べてくれる。


楽しい。


私は夢を見るのが楽しみになっていた。







そして、今。


私は暗闇の中にいる。

ここまでが序章となります。一章も書き直し終わったら投稿しますので、お待ちください

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