《魔法を手に入れたが、ハズレを引いた》
望み通りの力を与えてくれる?
『それって、魔法とか?』
『そうね。他にも色々よ』
そう言われた瞬間、俺は歓喜の雄叫びをあげた。
よっしゃ!魔法が使える!ファンタジーだ!剣と魔法の世界だ。やったー!
『そこまで喜んでんのは、あなたぐらいよ?』
俺が喜んでいると引きぎみの神が話しかけて来た。
『そもそも、知り合いの心配してたんじゃないの?』
剣と魔法の世界での冒険なんて男子なら誰でもテンション上がるでしょ。それに、姫華姉さんの事はコイツに言われるまでもない。
『この世界に来ているなら問題ないさ。俺が必ず見つけ出してやる。』
俺がそう宣言するとため息をついて話を続ける。
『まあいいわ。じゃあ望みを言いなさい!』
『魔法は絶対使えるようになりたい』
俺が間髪をいれずにそう言うと『それだけ?』と聞いてくる。
『いや、魔法は攻撃魔法はとりあえず最低限で!自分で覚えて強くなるから。回復魔法は死なないよう万能タイプに。空間魔法も使えるようになりたい。収納魔法とかあると便利だよな。後、時空魔法。テレポートとか使えるようになりたい!後、武器も使えるように強くなりたい!斬撃とか飛ばせる様になりたいです』
と矢継ぎ早に俺が告げると
『わ、わかったわ!も、もう無いわね?』
引いた神様の声。
『まだ、見た物や人物の詳細が分かるようにして下さい!』
『つまり鑑定能力って事ね?』
そうです!
『なるほどね。わかったわ』
やったー!全部使えるようになる。要望が叶った事に喜んでいると俺の体が光だした。
『今ので使えるようになったはずよ!』
そう言われた俺は近くの石を拾い鑑定と呟く。
すると石の横に説明が現れた。
{変哲のない砂漠の石}
よし!少なくとも鑑定は出来た!次は魔法だ!
『魔法はどうやって使うの?』
そう神様に聞くと思ってのと違う答えが返ってきた。
『は?まだ使えないわよ!魔法を覚えてないもの』
は?
『え?だって自分で強くなるからって言ったじゃない?だから覚えれば、どんな魔法も使えるようになってるわ!』
違う!そうじゃない!
『最低限の攻撃魔法は使えるようにって言ったじゃん!』
『し、知らないわよ!そもそも、あなた注文が多いのよ!他の人はそんなに望まなかったわよ!』
いや、そっちが望みを叶えるって言ったんじゃん!何だよ。魔法とか使えるようにしてくれるって言うから自称を外したのに!見直してたのに!このウソつき!
『だ、誰がウソつきよ!ちょっと泣かないでよ!』
くそ。俺が絶望で蹲っていると
『わ、わかったわ!後一つだけ叶えてあげるから』
そう言われた瞬間、一瞬で立ち上がる。
『じゃあ、サポーターが欲しい!』
『サポーター?なにそれ?魔法が使いたいんじゃないの?』
『サポーター!そもそも、この世界の事を何も知らないから。色々教えてくれる存在が必要だなって』
『なるほど。じゃあ、そのサポーターってのを付けてあげるわ。頭の中で考えれば何でも教えてくれるわよ!さあ、叶えたわよ』
『マジ!?じゃあ、俺の名前は?』
〈佐藤剣斗。私のマスターです。〉
『うお!?機械みたいな声が聞こえた!マスターって俺の事?』
〈肯定です〉
俺がサポーターを試していると
『もう、大丈夫よね?私は他の人にも説明しなきゃいけないから行くわよ?』
そう言われ慌てて引き留める!
『待って、後、幾つか質問だけさせて。すぐ済むから』
『ええ~、わかったわよ!で?何が聞きたいの?』
『この世界と地球って時間の流れってどうなってんの?もし、一緒だと何年も過ごしたら地球でも同じだけ時が流れてる事になんでしょ?違うなら良いんだけど!』
まあ、元の時間に戻して貰えるなら気にしなくても良いのかも知れないけど。
『ああ、説明してなかったはね。地球とは時間の流れは大分違うわ。地球での二十日間ほどがこちらの一年ね。問題がすぐに解決すれば向こうでは数日で目を覚ました事になるわね!安心した?』
『ああ。じゃあ次の質問、この俺の姿って獣人って奴?』
『ええ、見た目はこの世界にいる種族からランダムに決まっているみたいよ』
みたい?
『でもさ、何で俺は砂漠にいんの?発展の為に呼ばれたなら人間がいる場所じゃないと意味なくない?』
『そ、そうね。』
俺が今更の疑問を口にすると、動揺したような返事が返ってきた。
『何?なんかあるなら教えておいて欲しいんだけど?』
『私が決めた訳じゃないから怒らないでね?ハズレらしいわ!』
ハズレ?
『ハズレって?』
『この呼び出しのシステムは遊戯神が作ったの。彼はその名前通り遊ぶのが大好きなのよ。それでシステムを作るにあたって面白そうだからって当たりとハズレを作ったらしいのよね?当たりは姿は人族で呼び出され場所も人族が暮らし安い安全な場所。差別もない場所ね!逆にハズレは』
と気まずそうに話しを続ける。
『ハズレは、誰も居ない所で毎日命の危険を感じる場所に呼び出される。もし、仮に誰かと出会っても獣人族は差別の対象だから獣人以外なら誰とも話すことは出来ないかもね?』
なんだよそれ!?
『まあほら、本来なら悪夢に襲われ続けるだけだったけど今なら移動も出来るし何とかなるから頑張って!』
慰めてくるが俺の気持ちは沈んだままだ。
『も、もう質問はないの?ないなら行くわよ?』
『まだ、後二つだけ』
『なに?』
『この世界の名前は?』
『ああ、アルティミアよ』
『じゃあ、ラスト。神様の名前教えてよ』
『?、ああ、まだ教えてなかったわね!私は創造神アルティア。アルティアと呼んでいいわよ?』
どうやら名乗るのを忘れていたらしい。ってか神様を呼び捨てって良いのか?
『呼び捨てで良いんですか?』
『構わないわ。もしかしたら頼み事をすることもあるかもしれないから、その時は協力しなさい。それと、私と一緒じゃなくて他の神が一人で現れる事があったら気を付けなさい。じゃあ、もう行くわよ!』
もう、聞きたい事もないし別れを言うアルティアに挨拶しようとすると
『あ、ごめん。あなただけに伝えなきゃいけない事があったわ!向かうなら東の方向に進みなさい!多分、一年も進めば人間がいる街に着くわ。頑張ってね!』
『は?どういう事だよ?おい!アルティア?』
最後に教えられた衝撃の事実に、問い詰めるもアルティアから返事が返ってくる事はなかった。
逃げたなアルティアの奴。ちくしょう!
遊戯神のとかいう奴、もし会ったらハズレなんて作った事を後悔させてやる!




