商店街in下痢パーマ
「お腹が空いてしまったんだが、お金を持っていないんだ。この近くで手軽にお金を稼げるようなところはないか?」
「お兄さんは旅のものかい?それなら、ここから東の方にいいところがあるべ。そこにはお兄さんみてぇな旅人も沢山いるはずやけん。一度行ってみりん」
流暢に様々な方言を切り替えながら、喋る糞便は親切にその道を教えてくれた。
教わった道に従い、観光がてらに街を見て回りながら歩いた。30分ほどして目的の場所と思わしきところについた。そこには元の世界でも見たことのないような超高度に発展した都市が広がっていた。案の定みんなうんこまみれ、いやウンコそのものなのだが。まず手始めに近くのうんこに話しかけてみた。
「いらっしゃいませー」
商店街のような路地に入ってみるとそんな活気のいい声が聞こえてきた。
「すみません」おずおずと声をかける。
「おぅ、どうしたにぃやん。」
そこで気づいた。
こいつ俺と同じ人型の女だと。
それなりに身長はあるもののスタイルだけで見たら確かに女性だった。
「なぁあんた、うちで飯食っていかないかい?」
その女性に促されるまま、座席についた。
「あんたは、新人さんかい?ここらじゃみない顔だけど」
「最近きたのさ。ここはいい町だね。」
「そうだろここら辺じゃ一番栄える軍事都市さ。あんたは気づいたかい?ここに来るまで麓は森に囲まれていただろ?」
そう言われてみれば近くに来てこの都市を認識した。
「たしかに気づかなかったな。」
「おうさ、今じゃインポー族との抗争で世間はピリピリしてるからね。あんたも夜道は気をつけるといい。」
「ここら辺は、旅人がよく来るのかい。」
そんなこと言っていると味噌に漬け込んだ現世のラーメンのようなものが出て来た。
「まぁね。そこらで寝泊まりしてるんじゃないかね?
そこには旅人用の酒場もあるって話さ。気が向いたら行ってみな。」
そんなことを聞き流しながらラーンと書いたこの器に手をかけた。腐臭に満ちるこの世界で初めて鼻腔をくすぐる匂いを嗅いだ。濃厚な味噌の香りが空腹感を強くさせ、それは、今自分がこの場所に生きているという証拠を提示した。同時に、心のどこかで未だこれは夢だと信じたがった忌避ができなくなる。否が応でも、現実を直視しなければならなかった。
箸に手に取り、麺を数本つまみ上げる。味噌が絡み付いた麺は想像よりも重い。
いただきます、と小声で呟き慣れた仕草で麺を啜る。
美味しい。素直に思った。
疲れきった心身に暖かい食事と濃い味付けは、全身で味覚を感じさせた。五臓六腑に染み渡るとはこのことだろうか。そして餓えたように豪快に箸を進めだすと、ものの数分で食べきってしまった。
心持ちは少しだけ前を向いて、聞こえるように「ごちそうさま」という。
だが、ここでやつは来た。
飯を食べたということは、すなわち。
いつもの感覚が下腹部に甦る。
それは本物だった。
「店主!トイレはどこだ!」
「そんなに焦ってどうしたんだいにぃやん」
「早く教えてくれ!」
「トイレかい?トイレならそこの奥にあるy」
その瞬間便意を我慢できなくなりトイレに駆け込んだ。
いつも通り肛門からの感覚がありまた奴が出てくるのかと思ったが今回はあの耳からの便意はやってこなかった。
なんとか便を終えたが、周りを見渡すと閑散とした路地で、見覚えのない風景が広がっていた。
うんこをし終わり至福のときを過ごしているとふと
俺は代金を払っていないことを思い出した。
そこで払いに戻ろうとしたのだがお金がないことに気づいた。
その瞬間冷や汗が出るのを感じた。もっともその汗ももちろん下痢便なのだが。
そこで女の店主に謝ってそこで働かせてでももらおうと思った。
ちなみにその女の店主が未来の俺(もちろん俺もうんこ)のハーレムの一員になるのはまだ遠い未来の話だ。
店に戻ってみると、いくらかの男が店に集っていた。男たちは女店主と揉めているようだ。
「どうしれんだ。このアマ。こっちは一張羅なんだぞ!」
「なんだい、自分でやったことじゃないか、こっちにケチつけんじゃないよ。」
どうやら服に汁が飛んだとかでもめているらしい
聞いていると、下痢男の言いがかりのようだ。
「おっ!これ助けたらラーン代タダにしてくれんじゃね?」
と下心満載のクソ野郎的なことを考えていると…
「この服、弁償しろや!」
言い争っていた下痢男が女店主に掴みかかろうとしていた。
「早く助けなければ!」
と思ったがいざ考えてみると自分は今まで喧嘩をするどころかこのような状況を避けてきた男だ
しかし下痢男は待ってくれない女店主を掴むと逆の手で殴りかかろうとしてきた。
「やばい!」と思ったその瞬間背中から下痢便が溢れ出し身体が下痢男に向かって吹っ飛んでいった。