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道化師の歌~Nonet of betrayal~

作者: 詠う人形技師

返して。


僕等の名前を。


返して。


僕等の居場所を。

道化師達がただ願うのは

一人、一つの名を貰う事

道化師達はひたすら願う

全て、全てが元に戻る事


彼等は元・ただの子供で

元気一杯、遊んでいた

ある日サーカスが訪れて

子供はみな道化になった


人を笑わせ、楽しませて

月に一度、解放される

だけどだけど何でだろうか?

人はみな、後ろ指を指す


子供等が家に帰ると

そこにいるのは同じ顔

両親は取り乱してさ

本物を追い出したのさ


子供等は混乱して

賢者様に知恵を借りるよ

賢者様が言い出すには

「君達はもう人ではないね」


子供等は村から出され

遠くまで一人で旅さ

他の道化と出会ったら

被害者か確かめたのさ


子供等はある日見つけた

何もない廃墟と土地を

彼等はみな相談して

そこに住む事にしたのさ


数年が経ったある日

賢者様が訪れた

「皆良い顔になったが」

「まだ人が足りないな」


更に数年経過して

賢者様がまた訪れた

「時は満ちたよ子供達」

「今日こそが戦いの日」


子供等は武器を持って

サーカスに押し寄せた

団長は笑って言った

「能無しめ覚悟しろ」と


戦いは長く続いて

子供等は追い詰められた

そこへ偽物が現われて

戦況は元に戻った


賢者様が言うのには

「ただ状況を伝えただけさ」

「皆が着いてきたんだよ」

「彼等は家族が欲しかっただけ」


団長が叫んでいた

「忌々しいコピーどもめ」

「呪われ賢者の事信じ」

「私に逆らうのか」と


コピー達は勇ましく

サーカスを消し去った

最後に寂しい笑顔見せて

そのまま消えていった


賢者様が嬉しそうに

子供等に話しかけた

「これで悪夢は終わるよ」

「やっと私も眠れる」と


子供等は居場所に帰り

賢者様は永い眠りへ

道化師達の戦いは

やっと終幕しました

賢者様は眠る前

一つを教えました

「私もコピーなんですよ」

「でも本物はもういない」

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