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此処に

作者: 月白 深夜

僕は何処にいるんだろう


今立っているこの地面

今存在するこの世界

だけど今って何?

気付いたときにはとうに過ぎ去って

届かないこの一瞬が

次へ次へと僕を押し出す


速すぎるんだよ

あまりの速度に途方に暮れ

自分の居場所も見つけられないまま

時の中を浮遊する僕は

ただ流されるように進んでいく


ああ

またこの手をすり抜けていく景色

捉えたと思った次の瞬間

目の前にあるのは違う景色で


だけど懲りずにまた手を伸ばすんだ

何かがこの手に残ることを信じて

きっとどこかに触れると信じて

そうして指を掠めた欠片を積み上げ


僕は此処にいるのかもしれない

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