第2話 誰がコマドリを殺したの
2.
帝国には図書館がある。
時間が空いた時や洞穴に潜らない日は情報収集も兼ねて私も良く行っている場所だ。8年前のドラゴン来襲後に建てられた学園生に開かれている図書館。当然ながら建物は新しく、所蔵されている書物は山のように、といって良いぐらいある。一冊一冊誰かが書いたのかと思うと何ともはや人間というのも凄いものだなと思う。弱いが故に知識を蓄え、それを次の世代へと繋ぐ。ガラテアさんという例外っぽい存在は抜きにしても、そういう事が出来るのはやはり人間だけなのではないかと、私は思う。だからこそ書物から学ぶという事をしない自殺志願者は死にたがりとしか思えない。
ともあれ、だからこそ、私はここに来た。
ここにならば、何かが分かるのではないかと思って。
それこそいつまでたっても読み切れないぐらいに存在する書物の中から自分の求める知識を得ることは非常に難しい。分類分けされて書架に並べられてはいるものの、その中でも更に細かく分類されており、そんな分類を私に把握できるはずもない。
今まで私が読んだ物といえば洞穴に関して書かれている物、旅の心得のようなものなど洞穴探索に必要な物だけといっても良い。おまけで料理本ぐらいか。聞いた話によれば閲覧禁止な禁書なる物もあるようだが、それがどういった類の書籍があるかも分からなければ、そもそも奴隷の私が見られるものではない。それこそ皇族に許可を貰わねば見る事もできないだろう。とはいえ、洞穴探索を目的とした図書館である事を思えば、禁書とは政治的に問題のある書物とかなのではないかと思うので別に見たくもないのだが……。とはいえ、奴隷であってもこのような図書館が使えるのだからアルピナ様様々である。学園卒業後も図書館を利用する権利を頂けたのは大変ありがたいことである。
だが、やはり欲しい知識を得る為の書物を見つけるにはこの図書館の蔵書は多すぎる。
図書館の扉を開ければ、そこは開かれた円形の空間が広がっている。壁に書架が設けられており本に囲まれた空間といって差し支えない。さらに奥に続く通路もいくつかある。建物自体は地上3階の地下1階立てのまるでリヒテンシュタインの屋敷みたいな大きさだった。その円形の中心には柱が立っており、同じく円状に机が配置されている。そこに一人の女性がいる。
「こんにちは、常連さん」
呆とした、いや、眠そうな声といえば良いのだろうか。どこかぼんやりとした表情の女性。
「こんにちは。オフィーリアさん」
「はい。こんにちは」
閑散とした図書館の司書オフィーリアさん。
いつも呆とした表情の眼鏡を掛けた女性で年齢は先輩より少し上といった所だろうか。腰元よりもさらに長く伸ばされた淡い色の髪は丁寧に手入れされているのか見ているだけでも瑞々しさを感じる程だ。長いのは不便なのではないかとは思うが、こうして座ってたまに来る客への応対をしているぐらいなのだからあまり気にはならないのかもしれない。だが、そんな長い髪をしていても重たそうな感じもなければ、逆に爽やかな感じがする。のだが、本人がどうにも眠そうな感じなのでなんともはや、である。
そんな彼女は椅子に座り本を読んでいた。いつも通り、と言っても良いだろう。
「今日は何を読んでらっしゃるんですか?」
彼女は毎日のように椅子に座って本を読んでいる。それこそ寝る間も惜しみ読んでいるから眠そうなのだ、という事なのかもしれない。彼女ならば生きている間に全部読みつくせるのかもしれない……なんてそんな馬鹿な事を考えながら彼女に近づいていく。
「卵と鶏どちらが先に産まれたかという議論の最中にタマゴドリが登場して三つ巴の合戦になるっていう戦記物ですね」
座ったまま本を持ち挙げ、背表紙を私に向ける。が、陽に焼けて文字が掠れており、題名は分からなかった。が、あらすじを聞いた限りでは分からなくて良いと思った。えぇ。
「誰がそんな馬鹿な物語を作ったんですか……」
「著者はミケネさんね。いえ、ミケーネでしたっけ?この時代の発音は少し分かりづらいからどっちかは分からないけど……」
「ミケーネ何某さんは何を思ってそんな物語を書いたんですかね……」
子供向けの童話作家なのだろうか。
「さぁ?でもこの人、結構幅広いジャンルの本を書かれているわよ。たとえば『上級魔法の使い方』っていう無理の一言を延々と語る物語とか。『トラヴァント帝国の成り立ち』っっていう真面目な歴史書とか、計算の仕方が書いてある『算術』とか、『獲物の捕え方』とか『構造設計例』とか、『世の理』という教会に喧嘩を売る内容もあるわね。他には……絵もあったと思うのだけれど……お城にあったような。あと、色々よ色々……」
「なんですかその万能の天才……天才となんとかは紙一重らしですが、時折馬鹿をやりたくなるんですかね……」
「ほんとにね。あとは……『オケアーノス』とかいう冒険譚もミケーネさんの作品ね。それは私、大好きなのよね。この本はどうかと思うけど……まさかトリタマゴが出てきて半熟同盟を結ぶなんて……生卵のラインハルトがどうなるのか気になって昨日から眠れないのよ」
「嵌ってるじゃないですか……」
ため息を吐きながら、思い浮かべたのはオケアーノス公園。そして、そこの名物になっている妖精さんの舞。そういえば妖精さんは何を思って地の果てで舞ってるのだろうか。
「……いや、そっちは良いんですが、オケアーノスは地の果て……であってますよね?」
「合ってますよ。良く覚えてますね。あれも結構前の話だと思うのですけど……常連さんがこの都市に来てすぐでしたっけ?」
「そうですね。あの時は地理を聞いていたんでしたっけ?……うろ覚えですけど」
「流石に覚えてないですね。……あぁ、それで話の内容もそのものずばりなんですよ。曰く『世界には果てがある』」
「世界の果てと言われても想像がつきませんが、壁でもあるんですかね?」
ずっと歩いてけば、いつしか壁が出て来て、それに沿って回れば世界一周になるのだろうか。それは一度で良いから見てみたい。
「さぁ?私にも分かりません。けれど、その冒険譚では……」
くすり、と微笑んだ。自分が好きなものを伝えたい、けれど……という勿体ぶり。笑みを浮かべながら、キラキラと楽しそうに光る瞳。どうしようっかな、と顎に指先を宛てる姿が、正直、あざとい。が、眠そうな表情なのでなんともはや、である。
「……その冒険譚的には何があるんですか?」
焦れて先に声を掛けたのは私だった。そもそも彼女と会話するためにここに来たわけではないのだから。調べものがあるのだ。何を調べれば良いかは分からないけれど、調べ物をしに来たのだ。……いや、言い訳だ。単に気になっただけだ。世界の果てがあるのならば、知りたいという好奇心だ。
「海があります」
「海?」
それは、聞いた事のない言葉だった。
「そう。海とその本では書かれています。湖よりもまだ広い。水の平原。水の地平線。いいえ、水平線と本には書いてありますね」
脳裏に浮かぶオケアーノス公園の湖。風に揺られ,波立つ湖の音。畔で楽しそうに笑い、食べる皆の姿。青々と生茂る木々。そこから見渡す湖が頭の中で広がっていく。遠く、遠く、対岸が見えないぐらいに広がり、それよりもずっとずっと広がっていき……途方もなく、たどり着けぬ程の果てを思い浮かべる。それは、きっと想像ではまかないきれないぐらいに凄い物なのだろう。誰もいない、何もない、風と陽光と水だけのある世界。
「それは……その凄いですね」
「えぇ。凄い想像力ですよね。最初に読んだ時は凄く感動したのを覚えています。蒼い空に浮かぶ白い雲。そして、陽の光に照らされた水面はキラキラととても奇麗で、どこまでも広がるかのように」
「青い世界」
「そう。蒼い世界。でも、きっと暗い世界も含んでいるの。果てしなく遠いその途方もない海の奥深くは光すら届かない暗い、暗い世界。闇よりもなお暗く、真黒な世界。怖い、怖い世界なのよ。でもね……その物語は言っていたの。その闇があるからこそ水面は輝くのだと。そこは光が届いてないだけだとそう言っていたの。例え暗い場所でも、白い光があれば輝くのだと。透き通るような限りなく透明に近い色に。とても、とても美しい色に」
「……なんだかえらく熱が籠ってますね。オフィーリアさん」
「あ。ごめんなさいね。好きなのよ。オケアーノス。地の果てにある海。本当にあるというのなら見てみたいわ……」
「誰も辿り着いた事はないんですかね?」
「と、思う。ここからかなり離れた東方の人でもそんなものは知らないって事みたいだし……洞窟なんかに潜るよりよほど浪漫があると思うのだけれど」
「致死率は同じぐらいだと思いますけどね。……ともあれ、納得です。誰かがたどり着いてれば海というものの存在を皆が知っていてもおかしくないですしね」
「ですね。でね。広い、広い水で出来た海を超えてそのさらに向こうには、奈落があるっていうのよ。でも、その海を前にして冒険譚は終わるのよね。きっと、奈落があるのだろうっていう想像で終わっています。まだ私は果てにはたどり着いていない、がその物語の最後です」
「なんですかそれ。広い広い海っていう物の向こう側に穴が開いてるんですか?だったら、水が流れ落ちてなくなってると思うんですけど」
「常連さん。ちょっと浪漫が足りないわね?」
「夢は見るものらしいですね……」
「そうよ。夢ぐらいみたって良いじゃないの。この世界の、この大陸の果てには海があって、その先には奈落があるの。怖いけれど……でもきっとその奈落も光に照らされれば奇麗になるんだと思うのよ」
「そういえば大陸って、世界って意味で良いんですよね?」
それは、聞いた事のある単語だった。
二度、いや……二人の人の口から聞いた事のある単語だった。
ディアナ=ドラグノイア=リヒテンシュタイン公。そして、リオンさんの二人から。洞穴の発生について語る時に、世界の自殺を語る時に……。
「私はそう解釈しているわね。あぁ、それもそういえば冒険譚に書いてあるのよ。水に囲まれた陸地で、それが大きいから大陸と呼ぶってね。それで、その果てを目指すまでに苦難の日々を乗り越えて延々と旅するという物語なのね。笑いあり悲劇あり、喜劇あり、そして感動ありの素敵な物語よ。恋の要素がないのが玉に疵だけれど、でも、そうね。ある意味でこの世界の事、大陸の事が大好きなんだなぁって伝わってくるからある意味恋の要素があるのかな?……私は好きだなぁこの冒険譚」
水に囲まれた陸地。湖に浮かぶ浮島のように、まるでこの世界が水に浮いた浮島だとでもいうかのような、そんな馬鹿な発想さえ生まれてくる。浮島が水の上を揺れる事で世界が揺れているかのような……。洞穴も深くまで潜っていけばもしかしたら水に浸っているのかもしれない。
「あの。オフィーリアさん。その本、貸してもらって良いですか?」
「……あー……無いのよ。8年前に焼かれてなくなったのよ。ミケーネさんの本は他のも殆ど焼けてるはずよ。残っているのはこの良く分からない話とあと少しだけね。……私は図書館の前進みたいな所があったのだけれど、そこで読んだの。何度も、何度も読んだわ。他にも読んでいる人がいたのを覚えている。それが理由でその人と喧嘩したこともあったかも……大好きだったなぁ。今でもこうやって人に説明できるぐらいにね」
「……残念ですね」
「書物ってそういう所が難しいわよね。同じ本が二冊も三冊もあれば良いのだろうけれど、中々そうもいかないわよね。写本でもあれば別なのだけれどあれの写本は…………いえ。そうね。不愉快だけどあれがあるか……ちょっと席を外すわ。暫く代わりに座っていてちょうだい!どうせ誰も来ないから安心して」
言い様、立ちあがり、長い髪をゆらゆらさせながら奥に続く道……確か司書室の方だったと思う……に向かう彼女。いや、奴隷に司書を任せてどこに行くんですか。という台詞を吐く暇もなく取り残されてしまった。
「…………はぁ」
嘆息し、けれど少しの楽しさを覚えながらオフィーリアさんの居た机の内側へと入り、座る。
そこから見える光景は、普段ならば絶対に見る事のできない彼女だけの視点。そこから見える物は彼女が普段みているもの。私が見る事のできにない彼女だけの光景だ。それを、椅子に座って呆としながら見ていた。
書物だけ。
書物に囲まれ、ただゆっくりと時が過ぎる。いや、時が過ぎているかどうかもあやふやなぐらいにここは静かで、穏やかだった。こんな視点から世界を見ていれば呆としたくもなろうと、そんな事を思う。
「……髪」
オフィーリアさんの長い髪。それに比べるとかなり短く、手入れもしていないこれは外に跳ね、内に跳ね、ただただ無意味に乱雑に。
ひと房を掴み、視界に入れてみれば黒い色。
見透かされたのはつい先日の話。
「……そりゃ、恨まれる事も妬まれる事もなかったですけど」
意味もなく卑下されていただけだ。いや、意味はあったのかもしれない。あの村も結局この帝国領土内にあるのだから、ここと同じ発想だったのかもしれない。今となってはそれも分からないが……。
たかが髪の色が何だというのだろうか。周囲より少し黒かっただけ。人間の価値観なんてそんなものだって先輩も言っていたけれど、でも……それにしても私からすればたかが少し他より黒いぐらいで、という話だ。
ちょっと父親とも母親とも違う色をしているだけ。両親とは似た色であるのは確かなのだ。その差異なんてそれこそ薄皮一枚ぐらいのものだろう。まぁ、もっとも父親が誰か分からないので本当に父親似かどうかは分からないのだが……。あの村に居た者かもしれないし、行きずりの祭りに参加しただけの人かもしれない。いや、それはないのだろうか。私の産まれる前の事だ。そんな事、分からないし、分かりたくもない。
「…………」
嘆息する。
今までどんな事があったのか。そんな事、もう覚えてもいない。覚えていたくなかったのかもしれない。あの空気を読まないドラゴン師匠の所為で思い出させられたけれど……どこかしこに有り触れた物語だ。戯曲にする価値もないそんな程度の話。テレサ様が聞いたら、ふぅんそれでどうしたの?と言われるだろう。それぐらい他愛もない話だ。
ちょっと人より卑下されていただけ。
それが何だというのだ。しいて嫌だった事といえば卑下していた癖に女がいなくなったと知ると女扱いしようとしてきた事ぐらいだ。それから逃げる事はきっと、お人よしだからじゃない。自分を守るために逃げただけだ。たとえ、私だけが幸運にも助かり、村が不幸にも滅亡したとしても……。
どちらにせよ、今更だ。自らを売り、奴隷となったのだから今更だ。何を今更そんな事を気にする必要がある。
「私は、今も生きている。あの時よりも絶対に……笑っている」
優しい人達に出会った。優しい人達に触れ合った。だから、それを守りたいと思ったりするのもまた、お人よしだからじゃない。我儘なだけだ。私が失いたくないと思っているだけだ。私が嫌だから、だ。抑圧されていたから、卑下されていたからそれの反動で我儘になっているだけだ。だから……私はお人よしなんかじゃない。優しくなんてない。
「……やだやだ。こんなのらしくない」
死の危険もなく、静かな場所に一人でいると、どうにも余計な事を考えてしまう。こんな柄にもない事を考えてしまう。自分を騙しているわけなんかじゃない。自分に嘘なんて……吐いていない。
そう。そうだよ、私。
「でも……そうだね」
私はこの黒い髪に感謝している。
その御蔭で教会の人に色々な事を教えて貰う事ができたのだから。だからやはり私は皆が言うように幸運なのだろう。その結果として今の私があるのだから尚更だ。
女卑の蔓延る村で女が教育を受ける事などできるわけがない。農奴以下の扱いの人間に何故教育をしようなどと思うだろうか。そもそも教育など反抗の種でしかなく、閉鎖された村社会でそれを行うことに意味は無い。だから、言ってしまえば男だとしても教育を受けられるのは一握りの人だけ。だから、知る事が出来た私は幸運だ。
思考があるから余計な事を考えたり、恐怖に怯える事ができるかもしれない。でも、考える判断材料もなく生きていたあの頃は死んでいたのと大差ない。何もないのと変わらない。
教会の人、その人は女性だった。
その人は時折村に訪れては教会の教えについて説いていた。
村人は興味を持たず、奇異な目で見るだけ。当然だ。彼らの世界とはそれこそ村の中だけのものだから神の存在がどうのと言った所で理解できるはずもない。しいて例外だったのは私の父親だろうか。『人間の神様は悲しみに泣くんだ』という言葉を覚えたのも教会の人に父が教えて貰ったからだ。そう両親は、育ての親はそれでも私を子どもとして扱ってくれていた。だからそうやって教えを請う機会を設けてくれたとも言う。私が一人になっても生きていけるように、という事だったのだろうか……今となっては真意を聞く事もできないが……。
……その人は私に教えてくれた。色々な知識を、村から逃げるという選択肢を自ら取れるぐらいに。領主に自らを売るという事が出来る知識を得るぐらいに。どういう風にすれば領主が興味を持ってくれるかを教えてくれた。領主が私を買う事の意味を理解できるぐらいに……いろんな事を教えて貰った。全部を理解することはできなかったが、政治や経済に関してもその時教えて貰った。拙い上辺だけの知識ではあったけれど、今こうしていられるのだから……とてもありがたい話だった。
「あれ……教会?」
そんな風に思い出していればふいに疑問が沸いた。あれ?おかしいなと頭を抱えながら呆と吹き抜けの天井を見る。
そこに答えなど無い。が、情報整理には役立ったようだった。
「エリザは人の神様を知らないって言った。そうだよ。そう言ったよ。先輩も最初は……教会と人の神様の話に関しては口を濁していたし……その関係を良く理解してないといっていた。でも、神話の方はよどみなく教えてくれた。それを覚えてないとはあの人は言わない。だったら……私が何か勘違いしている?」
教会のあの人が伝えていた話が、あの天使を崇める宗教であるというのならば、何故あの人は、人の神様について語ったのだろか?人の神様は他の神々によって罵倒され、悲しみ泣き、それでも健気に反抗する。そんな話、天使を崇める宗教が言う事だろうか?……それは何かが決定的に違うのではないだろうか?
「…………教会が天使を崇めているって知ったのは……確かこっちに来てからだよ。アルピナ様が教会に含みがあるようだからって来てすぐの頃に調べたんだよ。確か、そう。そうだよ。こっちに来てからそれを知ったんだよ。だからエリザに聞けたんだよ天使って教会の?とか。そうだ。そうだよ……でも、だったら」
私は、何か……大変な勘違いをしているのではないだろうか?
私に色々な事を教えてくれたあの女性は誰なのだろう?私に生きる為の知識を与えてくれたあの女性は……誰なのだろう?本当に教会の人だったのだろうか?いいや、きっと……違う。でもだったら……本当に何の意味があってあんな村に来ていたのだろうか。
「あの人は……誰だったの?」