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ー第6節 不正が暴かれた上司は即座に解雇され食堂は営業を再開。ツカサは全社員の前でアカリを自分の専属シェフ兼パートナーだと宣言し、彼女は無自覚なまま愛する人と至高の人生を歩み始める

第6節 不正が暴かれた上司は即座に解雇され食堂は営業を再開。ツカサは全社員の前でアカリを自分の専属シェフ兼パートナーだと宣言し、彼女は無自覚なまま愛する人と至高の人生を歩み始める


 サメジマの自白により、アカリにかけられていた疑いは完全に晴れた。不正を働き、会社を危機に陥れようとしたサメジマはその場で即座に懲戒解雇が決定され、後日、警察へと引き渡されることとなった。

 そして、暗闇に閉ざされていた社員食堂は、翌日から無事に営業を再開することが正式に決定されたのである。

 数日後。活気と笑顔を完全に取り戻した食堂には、かつてないほどの長蛇の列ができていた。再びアカリの定食を食べられるようになった社員たちは、歓喜の涙を流しながら彼女の料理を味わい、社内は以前にも増して温かく、活力に満ちた素晴らしい環境へと生まれ変わっていた。

 その昼休みの真っ只中。食堂の中央に立ったツカサが、全社員の注目を集める中でマイクを握った。

「皆に報告がある。この食堂を、そして何より、私自身の心と体を救い、この会社を真の意味で立て直してくれたのは、彼女だ。私は本日をもって、アカリを私の専属シェフ、そして……生涯のパートナーとして迎えることを宣言する!」

 ツカサの堂々たる宣言に、食堂内は一瞬の静寂に包まれた後、割れんばかりの大歓声と拍手の渦に包まれた。社員たちは口笛を吹き、二人を心から祝福した。

 ツカサの隣に立つアカリは、顔を真っ赤にしながら照れくさそうに笑っていた。

「ツカサさん、ちょっと大袈裟ですよ……。私はただ、皆さんが残さず食べてくれるお料理を作りたいだけなのに」

「お前のその無自覚なところが、俺はどうしようもなく好きなんだ。これからも、ずっと俺の隣で料理を作ってくれ」

「はいっ! 心を込めて、美味しいご飯を作りますね!」

 アカリはツカサに向けて、太陽のように眩しい、最高の笑顔を向けた。

 自分がどれほど途方もない奇跡を起こしているのか。自分がこの会社のすべての人間を救済し、今の現実世界に創り出された楽園へと導いている女神であるという事実に、彼女は相変わらず全く気がついていなかった。

 しかし、それでいいのだ。彼女の純粋な心と、食材の命を引き出す愛情さえあれば、そこはいつでも至高の空間となるのだから。

 無自覚なまま周囲の人々を「今ここにある幸せ」へと導きながら、アカリは愛するツカサと共に生きる、究極の人生の第一歩を力強く歩み始めたのである。

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― 新着の感想 ―
読みました。料理って本当に人を元気にする魔力ある気がします。味覚障害をなおしてしまうような料理の魔法、本当にあったらいいなあと思いながら読んでました。サメジマもちょっと悲しい人ですね。悪役だけど、そん…
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