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ー第3節 ツカサは役員会議の場に上司のサメジマを呼び出し、アカリの無実を証明するための強硬手段に出る。真実は彼女の料理を食べれば分かると宣言し、全役員の前で即興料理を作らせるのだ

第3節 ツカサは役員会議の場に上司のサメジマを呼び出し、アカリの無実を証明するための強硬手段に出る。真実は彼女の料理を食べれば分かると宣言し、全役員の前で即興料理を作らせるのだ


 その頃、最上階の重厚な扉の奥にある役員会議室では、緊急の役員会議が開かれていた。長机の端には、食中毒騒ぎの報告者として呼ばれたサメジマが、殊勝な顔を作りながらも腹の底で勝ち誇ったような薄笑いを浮かべて座っていた。

「サメジマ君の迅速な対応により、被害は最小限に食い止められた。あの危険なパート従業員を即座に解雇し、食堂を閉鎖したのは英断だったな」

 役員の一人がそう言いかけた時、会議室の重厚な扉がバーンと乱暴に開け放たれた。全役員の視線が一斉に集中する中、ツカサがアカリの手を引きながら堂々たる足取りで入室してきたのだ。

「ツカサ君! 会議中に何事だ。しかも、その女は食中毒を起こした張本人ではないか!」

 議長が眉をひそめて叱責するが、ツカサは一切怯むことなく、サメジマを鋭く睨みつけた。

「この女が食中毒を起こしたなどというのは、サメジマ課長が己の横領を隠蔽するために仕組んだ卑劣な捏造です! 彼は食堂の仕入れ資金をピンハネし、粗悪な食材を裏ルートで横流ししていました」

 その言葉に、会議室は騒然となった。サメジマは顔面を蒼白にしながらも、必死に声を張り上げた。

「で、でたらめだ! 証拠がどこにある! 私はこの女の調理台から腐った肉を見つけ出したんだぞ!」

「あなたが証拠の隠滅に長けていることは認めよう。だが、私にはそれを覆す決定的な手段がある」

 ツカサはそう言って、アカリを前に押し出した。

「彼女の料理の真価と無実を証明するための、最も確実な方法です。それは、彼女の料理を実際に食べること。真実は、彼女の料理を食べれば必ず分かります」

「馬鹿な! 食中毒を出した人間の料理など、誰が口にするというのだ!」

 サメジマが喚き散らすが、ツカサはすでに手回しを終えていた。会議室の隣には、来客の接待や調理テストのために設けられた本格的なキッチン設備がある。

「アカリ、彼らに見せてやれ。お前の生み出す、本物の料理の力を」

 ツカサの熱い言葉に、アカリは静かに頷いた。彼女の表情には迷いはなく、ただ真っ直ぐに食材と向き合う覚悟だけが満ちていた。

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