ー第4節 サメジマは食中毒騒ぎを大義名分とし、責任を全くなすりつけてアカリに解雇を言い渡す。さらに衛生管理委員会を丸め込み、原因究明を名目に食堂の即時営業停止を決定した
第4節 サメジマは食中毒騒ぎを大義名分とし、責任を全くなすりつけてアカリに解雇を言い渡す。さらに衛生管理委員会を丸め込み、原因究明を名目に食堂の即時営業停止を決定した
「いったい何事だ! アカリ、お前は何を社員に食わせたんだ!」
サメジマは芝居がかった大声で怒鳴り散らしながら、厨房に乱入した。アカリは突然の悲鳴と目の前で苦しむ社員たちの姿に激しく動揺し、何が起きているのか理解できずに立ち尽くしていた。
「か、課長……分かりません、急に皆さんが……」
「とぼけるな!」
サメジマはアカリを突き飛ばすような勢いで調理台へと向かい、あらかじめ自分が早朝に仕込んでおいた不衛生な食材を、さも今偶然発見したかのように奥から引きずり出した。
「見ろ、この腐りかけた肉とカビの生えた野菜を! お前はこんなゴミみたいなものを平気で料理に使っていたのか!」
サメジマが掲げた悪臭を放つ食材を見て、食堂内の社員たちから悲鳴が上がった。
「違います! そんな食材、私は絶対に用意していません! 私が今朝仕込んだものは全て新鮮で……!」
「見苦しい言い訳をするな! 現にこうして食中毒で苦しんでいる人間が何人もいるんだぞ! お前のその薄汚い手抜き料理が原因だ!」
サメジマはアカリの必死の弁明を冷酷に遮り、食中毒騒ぎを起こしたという重大な責任を彼女一人に全くなすりつけた。
「お前のような衛生観念の欠如した危険な人間を、この会社の厨房に置いておくわけにはいかない。お前は会社の信用を失墜させた。今この瞬間をもって、お前を解雇する!」
その冷徹な宣告が響き渡った瞬間、アカリは雷に打たれたように全身の力を抜き、その場に崩れ落ちそうになった。
サメジマの行動はそれだけにとどまらなかった。彼は事前に裏で丸め込んでおいた社内の衛生管理委員会のメンバーを即座に呼び出し、原因究明と徹底的な消毒を名目として、社員食堂の無期限営業停止をその場で決定してしまったのである。
入り口には立ち入り禁止を示す黄色いテープが非情に張り巡らされ、厨房の照明は強制的に落とされた。アカリが心血を注ぎ、社員たちの笑顔と健康を守り続けてきた神聖な場所は、あっという間に暗闇の中へと封鎖されてしまったのである。




