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ー第3節 サメジマはアカリの調理場に腐敗した食材を紛れ込ませ、さらに買収した部下たちに食堂の定食を食べて激しい腹痛を起こしたという虚偽の食中毒騒ぎを演じさせる罠を張る

第3節 サメジマはアカリの調理場に腐敗した食材を紛れ込ませ、さらに買収した部下たちに食堂の定食を食べて激しい腹痛を起こしたという虚偽の食中毒騒ぎを演じさせる罠を張る


 アカリを会社から永遠に追放し、自らの不正を隠蔽するため、サメジマは狡猾で卑劣極まりない罠を仕掛けることを決意した。

 ある日の早朝、まだ誰も出社していない薄暗い時間に、サメジマは食堂の厨房へと忍び込んだ。彼の手には、中身の見えない黒いビニール袋が握られていた。彼は周囲を警戒しながら、アカリがいつも丁寧に使用し、塵一つなく磨き上げられている清潔な調理スペースの奥深く、冷蔵庫の死角となる場所にその袋の中身を素早く紛れ込ませた。それは、強烈な腐敗臭を放つ傷みきった肉と、カビの生えた期限切れの不衛生な食材だった。

 仕込みを終えたサメジマは、次に自分の横領の恩恵に預かり、日頃から小遣いを与えて手懐けている総務部の取り巻きの部下たち数人を秘密裏に呼び出した。

「今日の昼、いつものように食堂で定食を食べた後に、激しい腹痛と吐き気を訴えて医務室に駆け込め。もちろん演技で構わない。上手くやれば、今度のお前たちの人事評価で最高ランクをつけてやる。ボーナスも弾んでやろう」

 金と権力という餌で釣り上げられた部下たちは、その邪悪な企みに少しの躊躇も見せず、下劣な笑みを浮かべて喜んで加担することを約束した。

 そして、運命の昼休みが訪れた。

 いつものように長蛇の列ができ、活気と笑顔に満ち溢れていた食堂。アカリは額に汗を浮かべながら、社員たちのために心を込めた定食を次々と提供していた。

 その平和な光景は、突如として引き裂かれた。

「うおおっ! 腹が……腹が痛いっ!」

 サメジマの部下の一人が、定食を一口食べた直後、突然腹を押さえて大袈裟に床にうずくまったのだ。それに呼応するように、他の部下たちも次々と喉を押さえ、苦悶の表情を浮かべて叫び始めた。

「吐き気がする……! この飯、絶対に何かがおかしいぞ!」

「痛い、助けてくれ! 食中毒だ!」

 床に転がり、冷や汗をかくふりをする部下たちの迫真の演技により、食堂内は一瞬にして騒然となった。楽しく食事をしていた他の社員たちは驚きと不安で次々と立ち上がり、悲鳴と怒号が交差する大パニック状態へと陥った。

 サメジマはその大混乱を見計らい、まるで正義の味方であるかのように、計画通りに怒号を響かせて厨房へと踏み込んだのである。

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