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  作者: 普九浪
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壺の中の空

老人の言葉がきっかけとなり、

大和は"孤独"を"一人で過ごす時間"と見方が変わった。


はじめに、”タチカキ”について調べた。

”タチカキ”古くから伝わる武術ということは知っていたが、

それ以外のことはまったく知らなかった。

図書館に行って調べて、実際に本を読み、真似て動いてみた。

だが、うまくいかない、何かが違う、

何度も何度も繰り返し試してみる。

正解があるのかそれが正解か分からなくても、

前よりも体が動く、何か体の動きが滑らかになっている気がする。

そんな、自分だけの感動を味わうことができる。

これまで、友人との会話や承認欲求にばかり意識が向いていたが、

五感を研ぎ澄ませ、内面に意識を向けることで、

世界がこんなにも豊かな色彩を放っていたことに気づかされた。


練習していると、神社で祭りがあり、

そこで”タチカキ”の演舞があることを知った。

それは老人と会った神社だった。


祭りは誰かと行くものと思っていたが、


ある日の放課後、一輝は改めて、公園に行った。

孤独を楽しむということ

一輝は気づいた。友達がいないという事実が、必ずしも「不幸」ではないということ。

そして、孤独は決して「欠点」ではないということ。

人との繋がりも大切だ。けれど、一人でいる時間を恐れ、誰かに認められることにばかり固執していては、本当に大切なものを見落としてしまう。孤独の中でこそ、自分自身の興味や好奇心に正直になり、心の声に耳を傾け、世界との繋がりを深めることができるのだ。


挿絵(By みてみん)


教室の一輝は、以前と変わらず、誰かと積極的に話すことは少なかった。けれど、その表情には、以前のような暗さや焦りは見られなかった。代わりに、どこか穏やかで、満ち足りたような表情をしていた。彼はもう、誰かの評価に怯える必要はない。自分だけの世界を、自分だけのペースで、じっくりと味わい、育んでいけばいいのだと知っていたから。

彼は今、一人きりの時間を心ゆくまで楽しみ、自分だけの世界を深く掘り下げている。

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