コドクとヒトリ
そんな日常に、梅雨が明けて夏の気配が色濃くなった頃、一つの出会いがあった。
学校からの帰り道、いつも通る道が工事中で通れず、別の道を通った。
その道は小さな神社へと繋がっていた。
神社を通りかかると、真剣な眼差しで木々のあいだで何か踊っている老人がいた。
大和は、その老人の姿に何か惹かれるものを感じ、立ち止まって眺めていた。
老人は大和の視線に気づくと、にこやかに微笑んだ。
「どうだい、君も"タチカキ"を舞うのかね?」
突然の問いかけに、戸惑った。
「え、、タチカキ…?」
「知らんはずあるまい?昔から伝わる武道を。」
老人はそう言った。
確か昔、聞いたことはあったが、実際の舞を見るのは初めてだった。
何も言えずにいる大和をみて老人は
「そうか、最近は舞うやつも少なくなったからな、、」
「・・・あのもう少し見せてもらってもいいですか?」
声を絞り出した。なぜか、もう少し見たいと感じていた。
「ええよ」
老人は舞を続けた。
力強い、だが、恐怖は感じない、人の体はここまで滑らかに動くのか、
舞にはどんな意味があるのか、興味がどんどん湧いてきた。
老人は舞を終えた。
「タチカキを舞ういうのはね、自分自身と向き合い、
自分だけの視点で自分の心と体、技を見つける作業なんだ。
一人でじっくりと向き合う時間こそが、
本当に大切なものを教えてくれることもある。」
その言葉は、一輝の心に静かに響いた。
誰かと繋がれない自分を否定することばかり考えていたが、
一人で自分と向き合うという作業は、これまでの一輝にはなかったものだった。
そう、"孤独"と感じていた時間が、"一人の時間"へと変化した。




