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夫が愛人の人形を愛して私を相手にしてくれません。でも、その理由はずっと過去に遡りました。

作者: うずらの卵。

ここはダビフ王国の処刑場「お前は魔女だ、だから公開処刑する」

「私は魔女では御座いません、信じて下さいビルド様、私はビルド様の事を愛しております」

「えぇーい、うるさい、お前なんか妻にしたくは無かった、愛するシルビアを妻にしたかったのだ、魔女のお前なんか処刑だー」

「悲しい、許せない、若い女と結婚したいがばかりに私を魔女に仕立て上げて、呪ってやるー


百年後のダビフ国、「お前は美しい、ナタリー、お前を妻にしたかったのに、愛人の立場で申し訳ない。ナタリー愛しているよ」

「ヒルド様、そろそろお出掛けの時間で御座います」

「何だミラージュか、お前の顔なんか見たくない、あっちに行け」とヒルドは妻のミラージュに冷たく言いはなった。

ミラージュはお辞儀をして出て行って。

ヒルドはナタリーに優しい眼差しを向けて「行ってくるよ」と言いキスをした。

しかし、ナタリーは反応しなかった。そうナタリーは人形だったのだ。

ヒルドは人形のナタリーを愛していたのだ。

ミラージュはヒルドと結婚してダビフ王国の王女として嫁いだのだが、ヒルドは人形のナタリーを愛していて、ミラージュに対して冷たかった。

そして、一年我慢して来た、いくら白の結婚だからって我慢の限界が来ていた。「国王様王妃様、私はもう限界で御座います、これでは跡継ぎも産むことが出来ません」とミラージュは国王と王妃に訴えた。

「本当に息子には困ってしまいますね、先日なんかナタリーのドレスを女中が汚してしまったら、息子はその女中を怒って地下の牢獄に閉じ込めてしまったし」と王妃は溜め息をはいた。

「このままでは跡継ぎも出来ずお先真っ暗だ、もうあの人形を壊すしかない」と国王が立ち上がった。

そして、次の日ヒルドが部屋でナタリーを愛おしげに抱き締めていると、国王と王妃とヒルドの妻のミラージュが部屋に入って来たのだ。

「皆揃って何かご用ですか?私は今ナタリーと親睦を深めていたのです」

「お前の妻はミラージュではないか」と国王が言うと、「はい、妻はミラージュですがナタリーは私の愛人です。しかし私はナタリーを妻にしたいのです」

国王は顔を真っ赤にして怒鳴った「ナタリーは人形ではないか」と言い、人形を無理矢理ヒルドから奪い取り二階のベランダから下に放り投げたのだ。

ヒルドは驚いて二階のベランダから下を見ると、人形は手足がバラバラに取れ壊れていた。

「父上何て事を、あぁー私のナタリー」とヒルドは泣き崩れた。

すると人形から黒い靄が立ち込め「無念だ…無念だ…もう少しだったのに」と靄から声が聞こえて来て人形が消えて無くなったのだ。

泣き崩れていたヒルドを見ると、キョトンとした顔をして「私は何をしていたんだろうか、人形に何故あんなに執着していたのか、ミラージュ申し訳なかった」と謝った。

その後、ヒルドとミラージュは仲の良い夫婦になり、男の子を産みダビフ王国は栄えた。


人形のナタリーは何処から来たのか、百年前に魔女の濡れ衣を着せられ処刑された女の呪いだったのか?

人形のナタリーが消えた今は真実は闇の中だった。

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