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オルドラーゴ

そのころシュラクサイでは革命が起きていた。

オルドラーゴ率いる黒龍魔道士団がシュラクサイの政庁を占拠したのだ。

シュラクサイはシキリア島の県庁所在地で、知事が住む公邸がある。

知事の名はミケーレ(Michele)と言った。

一夜にしてシュラクサイは陥落した。

オルドラーゴはまるで王のごとくシキリアを支配した。

これがアンシャルとアオイがシュラクサイに戻ってきたとき起こっていたことであった。

オルドラーゴは玉座を用意させた。

「シュラクサイもこれほどたやすく陥落するとはな。この私の予想を越えていたわ」

オルドラーゴはシュラクサイの人々を軽蔑していた。

なんと歯ごたえのない。

これほど政治的に弱体だとは……。

およそノヴァ―リア人は古代レーム人の末裔だと言われる。

それは歴史的には間違っていないが、民族的には異なる民とされている。

ノヴァーリア人は軍事的に弱体で、その力は劣っている。

古代レーム人は軍事強国を作ったが、今のノヴァ―リア人にその面影はない。

「クックック……すべては邪龍アレス(Ares)を復活させるため。邪竜アレスこそ神。グランシャイトは死んだようだが、この私が生きていれば、アレスの復活はたやすい」

オルドラーゴは部下にこれからの行動を示した。

オルドラーゴの目的はシキリアに封印された邪龍アレスを復活させること。

オルドラーゴはそのために人生を送ってきた。

オルドラーゴの人生はすべて邪龍アレスを復活させることにあった。

オルドラーゴにとってはアレスは神にも等しい存在だった。

いな、彼は邪龍アレスを神と見なしていた。

「しかし、グランシャイトを倒した者のことが気がかりだ。あのグランシャイトを倒すほどの相手……ゆめゆめ油断はできぬ」

「しかし、邪龍アレスさえ復活すれば、ノヴァ―リア全土の支配はたやすいでしょう。ノヴァ―リア人は軍事の理を知りません。これが本当にレーム人の末裔かと思わせます」

部下がオルドラーゴに話しかける。

この部下はオルドラーゴから信任を得ている部下で、秘書官のような存在だった。

「まったくその通りよな。古代レームの強さはどこに行ったのか? 我々の予想を越えていたわ」

古代レームは軍事大国だった。

レームは政治と軍事が有機的に結びついていた。

古代レームの政治家は同時に軍人でもあったのである。

古代レームはエウロピアの大半を支配し、オリエントまでその支配権を行使した。

現代の歴史家からは古代レームの支配の歴史から、自国の歴史を語ることが多い。

これがノヴァ―リア人を軽蔑させることになっていた。

「だが、すべては邪龍アレスを復活させるためにある。邪龍アレスさえ復活すればすべてがうまくいくに違いない」

「アレス様の復活は我々の悲願です。我々はアレス様を求めています」

「ククク……我らアレスに連なるものがノヴァ―リアを支配するのだ。今のノヴァ―リアはアレスが復活すれば、瞬く間に蹂躙されるであろう」

オルドラーゴの黒い野望が現れつつあった。



アンシャルとアオイはパレルモスからシュラクサイに帰ってきた。

二人はまず、シュラクサイで政変が起きたことを知った。

オルドラーゴと名乗る魔道士が独裁制を敷いたのだ。

独裁者オルドラーゴはシュラクサイの体制を転覆したのである。

「まさか、私たちがいないあいだに政変が起きたとはな」

「アンシャルさん、どうします?」

「まあ、このままにしておくことはできないな。どうにかして体制をもとに戻さなくては……」

アンシャルはどうするか知恵を働かせた。

「いっそこのまま直接オルドラーゴとやらに会いに行ってみるか?」

「それは危険ではありませんか?」

「まあ、そうだろうな」

アンシャルは肩をすくめた。

アンシャルもこの問題は解決が難しいと思っている。

直接乗り込んでも、返り討ちになる可能性もある。

「オルドラーゴは支配を意識する独裁者らしいな」

「? それはどういうことですか?」

オルドラーゴは自分の政治的目的を、支配下の民に明示した。

これはシキリア人に不安を呼び起こした。

邪龍アレスなど復活されては、ノヴァ―リアはどうなるのか。

ノヴァーリア国民は不安感を持った。

「オルドラーゴは自分の政治的目的を明確に民に知らせるということだ。つまり、邪龍アレスの復活」

「邪龍アレス?」

「ああ、私も文献でしか知らないが、太古に封印された龍らしい。この手の封印された存在はろくなものがいないと決まっている」

「それでも私たちは邪龍アレスの復活を阻止しなければなりませんね」

「ああ、そうだな。このまま指をくわえているわけにもいかない。邪龍アレスなど目覚めさせるわけにはいかない」

「それでは、私たちは行動しなければなりませんね」

「ああ、もちろんだ。邪龍アレスなど復活させるわけにはいかない。どうにかしてその復活を阻止しなければならない」

「私たちは何をすべきですか?」

「そうだな……オルドラーゴの部下たちをまずは倒す必要があるか」

アンシャルはオルドラーゴを部下たちを叩いて、黒龍魔道士団を弱体化させることにした。

この手の組織はボスの絶対的影響にある。

ボスから力を奪ってしまえばボスを無力化することができる。

遠大な目的であれば、指導者の存在が大きくなる。

しかし、指導者も目的のために部下を必要とする。

アンシャルとアオイは黒龍魔道士団と対決することにした。

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