表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
英雄叙事詩 Das Heldenlied  作者: 野原 ヒロユキ
~Himmel und Erde~
5/279

シミュレーション

セリオンは橋の上にいた。

この下を列車が通り過ぎる予定だ。

セリオンはあるミッションを行っていた。

「いいか、セリオン。列車はテロリストに占拠されている。おまえの任務はテロリストを倒し、乗客を解放し、列車を止めることだ。わかっているな?」

「わかっている」

セリオンは列車が来るのを待った。

するとそこに列車が遠くから姿を現した。

列車が橋の下を通り過ぎていく。

「行け、セリオン!」

「ああ!」

セリオンは橋から跳び下りた。

セリオンは列車の上に着地した。

すると前方から回転する刃を持つクラッシャーがやって来た。

セリオンは大剣を振るうと、クラッシャーをあっさりと切断した。

切断されたクラッシャーは爆破、炎上した。

セリオンはとっさに大剣を振るった。

セリオンの前に矢があった。

セリオンは前方を見る。

そこにはボウガンを構えた兵士がいた。

セリオンは全身から蒼気を放出した。

蒼気を刃とし、セリオンはボウガン兵に向けて放った。

ボウガン兵は蒼気の刃で斬られた。

これは蒼気の刃を放つ技『蒼波刃そうはじん』だ。

セリオンが列車を前へと進んでいく。

すると前方から長弓で射かけてくる兵がいた。

あれはロングボウだろう。

ボウガンより威力は劣るが射程は上回る。

ロングボウ兵が矢でセリオンを攻撃してくる。

セリオンは大剣を振るって矢を叩き落す。

セリオンに矢は通じない。

セリオンからすれば止まっているように見える。

セリオンは大剣を構えると、蒼波刃を二発、横に向けて放った。

蒼い刃がロングボウ兵を襲う。

蒼波刃はロングボウ兵に命中し、彼らを列車から落とした。

セリオンはそのまま列車の中に入る。

内部には剣を持った兵士たちがいた。

「何者だ!?」

「何だ、おまえは!?」

彼らは混乱しているらしい。

セリオンは彼らに拳で打ちかかっていく。

蒼気をまとめた拳は兵士たちを薙ぎ倒した。

「ぐはっ!?」

「があっ!?」

「ぎゃっ!?」

セリオンにとってこの程度の兵は敵ではない。

セリオンは格闘術も身につけていた。

「大丈夫か?」

人質とされた乗客は無事のようだ。

セリオンは人質の安全を確保すると、再び列車の屋根に上った。

「クックック、よくここまでやってくれたものだぜ。それはほめてやるよ」

「誰だ、おまえは?」

「クックック、俺様はスラッシュ・レオだ」

スラッシュ・レオは筋肉ムキムキの、ライオンの頭をした亜人だった。

両手にはクローが取り付けられている。

「おまえがボスか。おまえを倒せば、ミッション・コンプリートだな」

セリオンが大剣を構える。

セリオンはスラッシュ・レオを見て油断のならない相手だと見て取った。

スラッシュ・レオは傲然とセリオンを見おろす。

スラッシュ・レオは190センチメートルはあるであろう。

セリオンは175センチメートルくらいしかない。

スラッシュ・レオは強敵だと、セリオンは判断した。

スラッシュ・レオは全身から燃えるような闘気を放出した。

「いくぜ?」

スラッシュ・レオはニヤリと笑うと、その爪から闘気の刃を放った。

セリオンも蒼気を出す。

飛んでくる刃をセリオンは蒼気の斬撃で斬り捨てた。

その瞬間、スラッシュ・レオは一瞬にしてセリオンとの間合いをつめてきた。

その爪は鋭いが、さらに闘気がドッキングされている。

そんな攻撃を受けたら一撃で致命傷だ。

セリオンは大剣でそれを受け止めた。

大剣と爪が交差する。

「ほお、やるじゃねえか! この俺の突貫を受け止めるとはよ! だが、こいつをくらいな!」

スラッシュ・レオがもう片方の爪でセリオンを突いてくる。

セリオンはバックステップで後退した。

スラッシュ・レオの爪が空を切る。

セリオンは蒼気を練った大剣でスラッシュ・レオに斬りかかる。

スラッシュ・レオはそれをやすやすと受け止めた。

「くっ!?」

「クックック! やるじゃねえか! おまえは強いな! だが、俺とおまえじゃフィジカルが違うんだ! 俺の方がパワーは上だ!」

「力がすべてじゃない!」

スラッシュ・レオはその瞬間後方に下がっていた。

セリオンの大剣が振るわれる。

今のはスラッシュ・レオにとって危ない一撃だった。

もしあのままガードしていたら、セリオンの斬りはそれを破って振り下ろされ、スラッシュ・レオにダメージを与えていただろう。

スラッシュ・レオはセリオンへの認識を改めたらしい。

スラッシュ・レオの肌には切り傷があった。

血が少しずつにじみ出る。

「フン! こいつで踏みつぶしてやるぜ!」

スラッシュ・レオは大きくジャンプすると、その強靭な脚でセリオンを踏みつぶそうとしてきた。

セリオンはスラッシュ・レオに合わせて斬り上げる。

雷電昇らいでんしょう!」

雷光の斬り上げがスラッシュ・レオに決まった。

「ぐおあ!?」

スラッシュ・レオが斬られる。

雷光の斬撃がスラッシュ・レオを斬った。

セリオンはうまく着地する。

その時、アンシャルが列車の上に出現した。

「ミッション・コンプリートだな」

アンシャルは『端末』で『装置』を止めた。

すると周囲の風景が消えて無機質な部屋が現れる。

ここはシミュレーションルーム。

ミッションを行って訓練をする場所である。

これまでの風景は映像だったのだ。

「さすがだな、セリオン。いい訓練になったか?」

「ああ、こういう訓練もいいな。また新しいミッションが追加されたら教えてくれ」

二人が話ていると鐘が鳴った。

礼拝の合図だ。

「セリオン、昼食の前の礼拝だ。聖堂に向かおう」

「ああ」

二人は礼拝のために聖堂に向かった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ