再戦!
セリオンはホールに入った。
そこは両サイドに階段があった。
その階段に、見知った三人が座っていた。
漆黒の三魔女バシュヴァだ。
特徴的なのはモルヴァンが黒い大鎌を持っていることだろうか。
「この時をどれだけ待ち望んでいたことか。我々バシュヴァがおまえを殺す日をな!」
モルヴァンが大鎌をかかげる。
「おまえたちとの因縁もこれまでだ。今度こそ、俺がおまえたちを倒す」
セリオンは大剣を向ける。
互いに戦いのプレッシャーをかける。
緊張感が両者を支配した。
「マヴァハ! ネヴァハ! 青き狼の相手をして差し上げろ!」
「ああ!」
「いっくよー!」
マヴァハとネヴァハが黒い翼をはばたかせた。
二人は槍でセリオンに襲いかかる。
「氷魔槍!」
ネヴァハが氷の槍を突き出す。
「炎魔槍!」
マヴァハが炎の槍を出す。
セリオンは二人の攻撃を受けてなお余裕があった。
セリオン、マヴァハ、ネヴァハが斬り結ぶ。
三人はまるで武術の舞を踊っているかのようだった。
セリオンの大剣とマヴァハ、ネヴァハの槍がきらめくようなスピードで出される。
二人の槍にはキレがあった。
しかし、それも長くは続かない。
セリオンはネヴァハの槍を切断すると、ネヴァハを大剣で貫いた。
「ぐっ!? ちっくしょう……」
ネヴァハが戦いから脱落する。
「ネヴァハ!? おのれ! よくもネヴァハを!」
マヴァハが槍で突いてくるが、直線的であるため、セリオンはマヴァハと交差して一撃を叩き込む。
「ぐはっ!?」
マヴァハも倒れた。
その瞬間、モルヴァンが動いた。
モルヴァンの黒髪が舞う。
モルヴァンは大鎌でセリオンを攻撃してきた。
セリオンは大鎌を大剣でガードする。
モルヴァンは鎌でセリオンに襲いかかるが、セリオンにはすべて見切られる。
モルヴァンは焦りを見せた。
「くっ! 闇月斬!」
その大きい鎌から黒い刃が出される。
セリオンは光の大剣でそれを打ち破る。
そのままセリオンは大剣でモルヴァンを斬る。
「ぐっ!? 申しわけありません……アルテミドラ様……」
モルヴァンたちは全滅した。
セリオンにはこの三人が哀れに見えた。
セリオンはすぐ気持ちを切り替える。
セリオンの前にはエレベーターがあった。
セリオンはエレベーターで上へと上がった。
エスカローネは無事だろうか。
アルテミドラがなぜエスカローネをさらったのかはわからないが、その敵意は自分に向けられているような気がする。
「エスカローネ……今助けに行く」
セリオンは思った。
自分はエスカローネを愛していると。
これほどエスカローネを愛していると思ったことはない。
エスカローネがいとおしい。
セリオンはエスカローネを失って、初めてその大切さに気づいた。
自分が愛していることを……それをエスカローネに伝えたい!
こうなる前に、エスカローネに自分の想いを俺は伝えるべきだった!
セリオンはエスカローネが無事でいることを祈った。
やがてエレベーターが止まって扉が開く。
そこに円月の刃が放たれた。
セリオンはそれを光の大剣で斬り裂く。
エレベータの前には道があり、そこには半円形のドームがあった。
そしてその道の奥には黒騎士がいた。
「今のはあいさつ代わりだ」
黒騎士が長剣を構える。
「おまえもいたのか。おまえの名は?」
「我が名はシュヴァルツ(Schwarz)」
「シュヴァルツ……黒か」
「……」
シュヴァルツは何も答えない。
きっとこの騎士には言葉はあまり重要ではないのだろう。
セリオンはそれを理解すると、大剣を構えた。
武には武で応える。
そうすべきだと思ったからだ。
「アルテミドラ様のもとには行かせん。この私が相手だ」
「いいだろう。相手になってやる」
セリオンがそう言うと、シュヴァルツは消えた。
シュヴァルツは剣で斬りかかってくる。
セリオンはそれを受け止める。
互いの剣がぶつかり合う。
剣技の腕は互角と言えた。
このまま剣で攻撃していても戦いの決着はつかないだろう。
そう思ったのか、シュヴァルツが引いた。
「旋風剣!」
シュヴァルツが風を集める斬撃を出す。
旋風はセリオンへと、一直線に突き進む。
逃げ場はない。
旋風は道の横幅全体に及んでいた。
つまり、回避は不可能。
セリオンは蒼気を大剣にまとわせた。
そしてタイミングを合わせて旋風にぶつけた。
蒼波刃だ。
旋風はまるでなかったかのように霧散した。
「真空円月斬!」
シュヴァルツが円形の刃を放った。
それも三発!
円月はすさまじいスピードでやってくる。
シュヴァルツが距離を取るわけだ。
セリオンは蒼気をまとった斬撃・蒼波斬を出して、円月を斬り裂く。
「この技も効かぬか。ならこれで、消してやる! はあああああああ! 闇魔噴出剣!」
シュヴァルツは跳びあがると、長剣を床に突き付けた。
すると闇の炎が発生し、噴出し、近づいてきた。
セリオンは今までの技ではこの技は迎撃できないと思った。
少なくとも、中級の技では太刀打ちできない。
シュヴァルツの技は上級技だ。
なら、こちらも同じ上級技で対抗する必要がある。
そしてセリオンにはそれがあった。
セリオンは大剣に蒼気を収束して宿した。
セリオンの大剣が荒れ狂う。
セリオンの大剣からすさまじい蒼気の衝撃が放たれた。
そしてそれはシュヴァルツへと一直線に突き進む!
セリオンの技『翔破斬』だ。
「うおおおおおおおおおおおおお!?」
シュヴァルツの闇魔噴出剣を貫通して、翔破斬はシュヴァルツは翔破斬に巻き込まれた。
その後は、血だらけのシュヴァルツが立っていた。
もっとも、長剣を杖代わりにしてだが。
「ぐはっ……見事だ」
そしてそのままシュヴァルツは崩れ落ちた。
シュヴァルツは息絶えた。




