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英雄叙事詩 Das Heldenlied  作者: 野原 ヒロユキ
~Himmel und Erde~
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サーシャ2

召喚された冥獣たちはシュヴェリーン全土に広がり、市民を襲った。

鋭い牙と鋭い爪で、冥獣たちは市民を殺戮した。

冥獣の目的は市民を殺すことだからだ。

それをビルの上から楽しそうに眺める男がいた。

闇の王だ。

「ククククク! 市民どもが次々と殺されていく! いいぞ! さあ、冥獣たちよ! 市民を殺戮するのだ! その牙で、爪で、市民どもを引き裂け! さあ、聖堂騎士団よ、どう出る? クククク、フハハハハハハ、ファーッハッハッハッハ!」

魔獣が新市街地を中心として出現す!

この情報はただちに聖堂騎士団に伝わった。

スルトとアンシャルは部隊を大きく二つに分けて、それぞれスルトとアンシャルが率いた。

聖堂騎士たちは平時の訓練の成果をこの実戦で発揮した。

セリオンは冥獣たちの前に現れると、冥獣と交戦した。

セリオンの斬撃は冥獣をあっさりと斬り捨てた。

「くっ……サーシャを探したいところだが、こいつらの始末をしないと動くに動けないな……」

セリオンは一体の冥獣に突きを入れた。

一体の冥獣が黒い粒子と化す。

セリオンは隣にいた冥獣に大剣で斬りかかる。

冥獣が一刀両断にされた。

さらにセリオンは近くの冥獣に横から斬りつける。

セリオンからすれば冥獣はただ数が多いザコにすぎない。

セリオンに冥獣が攻撃してくる。

セリオンはそれをよけると、斬撃を連続で繰り出した。

セリオンによって冥獣たちは斬り捨てられていく。

セリオンは次々と冥獣を屠っていった。

セリオンが道を作るのだ。

これは誉れへの道であった。



その時一家が冥獣に襲われていた。

冥獣の鋭い牙が開かれて、一家を皆殺しにしようとする。

一家は死を覚悟した。。

そこに一筋の雷が襲った。

一瞬にして冥獣は塵と化した。

「大丈夫か?」

そこに現れたのはスルトだった。

スルトは『雷帝』の異名を持つ。

スルトの背後から冥獣が襲いかかる。

「危ない!」

一家が叫んだ。

しかし、次の瞬間倒れているのは冥獣だった。

冥獣に雷が落ちて殺されたのだ。

スルトの力は『雷霆らいてい』。

そして持つ大剣はフィボルグ(Fibolg)――これは『氷の巨人』という意味である。

「安心するがいい。ここは我々が守る」

「スルト総長!」

「どうした?」

「この周辺一帯の魔物は鎮圧しました」

聖堂騎士の一人が報告した。

スルトは満足そうにうなずいた。

「そうか。もう一度周辺一帯に魔物がいないか、確認しろ。確認しだい、アンシャルと合流する!」

「はっ!」



一方、アンシャルたちも冥獣と戦っていた。

アンシャルの戦いぶりはすさまじかった。

アンシャルが司る力は『風』だ。

そのため、アンシャルは『風の王』と呼ばれていた。

アンシャルの武器は長剣『イクティオン(Iktion)』。

風月斬ふうげつざん!」

アンシャルが大きな風の斬撃を繰り出す。

冥獣はなん十体も吹き飛んだ。

「……ちいっ! まったくなんて数だ! ここは一気に倒すしかないか。はっ!」

アンシャルの周囲に暴風が渦巻く。

これがアンシャルの荒ぶる風だ。

「くらえ! 風王烈衝破ふうおうれっしょうは!」

アンシャルが膨大な風の斬撃を出した。

冥獣たちは次々とはじけ飛んでいく。

アンシャルの技は圧倒的だった。

各地区の冥獣たちは次々と撃破されていった。

冥獣たちはどんなに強くても獣の群れにすぎない。

人間の方が連携が取れていた。

いくら強くても、単体ではどうしようもなかった。

一方セリオンは一人で戦い続けていた。

そこに強大な冥龍が現れた。

「こいつがラストか……」

セリオンは冥龍に向きなおった。

冥龍は口から闇の息をはいた。

闇が深く広がる。

これはセリオンの闘気では防げない。

闇属性の攻撃には光属性の攻撃でしか対抗できないからだ。

セリオンは闇の吞まれたはずだった。

セリオンの大剣は金色こんじきの光に輝いていた。

セリオンの技『光輝刃こうきじん』である。

セリオンの大剣は闇の中でその存在を示すかのように輝いた。

セリオンはその闇に対して光の刃を放つ。

セリオンの技『光波刃こうはじん』である。

それが冥龍にヒットする。

冥龍の闇の息が止まる。

セリオンは冥龍を斬り刻む。

「ギイヤオオオオオオオン!?」

セリオンの斬撃により、冥龍は追いつめられていく。

「はっ! 光子斬こうしざん!」

セリオンの一撃が光子を生み出し、光の粒子が冥龍を焼き斬る。

冥龍は黒い粒子と化して消えていった。

そこに鎌が投げつけられる。

鎌は回転しつつセリオンに襲いかかる。

息をつく暇もなかった。

セリオンはその鎌をはじき飛ばす。

その鎌を空中でキャッチし、サーシャはセリオンに斬りつけてくる。

「くっ!?」

サーシャの猛攻が始まる。

セリオンはサーシャに反撃したかったが、斬ることができなかった。

「サーシャ! 俺だ! セリオンだ! わからないのか!」

セリオンはサーシャを説得したかったが反応はない。

サーシャはそのあいだにも鎌で斬りつけてくる。

セリオンはこのままではやられると思った。

そのため、セリオンはサーシャの鎌をはじき、光の斬撃『光閃こうせん』を叩き込む。

サーシャはそのまま吹き飛んだ。

「くそ……」

セリオンは悪態をついた。

セリオンはサーシャに近づく。

サーシャの肉体のダメージは限界に達していた。

もう間もなく消えるだろう。

「うっ……セリオン君?」

「サーシャ!」

サーシャは元の自分を取り戻した。

セリオンはサーシャに駆け寄る。

「サーシャ……すまない……こうするしかなかった」

「ううん……いいの。私の心は封印されていたの……それにしてもセリオン君……強くなったのね……」

「言っただろう? 俺は強くなると……」

「そうね……ねえ、セリオン君……最期に聞いてくれる?」

「何だ?」

「私はあなたを愛しているわ」

「サーシャ……俺も君を愛していた……」

サーシャは笑顔を浮かべた。

この瞬間、二人の心は通じ合ったのだ。

「ありがとう……セリオン君……私はうれしい……じゃあ、もう、眠るね?」

「サーシャ……」

「エスカローネちゃんによろしくね……」

そう言うとサーシャは粒子と化して消えていった。

セリオンの腕の中で、サーシャは逝った。

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