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メルヒオール

セリオンたちはヴァルタフに泊まった。

アンシャルはサラゴンと、セリオンはアリオンと相部屋だった。

エスカローネは一人で個室である。

「アリオンといっしょになるのは久しぶりだな」

「ああ、セリオンといっしょでうれしいよ。ああそう、母さんがよろしくって言ってたぜ?」

「ダリアが?」

ダリア――ダリア・フライツァ。

アリオンの母親である。

アリオンの両親は結婚したが、離婚している。

それは大げんかの末に離婚したのではなく、互いの未来をおもんぱかっての離婚だった。

アリオンの父は上院議員を、アリオンの母は教師を務めるために。

アリオンは母親に引き取られ、テンペルで暮らしている。

アリオンは父がツヴェーデン人で母がシベリア人である。

アリオンの父は生活費などのおカネをダリアに支払っている。

また、アリオンは一か月に一度父と会っている。

アリオンはまだ15歳なので、まだ子供と思われている。

だが、その戦闘力は正規に騎士に匹敵する。

「まったく、聞いてくれよ、セリオン。母さんたら、うるさいんだぜ? 俺はシベリア学校で成績はいいのにさ」

アリオンが不平を言った。

「まあ、これは母親が教師だから仕方がないな。自分の子供は甘くできないだろう?」

「まあ、そうだな。やれやれ、母親が教師ってのもつらいぜ」

アリオンやシエル、ノエルはシベリア学校に通っている。

この学校の最大の特徴はクラスの編成が成績別なところである。

年齢は関係なく、四つのクラスに分けられる。

この制度には年齢とは関係なく、成績でクラスを分けられるいう利点があった。

それに学校に通う人間は下は6歳から上は30歳にもなる。

年齢別ではクラスを編成できなかった。

アリオンはこのシベリア学校の最優等クラスにいた。

アリオンはシエルやノエルよりも成績は上である。

それには科目がかかわっていた。

シベリア学校で教えられるのは、格闘、武術、シベリア語、ツヴェーデン語、数学、科学、音楽、などである。

アリオンはシベリア語もツヴェーデン語もできるので成績がいいのだ。

「アリオンはシベリア学校では問題ないか?」

「ああ、うまくやっていけてるさ。セリオンはシベリア学校には通わなかったのか?」

「ああ、俺とエスカローネはアンシャルの個人レッスンを受けたんだ。剣術や、学問もそこで学んだんだよ」

「へー、そいつはいいね」

「俺にはおまえがうらやましいよ」

「へ? なんで?」

「学校に通えるのは贅沢なんだぞ? 少しはそれを自覚しろ」

「へいへい。ん?」

「アリオン、感じたか?」

セリオンとアリオンは不信な気配を感じ取った。

「セリオン、アリオン、気づいたか?」

そこにアンシャルとサラゴン、エスカローネがやって来た。

「外にいるぞ? かなりの数だな。おそらく闇バラだろうな」

サラゴンが現状を分析する。

「こちらから打って出よう。奴らを返り討ちにする」

アンシャルが宿から出ることを提案した。

セリオンたちは宿から出た。

すると闇バラの暗殺者が刀を抜いて彼らを迎えた。

「私たちに用があるんだろう? 目的は暗殺か。メルヒオールの手のものか?」

アンシャルの言葉に暗殺者たちはいっせいに襲いかかってきた。

アンシャルが長剣で暗殺者を斬り伏せる。

アンシャルは長剣を自在に操り、暗殺者を吹き飛ばす。

アンシャルはさながら嵐のようだ。

サラゴンは斬りこみをかける。

まるで黒豹のごとく、黒い長剣で暗殺者を斬って捨てる。

暗殺者の群れはかき乱された。

更にセリオンが大剣で暗殺者の群れに斬りかかる。

セリオンは大剣を振り回し、暗殺者を吹き飛ばした。

セリオンの活躍は圧倒的で、暗殺者たちはただ返り討ちにあっていく。

アリオンも負けていない。

アリオンは刀・コガラスマルで暗殺者を斬る。

アリオンの斬撃は鋭く、暗殺者たちは斬り殺されていく。

エスカローネが突撃した。

ハルバードをまとって振るうその姿は戦乙女を思わせた。

これによって、暗殺者たちの集団は崩壊した。

しかし、暗殺者たちにも意地があるのか一歩も引かない。

五分程度で全滅した。

後には暗殺者たちの死体が残された。

「全滅したようだな」

アンシャルが長剣を振る。

この程度の連中なら、アンシャルたちは技を使うまでもない。

「フッ、まさか全滅とはな。使えん奴らだ」

「!? メルヒオール!?」

魔法陣がセリオンたちの前に現れた。

その中から、黒いローブを着た魔道士が現れた。

メルヒオールだ。

「ごきげんよう。我が手下どもが使えん以上、この私が直接相手をしてやろう。さあ、誰から死にたい?」

メルヒオールが薄く笑った。

手には杖を持っている。

「アンシャル、ここは俺がやる」

セリオンが前に出た。

「いいだろう。やってせろ」

アンシャルがゴーサインを出す。

「行くぞ!」

セリオンがメルヒオールに斬りかかる。

大剣を振りかぶった。

だが、セリオンははじき返された。

「ぐっ!」

メルヒオールが闇のバリアをドーム状に展開したのだ。

「ククック! 無駄だ。きさまでは私のバリアは破れん」

セリオンは大剣に光を収束した。

セリオンの技『光輝刃』である。

セリオンはメルヒオールのバリアに光の大剣を振り下ろした。

光と闇が衝突する。

パリンと音を立ててバリアが砕け散った。

「な、なんだと!? この私のバリアが!?」

メルヒオールは驚愕する。

彼にはこのバリアが破られないものだったに違いない。

「くらえ!」

セリオンがメルヒオールに斬りつける。

「ぐうっ!?」

メルヒオールが防御に回る。

「おのれ!」

メルヒオールは瞬間移動で後退した。

セリオンの大剣が振り下ろされた。

「今度はこちらから攻撃させてもらう! くらえ! 闇黒弾あんこくだん!」

メルヒオールが闇の弾を作り出す。

メルヒオールは魔力を注ぎ込んでいるようで、闇黒弾は巨大化していく。

「死ぬがいい!」

大闇黒弾がセリオンに放たれた。

セリオンは光の大剣を握りしめる。

そして、大闇黒弾をセリオンは光の大剣で斬った。

闇が霧散していく。

「バ、バカな……」

メルヒオールが呆然とする。

「どうした、これまでか?」

「ええい、これは何かの間違いだ! 闇力あんりょく!」

セリオンを中心として闇のドームが広がった。

セリオンはその中に呑み込まれる。

闇の力が膨れ上がった。

「ハーッハッハッハッハッハ! これなら、もはや生きていまい! さて次は誰が死にたい?」

「フッ」

「? 何がおかしい?」

「その程度でセリオンがやられることはないからな」

「何だと?」

アンシャルの言葉は証明された。

その瞬間、闇力がはじき飛ばされた。

その中から、光の大剣を輝かせたセリオンが出てきた。

セリオンは無事だった。

「なっ!?」

メルヒオールには理解できなかったのだろう。

セリオンは大剣を輝かせて立っていた。

「どうした、これまでか?」

「く、来るな!」

メルヒオールが闇の槍をセリオンに放つ。

セリオンはそれをあっさりと斬り捨てる。

セリオンはそのまま近づいて、メルヒオールに斬りつけた。

「ぐはっ!?」

メルヒオールは倒れた。

そのまま血を地面に染めていく。

「俺の勝ちだ」

「グッ……この私が……や、闇の王万歳!」

メルヒオールは動かなくなった。

「これでチェカに一件も終わったな。セリオン、ご苦労だった」

「もう、チェカにいる理由もない。俺たちはテンペルに帰れるな」

こうしてチェカでの出来事は終わりを告げた。

ただ、闇の王というのが気になった。

闇の王とは何者か?

事件は完全には解決していなかった。

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