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相違

 エリア51に立つエリックと月の玉髄の融合体の前に、琢磨と融合した縄文式玉髄ヒイは静かに降り立った。


 二体の念話が始まる。


『我が名はヒイ。月の者よ、ここは君たちが来る場所ではない。何をしようというのか』


『我が名はイオイラ。我々は人類を守るために生み出された。しかしこのままでは人類はネメシスとは関係なく滅んでしまうだろう。入手した情報を解析した結果、人類の存続には現在の20%の個体数が相応しいという結論になった』


『それはどういう意味だ。残りの8割はどうする?』これは琢磨の意思が大きく介在したヒイの発言だ。


『もちろん生命としての活動を停止してもらう。分かり易く言えば殺すという事だ』


『そんな事が許されると思うのか!』


『ヒイよ。これはまた随分と若い人間を使って起動したようだな。…ヒイの中の少年よ、君は酸素が二人分しかない時に、十人全員で全滅したほうがいいとでもいうのか?それは自殺と同じだよ』


『ならば命を奪う八人はどうやって選ぶんだ。お前が選り分けるのか?神にでもなったつもりなのか!』


『そこに偏りがあってはいけない。だから我々は分け隔てなく殺戮して行くつもりだ。その上で二割の人間でまわるように世界に技術供与もしていく。現に我々が生まれた時代には、人類の個体数は現在の千分の一にも満たなかった。それでも社会はまわっていたのだ』


『そんな理屈はどうでもいい!今現在生きている人を殺す権利など誰にもない!!』


『我々の時代では人々は争うなどという事は無かった。争う程の数もいなかったし、余計な富を蓄えて欲に走る人間もいなかった。ヒイよ、君は本当にこの少年の意識に追随して構わないというのか?間引かなければ人類は近い将来滅んでしまうぞ』


『その時はその時だ。神のみぞ知るところだろう』これは琢磨だけではない、ヒイも含めた意思表示だった。


『なるほど君たち地上で人類と共に過ごしてきた者たちは、彼らに何か特別な思い入れでもある様だ…それもまたいいだろう。しかし我々は我々の考えに基づいて行動するまでだ」

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