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7、普通の義妹についての異論

.....。

瑠衣子と須玖ちゃんがこうして会うのは初めてかもしれない。

いや?会ったかな?

でもその範囲の記憶だ。


何故なら3年、まあその。

瑠衣子はその3年間ずっと元気だった訳じゃないのだ。

今から3年前の出会った時。


瑠衣子は引き篭もっていたのである。

それは悲しみを引き摺っての.....引き篭もりだった。

今はそんなカケラも見当たらないが。

元気なのは良いこった、だけど。


「お兄ちゃん!!!!!どれにする!?」


「こら。店内だぞ。声が大きいっての。.....ふむ。どれにするかな」


「パフェ食べたい!」


「そうだな。それもアリかもしれないな。じゃあパフェ食うか」


「私もイチゴパフェ食べようかな」


3人で何故か来る事になった。

それは瑠衣子がせがんだとかそういうのじゃない。

須玖ちゃんが誘った。

瑠衣子を、である。

なので瑠衣子も付いて来たのだ。


「.....瑠衣子ちゃんはチョコかな?」


「うん!チョコ!」


「良いなそれ。後で一口くれよ瑠衣子」


「ダメだよー。瑠衣子ちゃんにそんな事したら」


瑠衣子は?を浮かべて、何で?、的な顔をしていた。

そうだな.....確かに間接キスになるかもしれない。

それは思春期の女子にやるべきではない。

俺は、やっぱ良いや。瑠衣子。すまん。.....じゃあ店員さん呼ぶか、と笑みを浮かべる。

それから注文をした。


「ねえねえ。何でお兄ちゃん一口を断ったの?」


「.....え?.....あ。いや.....それは。色々あるんだよ。それでな」


「へ?そうなの?」


瑠衣子はしっかり悩み始めた。

そして、でもやっぱりおかしいよ、と結論を出す。

するとその言葉を待っていたかの様に、瑠衣子ちゃん。.....普通はね。しないんだ。そういうの。.....考えてみて。自分の使ったものを共有って普通はしないと思うんだ、と言い聞かせる。

年頃の女の子はもっとしないよ、とも。


「.....そうなの?」


「.....そうだな。まあ普通はしないかもな」


「.....ふーん。変なの」


でも私はお兄ちゃんが好きだから、と断固として話を聞かなかった。

俺達はその姿に苦笑いを浮かべながら見ていると。

瑠衣子は、それはそうと!、と言い出す。

そして満面の笑顔になる。


「パフェ楽しみ!」


「そうだな。瑠衣子」


「ふふ。まるで小学生みたいだね」


「そうだよ!この体型だからお兄ちゃんとプロレスごっこも出来るしね!」


コラァ!何を暴露してんだ。

思いながら俺は瑠衣子を赤面で見る。

それは言ったらアカン。

思いながら見ると。

須玖ちゃんはかなり冷たい目線をしていた。


「.....す、須玖ちゃん?」


「プロレスごっこはいけないと思います。恭平さん?相手は女の子です」


「.....い、いや。俺がやりたいんじゃない。瑠衣子が勝手にやってくるんだ」


冷や汗が吹き出た。

その言葉に納得した様に瑠衣子を見る須玖ちゃん。

そして、瑠衣子ちゃん。プロレスごっこは駄目だよ。女の子だよ?、と話す。

すると瑠衣子は、ヤダ!!!!!、と強く宣言した。


「私は.....お兄ちゃんまで離れるのがイヤ」


「.....離れるって.....?」


「ああ。えっとな。.....実は好きな遊びをしていたクラスメイトが離れて行ってしまったんだそうだ。瑠衣子から。男子生徒なんだけど.....」


「.....あ。そうなんですね.....」


「だからショックを受けているんだ」


その言葉を受けた須玖ちゃんは、ね。瑠衣子ちゃん。.....もし良かったら今度一緒にショッピング行かない?、と笑顔で瑠衣子に切り出した。

え?ショッピング?、と目を丸くする瑠衣子。

そして店員さんがパフェを運んできてから摘みつつ。

そう、と返事をした須玖ちゃん。


「.....私ね。思うんだ。絶対に可愛くなるって思う。瑠衣子ちゃん」


「.....でも.....私は.....そういうの興味無い」


「大丈夫だよ。ボーイッシュなの探そう」


「.....お兄ちゃんは興味を持ってくれる.....?」


「持つに決まっているだろ。俺の自慢の義妹なんだから」


じゃあ買いに行く!!!!!、とまた笑顔になる瑠衣子。

俺は、単純だな、と思いながら見ていると。

その。もし良かったら恭平さんも、とモジモジしながら話してきた。

俺は!!!!?と思いながら須玖ちゃんを目をパチクリして見る。


「それは.....少しだけ恥ずかしいんだが.....」


「付き合ってくれませんか?」


「.....分かった。夏も近いしな。コーディネートは大切だろうし.....」


「有難う御座います!」


そして俺達はそのまま誘いに乗ってからショッピングを楽しむ事になった。

この街にあるショッピングモールだが.....でもめっちゃ恥ずいな。

何というか恥ずかしいというか.....嫌な思い出もあるけど。

幼馴染と一緒に行っていたし。

最悪の気分だ。


「.....恭平さん?」


「お兄ちゃん?」


「.....ああ。いや。大丈夫だ。すまん」


それから俺は目の前のアイスコーヒーを見ながら飲んでみる。

何というか苦い味がしたが。

やっぱり牛乳入れるべきか、と思ったが。

2人を見ているうちに全部飲んじまい。


「あれ?お兄ちゃん飲むの早い!」


「そうだな.....やっちまった」


「アハハ。何か集中でもしていたの?」


「そ、そうだな」


そんな会話をしながら俺は後頭部を掻く。

それから俺は、ちょっとトイレに、と立ち上がってから。

そのままトイレに行ってから戻って来る。

じゃんけんで遊んでいた。

相変わらず仲が良い事だな、と思う。


「何だか本当に可愛いですね。瑠衣子ちゃん。連れて帰りたいです」


「駄目だ。俺の自慢の妹だからな。許さん」


「そんなに言わないでよお兄ちゃん。そんなに言われると何だか恥ずかしいかも」


「あはは」


そんな感じで会話をしていると。

あ。そうだ。お兄ちゃん。パフェ食べる?、とニコニコしながら聞いてくる。

俺は、そうだな。でもあのな。さっきも言ったけど何だか恥ずか.....、とそこまで言ってから匙が突っ込まれる。

喉がァ!!!!!


「もー!いきなりはやっちゃダメって言ったのに!」


と須玖ちゃんの声がする。

俺はゲホゲホ!とむせ返りながらもチョコの味を噛み締める。

美味しかったわ確かに。

瑠衣子に感謝だけど.....でも。


「.....しかし瑠衣子。良いけど喉にいきなり匙を当てるのは無しだな」


「はーい.....ごめんなさいー。反省してます」


「アハハ。それにしても本当に仲が良くて羨ましいかもしれません」


そう言いながら須玖ちゃんはクスクスと笑う。

俺達は目を合わせ合ってから。

少しだけ恥じらいながら須玖ちゃんに向く。

そして暫く会話をまたした。

.....。

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