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10、変貌していく日常

.....。

後輩、即ち山口兎色。

俺を独占する為に地に落ちた女子。

その姿を見てから俺は汗をかきながらリビングに戻る。

そこに不安そうな顔の瑠衣子が居た。

俺を見上げながら、どうしたの?、と聞いてくる。


「お、お兄ちゃん.....どうしたの?」


「.....」


「.....ねえ。.....お兄ちゃん.....」


「.....瑠衣子。.....外出歩くの.....一応、気を付けてくれ。アイツは.....うん」


「何があったの?」


「.....俺の後輩がおかしいんだ。.....おかしい.....」


そんな事をそのままブツブツと言いながら歩く。

それから椅子に腰掛けた。

するとパチンと両手を目の前で叩かれる。

俺は顔を上げた。

そこに瑠衣子が真剣な眼差しで居る。


「お兄ちゃん。一旦落ち着いて。.....何があったの」


「.....ああ.....そ、そうだな。.....有難う」


だが俺は話すのを戸惑った。

だけど瑠衣子は知りたそうな感じで居る。

俺はその姿に溜息を吐いてから、実は、と話した。

すると瑠衣子は、そうなんだ、と唇を噛む。


「酷い.....確かに」


「.....そうだな.....」


「.....でもお兄ちゃん。一部だけど良かったんじゃないかな」


「.....何がだ?」


「だって.....これ.....戸口さんは無実って事だよね.....?一応」


「まあそう.....なるか.....?」


ニコニコしながら俺を見てくる瑠衣子。

だが直ぐに眉を顰める。

そして俯いた。

俺はその姿を見ながら溜息をまた吐く。


「何でこんな事になっちゃったんだろうね」


「.....分からない。.....正直言って何も分からない。だけど1つだけ言えるのは。.....後輩も俺への恋でおかしくなったという事だ。お前が言った通りな」


「.....お兄ちゃん.....」


「原因はあった。.....でもここまでするのが良いとは言わない。.....絶対に良くない。.....でも正直どうしたら良いか分からない。山口は悪魔の化身かもしれない」


「.....うん」


そして俺は額に手を添える。

困った、と思う。

どうしたら良いのか分からない。


思いながら俺は考える。

何かヒントは無いか、と思いながら。

この状況を打開する方法は。


「.....正直.....心配しているのかな」


「.....分からない.....後輩の動きが訳が分からない」


「.....そうだね.....」


「でもやった事にマジに反省してもらう必要がある」


「.....はっきりした事も分かったどね」


そうだな、と返事しながら瑠衣子を見る。

そして俺はオムレツを見てハッとする。

すまん。冷えてしまった、と言うが。

大丈夫!、と笑顔になる瑠衣子。


「私の事は気にしないで」


「.....そうだな.....」


「.....その前に.....隣の家に行ってほしい」


「.....ああ。アイツの家か」


「うん。戸口さん」


「.....そう.....だな」


俺はそんな会話をしてノロノロと立ち上がる。

それから玄関を開けてから。

そのまま俺は表に出て横の家のインターフォンを押す。

するとドアが開いた。


「.....よお」


「.....うん」


「.....大丈夫か」


「.....大丈夫.....だけど。.....山口さん.....に私は.....変な薬を盛られたんだね」


「.....そうだな.....」


その場で、酷い、と号泣し始めた戸口。

それから涙を拭っても大粒の涙を流す。

俺はその姿を見ながら居ると。

崩れ落ちた。


「.....私は貴方に.....」


「.....銘.....」


「私は馬鹿だった。騙された.....」


「.....そうだな.....」


「.....私は.....私は.....」


そして号泣する銘。

その姿に俺は盛大に息を吐く。

それから、大丈夫か、と尋ねる。

銘は、御免なさい、と号泣するだけだった。


「.....じゃあお前が言っている事は.....嘘じゃないんだな?」


「病気の件も.....全部そうだよ.....」


「.....そうか」


俺達は銘の肩を掴む。

それから、散々悩んでいたんだよな。.....すまなかった、と言った。

すると銘は、うん、と言いながら涙を拭う。

まだ溢れる涙。

そして俺を見てくる。


「.....馬鹿だよね。本当に。.....私は何をしていたんだろうね」


そんな感じで涙を浮かべる。

そしてまた泣き始めた。

俺はその姿を確認しながら落ち込んでいる銘を見つつ少しだけ唇を噛んだ。

それからまた銘を見る。

銘は、有難う、と言いながら向いてきた。


「.....でもね。1つだけ言えるのは」


「.....?」


「.....私は明らかにこれだけ酷い事をしている。これから私は.....貴方を応援する側に回りたい」


「.....そうか」


そんな感じで返答しながら俺は銘を見る。

銘は、私は最低な事をしているから。恋はしないけどせめて応援だけはさせてほしい、と懇願する。

俺はその姿に、ああ、とだけ返事をした。

それから銘を見る。


「.....有難う」


「.....うん」


「.....何でこんなまでして.....君を愛そうとするのか.....分からないね」


「.....正直言って何を考えているのか全く分からん。.....お前も気を付けろ。変な薬をまた飲まされるかもしれない」


「山口さんの渡した薬はもう飲まないよ。.....怖いから」


「.....」


俺は頷きながら。

そのまま銘と、じゃあな、と別れてから帰宅した。

すると不安げな感じで瑠衣子が玄関先に立っている。

俺は、大丈夫だ、と頭を撫でる。


「.....さっきは山口のせいで激しく混乱していたけど.....落ち着いた」


「うん.....だったら良いけど.....」


「.....正直言ってまだ不安もあるし.....銘の事も.....あるけど。.....でも少しだけ落ち着いたから」


「.....そうだね!.....やっぱり人と話すのが一番!」


「それは言えるな.....確かにな」


それから俺達は気晴らしにゲームを始めた。

勉強もしないといけないのに何をしているのか。

すると瑠衣子がまたお眠りになったので.....寝室に連れて行く。

そしてまたおやすみの挨拶をしてからドアを閉めた。


「.....」


この先。

どういう事が待っていようとも俺は.....。

取り敢えずみんなが居るから。

そう言い聞かせながら廊下を歩いて下に降りた。

.....。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 本当に向精神薬飲んだのかな?後輩の証言だけですよね。一度騙してきた相手を簡単に信じて良いのかな? どの人物も、何かが狂ってそうな感じがあるから、気にして読んじゃいますね…。
[一言] うん、通して読んだけど意味わからんw 結局彼氏が居たのか居なかったのか、最初に嫌いと言った意味とかマジ不明 感想書いてる方々、よく内容理解出来るな…
[気になる点] 取り敢えず通しで読んだが、何が書きたいか何一つ解らん…義妹以外のキャラ掘り下げが無いから、可愛がってた後輩がメンヘラヤンデレ犯罪者でしたと言われても…ただのストーカーと何が違うのか。幼…
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