言ノ葉
「言ノ葉」
本当に言いたい言葉たちを押し退けて
汚い言葉たちが口を突く
お互いに傷つけ傷付き合って
いつしか自分のことしか考えなくなっていた
子供たちのことを置き去りにして
それでも
膿を全て吐き出したあと
やっと相手が見えてきた
子供たちが見えてきた
家族がみんな
泣いていたんだ
愛だ優しさだと
うわっ面の言葉はもういらない
僕たちは
人間に戻るんだ
愛に頼るしかない人間に
離れ離れになっても
長く連れ添った人と
血の繋がりを断ち切ることなんてできない
愛子たちと
何度でも間違いを繰り返しながら
お互いの身を切り
心を傷つけながら
カサブタだらけの人間の集まりで
生きていく
きっとずっと
離れていたって
家族なんだ