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「こちらがリリアナ様にとご用意させて頂きました、お部屋ーー研究所でございます」


 後日、サラに連れられてきたのは公爵家のお屋敷の端の端、塀の側にある2階建てで1階がガラス張りの建物だった。


 ーーーうわ!物凄く端っこに追いやられたと思ったけど、建物目茶苦茶カッコいい!


 屋敷内をどこまで歩いても辿り着かないので、研究に反対している誰かの反対にあったのかとリリアナは心配した。けれども、目の前にある建物はとてもお洒落でカッコいい、追いやられたのかという心配は無駄だった。

 建物は、程よい木々に囲まれており、建物のあるところだけ、ぽっかり太陽が当たるようだった。まさにお洒落な隠れ家である。


「とても凝った作りなのね!ガラス張りだから、自然光も入って、薬草とかの栽培にも最高だわ!」


「喜んで頂けて良かったです。ユーリス様が自らアイデアを出されて、器具も集められていましたから」


 リリアナが喜んで、サラに感想を述べるとサラも嬉しそうに笑顔で返してくれた。


 ーーー良かった!サラは研究に反対していないみたい


「ね?器具も揃ってるの?中をよく見て良い?」


「もちろんでございます。こちらの建物はリリアナ様専用でございます。どうぞお好きなようにーーー建物2階はプライベートエリアとして、寛げるよう家具を揃えております」


 夫婦喧嘩の際には、立て籠ることも出来ますわーーと珍しくサラも冗談を言えるくらい、リリアナの研究所は公爵家の本邸から離れ、解放感が満載だった。


「2階は泊まることも出来るのね?なんだか、ここにずっと住んじゃいそうだわ!」


「ここは、公爵家の庭園内ですから警備は万全なのに、人目もありませんからね。とても心地よい空間になってるかとーーーちなみに2階の寝室は、お二人でも泊まれるよう、キングサイズのベッドですよ」


 ーーーへ?ベッドがそんなに大きいのって、アークも泊まれるようにってこと?


 サラが笑って爆弾発言すると、リリアナは居たたまれなくなってしまう。


「夫婦喧嘩しても2人で泊まれるんじゃ、意味ないじゃない!」


 リリアナがサラのからかいに怒ると、サラは堪えきれず吹き出した。


「ーーー、申し訳ありません。リリアナ様といると本当に楽しい時間が過ごせますわ!さぁさ、1階の研究エリアもご覧くださいませ。今ある薬草は、汎用性のあるものをご用意しています。他に必要でしたら、ご用意いたしますので、ご指示くださいませ」


 ーーーすごい!こんなに実験器具、薬草が準備してあるなんて!


 目新しい実験器具や薬草、きれいなラボエリアにリリアナは興奮しっぱなしである。

 試験台もシンクが付いており、試験調製液を保管する設備まである、まるで専門機関のラボのようである。


 ーーーメイルズ男爵家の私の研究室が貧相に思えてしまうくらい、超豪華!!!


「ここはいつから使っても良いのかしら?実家から途中の研究材料を取り寄せて、直ぐにでも稼働させたいんだけれど?」


「リリアナ様のお好きなように。リリアナ様はほとんど次期公爵夫人かま必要な素養がすでにあるとお聞きしておりますーーー後は、ご自身の自覚だけとか。まぁ、学園入学迄はお日にちもございますし」


 サラが笑ってそう言うので、リリアナは直ぐにでもメイルズ男爵家に戻り、途中の試料を取りに行こうかと思い立つ。


「じゃぁ、早速取りに帰らなきゃ!沢山あるから少し戻るのが遅くなるかもーーー」


「なりません!!」


 ーーーへ?!何で


 るんるん気分でこの研究室を使うことしか考えていなかったリリアナはサラにきつく言われてかなり驚いた。


「ーーー申し訳ございません。リリアナ様は誰かに狙われていると聞き及んでおります。ですから、何卒今しばらく公爵家の屋敷に留まりくださいませ。お荷物は、家の者に取りに行かせましょう」


「ううん…私もこんなに立派な建物に浮かれすぎて考えなしだったわ。荷物は、必要な分を後で書き出しておくから頼んで良いかしら?」


「かしこまりましたーーリリアナ様、ユーリス様がこちらに来られるそうです。昼食を共にとのことですが、2階に準備させて頂いても?」


「もちろん!お礼も早く言いたいしね!」


 離れの屋敷に従者がやってきて、アークからの伝言を伝えてきた。リリアナは早速、この素敵な建物のお礼を言おうと、二つ返事で了承した。



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