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藤次郎-11

今夜は新月で逃げるには最高だが、月明かりの無い山中を馬で疾走するには高い技術が必要だ。


「藤次郎、さっきの神官たちは口封じの為に殺されました。おそらく降天の巫女があの大殿の屋敷にいる事を外に漏らされるのを阻止するためでしょう。女も一緒に殺されています」


「そうですか。哀れな物ですね。最後が女を抱いてか……」


「藤次郎もあのような事がしたいのですか?」


「え? そ、それは……」


「はぁ~~。なるほどそうですか。わかりました」


「心を読みましたね!」


『これでも喰らえ。佳宵様を抱きたい。佳宵様を抱きたい。ほれほれ~……』


大人佳宵のはだかを想像する藤次郎。


「ちょっと。変な事考えないで。きゃぁ~やめて~」


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