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『O-279. 浦上-イオニアの反乱劇(ヒスティアイオスの脱兎)』  作者: 誘凪追々(いざなぎおいおい)
▶第一幕(01/12)「里心」
8/14

・(第一幕「里心」の付録:登場人物、地図、年表)


【第一幕「里心」の付録】





<登場人物>(紀元前500年頃の推定年齢)



主役-ヒスティアイオス  55才 ・・・ミレトス(柔①)市の独裁者で、大王ダレイオスの助言者(現在はスーサの都に在住)。


執事長  48才 ・・・カリア出身の執事。ヒスティアイオスが最も信頼する奴隷。

長男(カリア系)  17才 ・・・執事長の息子、赤髪の美少年。ヒスティアイオスが後継者にしようかと考えている。

長女(エジプト娘)  20才 ・・・エジプト出身の家政婦メイド。黒髪長身。

次女(スキュタイ娘)  17才 ・・・スキュタイ出身の家政婦メイド。金髪碧眼。

三女(インド娘)  13才 ・・・インド出身の家政婦メイド。銀髪黒肌。


老母  75才 ・・・ヒスティアイオスの母親。大婆さま。スーサの都で同居。


一人娘  (享年25才) ・・・ヒスティアイオスの娘。アリスタゴラスの妻になったが病死。

代理人-アリスタゴラス  40才 ・・・ヒスティアイオスの従兄弟で娘婿。ミレトス(柔①)市の留守を預かる。

姉巫女あねみこ  29才 ・・・ディデュマ(浦神)で神託の巫女、引退後はアリスタゴラスの妻に。

子猫


歴史家-ヘカタイオス  50才 ・・・ミレトス(柔①)出身の著名な学者。



ペルシャ人の高官-メガバテス  35才 ・・・大王ダレイオスの従兄弟。アルタプレネスの下で軍を指揮。

サルディス城の総督-アルタプレネス  40才 ・・・大王ダレイオスの異母弟。サルディス城に駐屯して沿海地方を統括。

大王-ダレイオス  50才 ・・・ペルシャ帝国の大王(三代目)。

王弟-アルタバノス  45才 ・・・ダレイオスの同母弟。常に慎重を第一に考える。

王女-アルトゾストラ  18才 ・・・ダレイオスの娘。特に可愛がられている。

若手の武将-マルドニオス  20才 ・・・アルトゾストラの夫。期待の若者。



―――――(以上)―――――


※ 登場人物の実際の年齢はほぼ不詳であるため、大ざっぱに推定し劇用に設定したものに過ぎませんので悪しからず。


※ 名前のある登場人物は実在の人物(古代の書物や碑文に出て来る)ですが、あだ名や肩書きのみの人物(『執事長』や『長女』など)は基本的にこの劇で創作した架空の人物になります。


※ ただし、ヒスティアイオスの娘がアリスタゴラスの妻であったというのはヘロドトス著『歴史』に記されていますので、彼女は名前は不明ですが実在の人物です。

 なお、彼女は生没年も不明であるため、この劇の中では一年近く前に若くして病死したとしましたが、実際にはもっと長生きだったかもしれません。


※ 同じく、ヒスティアイオスの老母も生没年が不明であるため、この劇の中では一緒にスーサに暮らしていたと設定しましたが、実際にはミレトス在住だったかもしれませんし、既に亡くなっていたかもしれません。






<地図>


a.

挿絵(By みてみん)


※ ペルシャ帝国の首都は普通スーサ(エラム地方)にあったとされていますが、エクバタナ(旧メディア王国の首都)やバビロン(旧バビロニア王国の首都)やペルセポリス(ペルシャ民族の本拠地)にも王宮があって、ペルシャ王はしばしばこれらの町を定期的に行き来していたとも言いますので、首都は一つではなかったという説もあります。


※ たとえばスーサは真冬でも温暖なのは良いのですが、夏の間はかなりの酷暑らしいので、ペルシャ王はメディア高原にある涼しいエクバタナに避暑のため数ヶ月移動したとも言いますので、スーサを「冬の都」、エクバタナを「夏の都」などと呼ぶ人も居ます。

 また、ペルセポリスは新年を祝う場であったという説等があり、バビロンは「春の都」、ペルセポリスは「秋の都」だったのでは、という説もあるようです。


※ そもそもペルシャ王は遠征の時にも妻妾や家来や宦官などを大量に引き連れていたと言いますので、そういう意味では「ペルシャ王が今滞在している場所こそが首都である」といった認識だった可能性もありそうです。

 とはいえ、行政の中心地はスーサに固定されていたようですので、政治的な用向きで訪れるのならやはりまずスーサに赴いたのだろうと思われます。


※ そのため、この劇の中でもアリスタゴラスはスーサの都を訪れて大王に会ったという設定にしましたが、季節が夏なので、あるいは場所をエクバタナにしたほうがより現実的だったかもしれません。(一応、この年はたまたま別の用事でスーサの都に留まっていたという設定にしています)



b.

挿絵(By みてみん)


※ ギリシャ人は自分たちのことを「ヘラス」と名乗っており、「ギリシャ」は異民族からの呼び名になります。そのため、劇の中ではギリシャ人が自称する時には「ヘラス(大和)」、異民族から呼ばれる時には「ギリシャ(倭)」と、おおむね使い分けるようにしています。


※ ただし、ペルシャ人はギリシャ人のことを「イオニア(=ヨーナ)人」で総称していたようですので、彼らの発言の場合には「イオニア(浦上)人」と呼ばせることもあるようにしました。(実際の古代ペルシャ語の碑文等の事例によれば、イオニア地方のギリシャ人のことは『海に住むヨーナ族』、ギリシャ本土の人々のことは『海のかなたに住む(ヨーナ)族』と呼び分けたりしていたようです)






<年表>



O-230(紀元前546/545)年:


◎:ペルシャ軍(初代キュロス王)がサルディス城を攻め落とし、リュディア王国が滅亡。→ リュディア王国に従属していたイオニア(浦上)地方のギリシャ系諸市も軒並みペルシャ人の軍門に降る。



―――――(中略)―――――



O-264(紀元前512/511)年:


◎:ペルシャ軍(三代目ダレイオス王)によるスキュティア遠征があり、これに従軍していたミレトス(柔①)のヒスティアイオスとケルソネソス(津軽半島)のミルティアデスとの間で、ペルシャ軍を裏切るかどうかで激論となる。→ 大王・ダレイオスは命からがら撤退し、それに貢献したヒスティアイオスに恩賞(トラキア(陸奥)地方のミュルキノス(咲花))を与える。



O-265(紀元前511/510)年:


◎:しかし、ヒスティアイオスのことを警戒した大王・ダレイオスは彼をスーサの都へ連れ去る(事実上の幽閉)。→ ヒスティアイオスの代理人として従兄弟のアリスタゴラスを娘婿にし、留守のミレトス(柔①)市を臨時に支配させる。



O-266(紀元前510/509)年:


◎:スーサの都でヒスティアイオスの妻が病気で亡くなる。→ エジプト人の少女(10才)を引き取り『長女』として育てる。



O-268(紀元前508/507)年:


◎:スキュタイ人の少女(当時9才)を引き取り『次女』として育てる。



O-270(紀元前506/505)年:


◎:インド人の少女(当時7才)を引き取り『三女』として育てる。



―――――(中略)―――――



O-275(紀元前501/500)年:


晩夏:アリスタゴラスの妻になっていたヒスティアイオスの娘が病気で亡くなる。


冬:エーゲ海のナクソス(上対馬)島の上流階級がミレトス(柔①)市に亡命してくる。


春:アリスタゴラスがサルディス城の総督・アルタプレネスに「ナクソス(上対馬)攻め」を進言。



O-276(紀元前500/499)年:


夏:アリスタゴラスがスーサの都に赴き、ヒスティアイオスの助言もあって大王・ダレイオスから「ナクソス(上対馬)攻め」の許可を得る。



―――――(以上)―――――


※ この年表では、ペルシャ軍によるスキュティア遠征を「O-264(紀元前512/511)年」のこととしていますが、学説によっては数年の幅があるようです。


※ その他の年や季節も、ごく一部(サルディス城が陥落した年など)を除くほとんどは事件の順番や前後関係によって大雑把に推測し、劇用に設定したものに過ぎませんので悪しからず。


※ ヘロドトス著『歴史』によれば、「ナクソス攻め」をサルディスのアルタプレネスに進言したのはアリスタゴラスだったと明記していますが、彼が自らスーサのダレイオス王のもとへ許可を得に赴いたとは記していませんので、その部分に関してはこの劇の中での創作になります。


※ またヒスティアイオスの娘がアリスタゴラスに嫁入りしたことも明記されていますが、彼女がいつ結婚して、いつ亡くなったかは一切不明ですので、これらの部分に関しても劇の中での創作になります。



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