記念SS 運営達への鎮魂歌
5万字を越えたのと、初レビューを頂いたので記念SSです。
運営達の血と涙の努力をご覧下さい
俺たちの日々は多忙だ。
常に気を張り続け、何かの抜け道が無いか、バグは起きていないかなどのチェックを血涙を流しながらしている。
ちなみに横にいる同僚の葛西は死んだようにエナドリの瓶を咥えながら寝ている。
「あ、ちょっと谷崎さん! そこ間違えてます!!」
「え、あ、本当だ……すみません修正します!!」
見回り中の班長が目ざとく俺のミスを見つけた。
普段から口煩く俺たちのミスを見つけては注意をしてくる班長。
実は裏では小姑などと言われているのだが本人がその事実を知っているので俺は一切関与していない。
下手すりゃ俺たちまとめてドナドナだ。
でもこの鬼のような班長のお陰でこの班は成り立っていると言っても過言ではない。
プログラミングを任せれば右に出るものは居ないといわれるレベルでアルゴリズムも完璧で美しい。
それに何より俺たちのやりきれない分は全て一手に引き受けて貰っている。
まあそれもなんだが見てくれ、この惨状を。
バタッ
「あーっ!? 班長! 東がキーボードに倒れました!
……ははっ、しかも律儀にBackSpaceだけ押し込んでやがる……」
(※BackSpace: PCにおいて一字消す時に押すもの。今回は押し込んでいるので一括消しではなく少しずつ目の前で消えて行くという精神を抉られるような消え方をしている)
「か、仮眠……いってきます……」
「おい! そう言いながら眠眠〇破に手をつけるのはやめろ!!」
(※眠眠〇破: この世で最強のエナドリ。一度飲むといやでも起きていられる)
「技術二班で対処しきれないバグが見つかったからよろしくね」
「おいクソ上司! サラッと来て面倒事を押し付けて帰るな! Fu〇k you!!」
「「「「「Fu〇k you!!!」」」」
……な? 阿鼻叫喚の地獄だろ……?
聞いて驚くなよ……ここ、現世なんだぜ?
「手ぇ止まってるよ動かして谷崎さん!」
「あ、はい!!」
あー、クソっ! 何だこのバグ!? 組み込み全部間違ってんじゃねえか!!
「バグバグバグバグバグバグバグバグバグバグバグバグバグバグバグバグバグバグバグバグバグバグバグバグバグバグバグバグバグバグバグバグバグバグバグバグバグバグバグバグバグバグバグバグバグバグバグバグバグバグバグバグバグバグバグバグバグバグバグバグバグバグバグバグバグバグバグバグバグバグバグバグバグバグバグバグバグバグバグバグバグバグバグバグバグバグバグバグバグバグバグバグバグバグバグバグバグバグバグバグバグバグバグバグバグバグバグ!!!」
「五月蝿い山中くん!! 唱えるな!」
「へへっ、俺、ここで死ぬのかなぁ……」
「中谷!! Enterキーポチポチしないで!
やめろーっ!! 俺が十五時間掛けて組んだアルゴリズムがーっ!! もう終わりだァーーー!!!」
(※Enterキー: 操作を決定する、若しくは改行などの時に使われる。この場合頑張って組んだアルゴリズムが改行で無惨にも破壊された)
三時間かけて周りが煩い中やっと修正終わったよ……
「休憩行ってきま──「谷崎さん! 手空いてて良かった! ここの修正お願いします!!」──はい……」
なんでこいつはゴーレムに打ち上げられて空飛んでんだ!!
空飛ぶんじゃねえよお前がそんなことして遊ぶから俺の貴重な休憩時間が消えたじゃねえか!!
Fu〇k you!!!
──やっと終わった……
「今度こそ休憩行ってきます……」
「お、おう……行ってら──あっ」
バタッ
「葛西ーッ!! 死ぬな葛西ーッ!!」
「谷崎さん、葛西くんの仕事ちょっと残ってるからあとやってもらっていい?」
ははは……やってらんねえよこんちくしょう。
バタッ
「谷崎さーーーーん!!!!!」
ヴァリアスワールド・オンライン運営、技術一班の戦いはまだまだ続く……!!




