美味い話には裏がある
2話と言っていたものを統合しました。
遅くなってすみません。
明日は投稿できるか分からないです。
【修正】
1レベルあたりSPが2つずつ→1レベルあたりSPが1ずつ増加に変更。(あとがき)
1レベルあたりMPが30ずつ→1レベルあたりMPが10ずつ増加に変更。(あとがき)
前回のあらすじ
草原に行く事にした。
「すごいな、ここ」
俺は草原に着いた時、思わずそう呟いてしまった。
辺り一面に青々と生い茂る草と、心地よい温かさをもたらす風。
それに透き通るような青い空が対比して、美しく映えている。
「すごいでしょー! ここが言ってた草原、プレイヤー達からは初心者がいっぱい来ることから巣窟、って呼ばれてるんだ!」
……まんまじゃねえか。
まあそれは置いておいて、早速戦いますか!
「アヤ、魔物がどこにいるか分かるか?」
「このゲームでは魔物じゃなくてモンスターって呼ぶんだよマツリちゃん──ちょっと待ってね……あっちに五体居るよ!」
そう言ってアヤさんは右の方を指さした。
「今のってスキルか?」
「うん、《気配察知》っていってね、目を閉じて念じれば頭の中にミニマップが浮かんできて、モンスターがいたらその場所に赤色の点がつくの。結構便利なのに取得に必要なSPが2だけで済むし、取得条件も簡単だから取っておいた方がいいよ」
なるほど、便利そうだな。っていうかあのSPってスキルを取る時にいるポイントだったのな……
「じゃあ後で取ろうかな、ありがとうアヤ」
俺は教えてくれたアヤさんに精一杯の笑みを向けた。
「……」
あれ、アヤさーん? もしもーし?
「……はっ!? ごめんなさい」大丈夫そうで良かった、何かあったのかと思っちゃったよ。
「美少女の笑み、ご馳走様です!!」
そう言ってアヤさんは深々とお辞儀をした。それはそれは見事なお辞儀でしたとさ。
「あはは……」
やべぇこのまま行くとグダグダに戻っちまう。早く行かないと。
「あ、いたよマツリちゃん!」
少し歩いてアヤさんも元に戻った頃、前方を指さしながらアヤさんがそう言った。
そこには、俺の因縁の相手が五体いた。
俺はすぐさま剣を構えて、戦闘態勢をとった。すると向こうも気がついたようで一体が飛び出してきた。
「ガルルァ!!」
飛びかかってきたグレーウルフだったが、俺はあえなく避けることに成功した。
──え? そこは斬り伏せた、って言うところだって?無理無理無理! 俺、そういうラノベ系主人公みたいな奴じゃねえから! 一回たまたま勝ったくらいで謎の力が働いて見切れるようになりました、とかどんなチートだよ! このクソザコナメクジが急成長遂げるわけねえよ! 舐めんな!
戦いに集中しろって? ……分かったよ
とりあえず俺は敵が隙を見せてくれないと攻撃出来ないので、に〜げるんだよ〜! 戦法をとるしかない。
回避し続けること約三分。とうとうアヤさんが動いた。
「たあっ!」
彼女が一度ダガーを振ると、取り囲むようにして立っていたグレーウルフが全滅した。
【レベルが上がりました】【スキルを獲得しました】
……おや? 俺が倒した訳でもないのに経験値が入ったぞ?
「ごめんねマツリちゃん。最初は手出ししたく無かったんだけど、ある程度レベルが上がるまでは私が倒す事にしてもいいかな?その……ちょっと……」
アヤさんが後半を言いづらそうにしているが、分かる。遅い、って事だろう? 俺だって分かってたし、あまり良くないのかもしれないが多少レベルが上がれば太刀打ちできるようになるかもしれない。だからこれが妥当な策だろう。
……。でもなぁ、乞食プレイかぁ……
いくら雑魚と言ってもそのくらいのプライドはある。だからここで頼ってはいけないというのは分かっているし、俺だってそのつもりだ。
「お願いします! 俺じゃ勝てないです!」
……あるぇ〜? 口が勝手に……。お、おいやめろ、俺の身体! 深々とお辞儀すんじゃねぇ!! 流石にこんな清々しい程の乞食は引かれて──
「……うん、いいよ!」女神、様ですか……? ありがてえ!
「あ、それより先にステータス見てみて」あ、はい。分かりました。
種族:大天使:Lv.1→Lv.3
職業:光に導く者:Lv.1→Lv.3
SP: 0→8
入手スキル
《鑑定》:2SP《逃亡》:3SP《敵愾心誘導》:5SP
おおっ!? レベルが3まで上がっている!! しかも新しいスキルまで来たぞ!?
「レベルが3までずつ上がって、《鑑定》《逃亡》《敵愾心誘導》の三つが増えた」
「えっ《逃亡》って聞いた事ないね……どんなの?」
「《逃亡》自身より敵が強い時、5%の確率で戦闘を強制中断できる。なお、LUKの高さは関係しない。だって」
リアルラックに賭けるのか。こういうのって取っておけばいざと言う時に役に立つから良いのかもな。よし、これにするか!
「ちょっと待って」俺が《逃亡》のスキルに手を伸ばそうとした時、アヤさんが止めた。
「このスキル、取らない方が良いと思う」
「なんでだ?」
「いくら何でも良すぎるんだよ。5%とはいえ強制中断できるんだよ?それが3SPなんて虫が良すぎじゃない?」
言われてみれば……。確かにこれを使って成功したらレイドボスでも強制中断できるんだろ……?
「……おかしいな」
「でしょ?だからここは無難に《鑑定》をとるべきだと思うんだ!」
「ありがとうアヤ、そうするよ」
俺はアヤさんの助言通り、《鑑定》を取る事にした。
「取れたみたいだね。じゃあ今度は、このスキルを鑑定してみて」
そう言われたので《逃亡》のスキル説明を鑑定した。
《逃亡》自身より敵が強い時、5%の確率で戦闘を強制中断できる。なお、LUKの高さは関係しない。
ただし、効果は数秒のみである。
「効果は、数秒……」
「やっぱり、美味しいものには裏があるものなんだね」
美味しいものには裏……。
そう言えば《堕天化》はどうなんだろうか。……あまり気乗りしないがやってみよう
《堕天化》堕天状態になる。
空を飛べない、スキル、職業アビリティが使えない代わりに一度のみ体力が50%まで回復、全ステータスが+60、毎秒自身のHPを5回復。
さらに10回攻撃を加える度にSTRが+5。そして堕天状態の最後には空からビームを降らせてから大天使に戻る。1日に10回のみ可能。デスペナルティ中は使用不可
合計使用回数が10回に到達すると、大天使に戻れなくなり、一切の進化、レベルアップが不可能。さらに装備の変更が不可能になる。また現地人からの好感度が最低になる。
……うそん。
「どうだった?」
「もう《堕天化》は使わないと心に決めた……」
「早いうちに気づけてよかったね。念の為に装備にもしておいたら?」
念には念を入れてそうしてみるか。
天使の輪 〈Ex〉【譲渡不可】【破壊不可】
天使と言えばコレ、輪っかだよね!
なんか萌えるよね!
天使の装束〈上〉 〈Ex〉【譲渡不可】【破壊不可】
天使と言えばコレ、神話に出てきそうな白装束だよね!なんか萌えるよね!
天使の装束〈下〉 〈Ex〉【譲渡不可】【破壊不可】
天使と言えばコレ、神話に出てきそうな白装束だよね!なんか萌えるよね!
天使のブーツ 〈Ex〉【譲渡不可】【破壊不可】
天使と言えば……って言いたかったけどデザイン担当が普通のブーツの色を変えただけの手抜きだから萌えないね!
天使の剣 〈Ex〉【譲渡不可】【破壊不可】
普通の剣とほとんど変わらない純白の剣。
聖なる光を纏えば真の姿へと生まれ変わるだろう。
……最後のはまともだったし、ヒントもくれたよ? でもさ、上の装備たちなんだよ!? 萌える萌えないじゃなくて、もっと書くことあるだろ普通! しかもデザイン担当とかメタい話してんじゃねえよ!
本当にもう……。何がしたかったんだ……
「その装備全部レア度Exなの!?」俺が呆れていると横から入ってきたアヤさんが驚いていた。
「Exってすごいのか?」
「当たり前だよ! No→Ra→Sr→Ex→Un→Arの順に凄いんだけど、マツリちゃんのは上から3番目だから持っている人は少ないと思うよ……。いいなぁ……!」
変態的なコメントが着いていますけどそれでもいいのならどうぞ、って言いたいけど譲渡不可って着いてるからな。今回は諦めよう。
それにしても鑑定って便利なものだな、これを取って正解だった。後でアヤさんにお礼をしなきゃな。
俺はそう考えながら彼女を見つめるのだった。
「え、なに? 微笑しながら見つめてくれるとかこれなんてご褒美……?」
……こういう所が無ければもっと良かったんだけどなぁ
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PN:マツリ
性別:女
称号:─
種族:大天使 Lv.3
職業:光に導く者 Lv.3
人々を正しき方向に導く心優しき天使。
【職業アビリティ】
・パーティメンバーのHPを毎秒0.5回復
・パーティメンバー死亡時、MPを100消費して
3回まで蘇生可能。
・HPが60%以上の時、即死しない
・HPが10%以下になった時、全ステータスを
+40する。
【装備】
武器:天使の剣Ex
頭:天使の輪 Ex
胴:天使の装束〈上〉Ex
脚:天使の装束〈下〉Ex
足:天使のブーツ Ex
アクセサリー: -
【ステータス】
MP:140
《汎用型》
STR:20 ★
VIT:20 ★
AGI:20 ★
DEX:20 ★
INT:20 ★
【スキル】
SP:2
〈所持スキル〉
《浄化》《慈愛の一撃》《堕天化》《鑑定》
〈未解放スキル〉
《逃亡》《敵愾心誘導》
本編で書き忘れましたが、SPは1レベル毎に1ポイント入ります。また、MPは1レベル毎に10プラスされます(1000が最大)
ステータス表示に色々付け加えたりしました。
これからも色々と増えていくかもしれないのでその辺よろしくお願い致します。
【最後に】
これからもよろしくお願い致します<(_ _)>




