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次の日の朝

今回から特訓の日々編が開始します。

なるべく長く続く章にしようかと思いましたが、特訓を垂れ流しにしても面白くないと思うのでちゃっちゃと切り上げる方針で行こうと思います。


今回は現実世界での話になっています。


※種族を大天使→大天使(アークエンジェル)に変更



前回のあらすじ


スケとマツリが一瞬仲間割れを起こした


寒っ!? なんか寒気がするんだけど!?


とりあえず布団をごぼっと被ってエアコンの温度を0.5だけ上げておこう。


……よし、マシになった気がする。



あの後、俺はスケさん達と別れてログアウトして、風呂に入ったり歯磨きしたり、綾乃さんとおやすみのメールしたりしてもうあとは眠るだけだ。


今日一日で色々なことがあったなぁ……。綾乃さんと付き合えたし、近藤さんとも会えた。


そしてゲームを買って……色々と躓いたけど楽しかった。


明日もあのゲームでスケさん達に特訓してもらう約束をしているし……これから毎日が楽しそうだ。


──そんな事を考えていると、いつの間にか眠っていた。





ジリリリリリリリ



俺はなぜか不快な気分になる目覚まし時計の音を止めるべく起きた。


なんであんなにイラッとするんだろうな。あの音が聞こえるだけでビクッとするのは悲しい性か……まあ気にしないでおこう。



俺はゆっくりとベッドから起き上がり、のそのそと歩いて階段をおりて行く。


「お兄ちゃんおはよー!!」


「おはよう美鈴(みすず)。今日も朝から元気だな」


階段を下りると妹の美鈴が声をかけてきた。

美鈴は中学二年生で、部活もあるため俺より早く起きて朝食をとっている。

ちなみに朝食を作っているのは大学生の姉で、研究バカだけどちゃんと毎日家から通っている。


ついでだから俺の家族構成を言っておこう。

父、母、姉、俺、妹の五人家族なんだが、両親は父が海外転勤になった時に母もついて行った為いない。

ただ仕送りなんかはちゃんとしてくれていて、電話もしている。決して仲が悪い訳では無いのだ。


前、俺が悲しい携帯のRINE事情を話した時、RINEを繋いでいるのは父、母、妹だけだとは言わなかったが、実は姉は未だにガラケーで、RINEを入れられないのだ。俺もスマホに変えたら? と聞いたが、これがいいのよ! と言っていたので今は言っていない。


閑話休題



「ねぇ祷くんお姉ちゃんにもおはようを言ってよ〜!」


そう言いながら調理中の目玉焼きをほっぽり出して俺の方に走って抱きつこうとしてきたのが、姉である。

たまに命の危機を感じるレベルの速さ──さながら肉食獣のよう──で来るので俺としては怖い。


今回のやつはその類だったので横に避けた。


「ぎゃぶ!」


なんとも女性らしくない声を上げながらビターンと床に倒れた姉は──起き上がらなかった。


「お(ねえ)……?」


美稀(みき)姉大丈夫、か……?」


俺が美稀姉に近づいて行くと──なぜか姉の目がギラりと光った気がした。


「隙ありっ!!」


迂闊に近づいた俺に、姉がガバッと起きて、抱き着いてきた。


「ちょっ……美稀姉、苦しい゛……」


苦しいのもあるが、当たっているから言っているのが大きい。

そう、アレが当たっているのだ。大きいアレが二つとも。


普通の男なら幸せだろうが、俺はもう彼女がいる。


容姿は良いけどシスコン、ブラコン過ぎる(こんなの)。昔からスキンシップの一環などと言って隙あらば抱きついてくる。本音を言えば少し鬱陶しい……。


「死ぬかと思った……」


「別に良いじゃん!」


姉がそう言っていると、なぜか焦げ臭くなってきた。


「あ、お姉! 目玉焼き!!」


「え? あーっ!!」


そう、目玉焼きをほっぽり出して来たのを忘れていたのだ。


「つ、作り直す時間ないし──ど、どうぞ……」


そう言って姉はちゃんと焼けているパンに焦げ焦げの目玉焼きを載せて渡してきた。


「……いただきます」


朝からこれはきついてぇ……俺、絶対にこのテンションにだけは着いて行けないわ。


「行ってきまーす!」見るも無惨な姿になった目玉焼きトーストを食べていると美鈴が家を出た。


「いってらー」


「気をつけてねー!」


俺たちがそれぞれ返事をすると、はーい! という声が聞こえてきた。うん、いい妹を持ったとつくつぐ思う。


「ねぇ祷、大事な話があるの」妹が家を出てから数分後、唐突に姉がそう言ってきた。


「ん?」


「実はね──」


数秒溜めた後、姉がこう言った。


「この前、FutureWingsがヴァリアスワールド・オンラインの抽選をしててね、それで一台当たったの!」


「へー当たったんだ。良か──ん?当たった……?」


「うん!昨日祷が買ってきたのは知ってるから美鈴のを買っておいたから明後日には届くと思うし、明後日から私達も始めるんだ!」


えーっと、つまり、俺達の素晴らしいゲームライフにこの姉とあの妹が入ってくる、と。


で、俺はそのゲームでは女アバター……うん、詰んだわ。隠してたアレが見つかった時レベルで詰んだわ。


「分かった、ご馳走様でした」


「うん、お粗末さまでした!」


朝からとんでもない事を聞かされた俺は、学校に行ってからも元気が出ず、気がついたらもう下校時間になっていた。




そして下校後──俺はまたヴァリアスワールド・オンラインを起動するのだった。

前回の掲示板と今回のリアルのような話はちょくちょく挟んでいこうと思っています。



皆さんのおかげで総合300ptを突破致しました。

これからも頑張りますので、よろしくお願い致します<(_ _)>

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