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初戦闘、逝ってくる!!

《前回のあらすじ》

アヤとスケの性癖の片鱗を見た。

「俺、一人、戦う?」


あ、ごめんなさい理解が追いつかなくて先住民の喋り方になってしまいました。


「はい。マツリさん、一人、戦う……!!」


おっしゃっている意味が分からないのですが……?

ああ。多分これは場を和まそうとしてくれてるんだな。さすがスケさん。


細かい気配りまでできて素晴ら──「一人で戦う!!さあ!早く!!」


「……」


「ちょっ──どうしたんだいいきなり無言で近づいてき──『パシン!』痛ったぁぁぁぁ!?」


あっ気がついたらスケさんを叩いてた……

確かこういう時は……


「ごめーん! 手が勝手に! あーなんて悪い手なんだ手はー!!」


「やめて……痛いのは収まったんだけどそんな顔しながらその言い方で謝られたら別の何かに目覚めちゃいそう……」


えっ……?俺は一体どんな顔しているんだ……?


「……うん。鏡ないから分かんないよね。ほら今マツリちゃんこんな顔しながら棒読みで謝ってたの」


そう言ってアヤさんが俺にインベントリに何故か入っていたであろう手鏡を向けてきた。


「うげ……」


自分でもたじろぐような顔をして、こちらを見つめ返してくる。なんというか……好きな人は好きそう。そんな感じで将来は手錠とロウソクでも持ってそうな顔だった。


それにしてもこの顔でああ言われてどうしてスケさんはハアハア言って興奮しているんだ……?


……そこに触れるのはやめておこう。俺は何も見なかった。いいね?


か、閑話休題ッ!!


「さあ今度こそ行ってくるんだマツリさん!」


「……。分かったよ……っていうかスケさんあんた絶対最初から自分は戦う気無かったでしょ。だってあんなに焼き鳥さんのおかげで〜とか言っておきながら肝心の本人居ないんだし」


「うん。そうだけど? こっちに攻撃が飛んできてもダメージがないように今日は守備スタイルで行くつもりで来てたから──『パシン!』って痛ったぁ!?」


あらら、また手が滑っちゃった。


「知ってます? スケさん。俺が逝く時は貴方も一緒に逝くんですよ? それが、パーティ(逃げたら)じゃないですか!(分かってるよなぁ?)


「あれ? おかしいな副音声が聞こえるんだけど……」


気の所為じゃねぇよ? ちゃんと逃げんなよ……?


「ま、まあそれは良いとして、どうするの? マツリちゃんが一人で逝くの?」


「……一応だけど、俺が逝って、死んで、別のところで特訓してからここにまた来る。それでいいと思わないか?」


「えーそれだと回り道で面白くないですよー」


あんた本当にGMん時とえらい違いだな! 普段は鉄仮面でもつけてんのか!


あ、でも快感を得るレベルまでSを極めてしまう会社ってどんなブラックなんだ……?


ちょっと可哀想にも思えてきた。


「早くっ……! 早く行ってきてくれ……! 行かないなら君の事をうちのギルドの変態に言ってやる……!」


なんだその変態って! でも変態が言うほどの変態は真の変態だって昔の偉い人が言ってたからもういいよ! 従うよ!


「じゃあ逝ってくる」


「ああ……! 行ってきてくれたまえ。そして散れ」


「マツリちゃん……気をつけてね。服を焼かれたり裂かれたりしてくっ殺的な格好にならないでね。心からそう思っているからね。本当だよ!」


おい二人とも。サムズアップしながら言うことじゃないぞ。


まあいい。とりあえず逝ってくる!!


……


…………


………………


俺が闘技場的なところに足を踏み入れると、演出のようなものが始まって、視線が強制的に誘導される。


『──小さき者よ。ここに来る貴様の覚悟を認め、貴様の眼前に轟雷八柱が一柱、火雷神の荒れ狂う炎のような(いかづち)を轟かせてやろう!』


Enemy:轟雷八柱・火雷神 Lv.???



……はいストップでーす! 初戦闘でいきなりLv???の敵と戦うんですがー! しかもさっきLv3のグレーウルフと戦って勝ってめちゃくちゃ喜んでたようなやつが、ですよ! 無理ゲーにも程があるわちくしょうめ!


まあ一応、やるだけやってみるけどなぁ……


俺の目の前に、巨大な鬼のような魔物が立っている。そいつが、紛れもなく火雷神だ。


しかし想像していたのとは全く違い──拳に闘気のようなものを纏わせて俺に打ち込んできた。


『受けてみせィ……! 烈火掌底(れっかしょうてい)火雷(ひがみなり)ィ!!』


火雷神がそう言った瞬間、俺に掌底が食らわせられる。そしてその掌底の当たった所に雷がバチバチッ! と弾け、すぐさま辺り一面を覆う灼熱の炎に変わる。


「っぶねぇ……!」


光に導く者の職業アビリティが無かったら即死だった……そりゃそうか。だってLv.1だもの。


……それにしても普通に威力が高すぎるし、あの図体で動きも素早い。


『刮目せィ! 迅雷・昇り龍ゥ──ッ!!』


火雷神がそう言って手をパチン! と叩き合わせた途端、俺の周りを雷の龍がとてつもないスピードで通り過ぎて行く。そして龍が通ったあとに、避けた努力を嘲笑うかのように炎の渦が駆け巡る。



そして俺は、その炎に焼かれた。


「ガハッ……!」



──強すぎる



奴に一瞬たりとも触れることが出来なかった俺がそう実感した瞬間、HPが0になり、俺は意識を手放すことになった。


────────────────────────


PN:マツリ


性別:女


称号:─


種族:大天使(アークエンジェル) Lv.1


職業:光に導く者 Lv.1


  人々を正しき方向に導く心優しき天使。


【職業アビリティ】


 ・パーティメンバーのHPを毎秒0.5回復

 ・パーティメンバー死亡時、MPを100消費して

  3回まで蘇生可能。

 ・HPが60%以上の時、即死しない

 ・HPが10%以下になった時、全ステータスを

  +40する。


【装備】


武器:天使の剣(エンジェル・ソード)


頭:天使の輪 


胴:天使の装束〈上〉


脚:天使の装束〈下〉


足:天使のブーツ 


【ステータス】

MP:120


《汎用型》

STR:20 ★

VIT:20 ★

AGI:20 ★

DEX:20 ★

INT:20 ★


【スキル】

SP(スキルポイント):0


《浄化》《慈愛の一撃》《堕天化》

ひとつ言います。スケは何とか踏みとどまりました。


火雷神の言葉を考えるのに時間がかかりました……

でも時間がかかった分、結構気に入ってます。


今回もありがとうございました!

これからもよろしくお願い致します!

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― 新着の感想 ―
[良い点] 轟雷八柱・火雷神のネーミングが良いなと思いました。 「なんか強そう」という感じが一発で伝わってきます。
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