二つ名と疑惑
【大切なお知らせ】
ステータスについての仕様を大幅に変更しました。
それにより、アビリティの効果を変更、削除しました。詳しくは、初期設定!!その2をご覧下さい──っていうのが普通ですけど読む側としては面倒だと思うのでここに乗せます。
STRなど主要ステータスをアクセサリーなどで強化不可。
そして20PPにつき★という表示を追加。
その影響で、○○%上昇系の職業アビリティを削除、または+40と言ったように具体的な表示に変更。
大まかなところとしてはこんな所です。
やっぱり詳しいところは初期設定!!その2の後書き(ry
前回のあらすじ
アヤさんとスケさんと再会しましたァァァァァァァ!!!!(テンション高↑↑)
※8/17:轟雷の八柱・火雷神→轟雷八柱・火雷神に変更。
「……えっ!? スケさんって貴方が!?」
合流したスケさんが挨拶をすると、アヤさんがすごく動揺し始めた。
「ねぇアヤさん、どうしたの?」
「あ……そっかマツリちゃんは始めたばっかだったね。この人、トッププレイヤーの一人で、《静動》の2つ名が付けられているスケさんだよ。すごいね、どこで知り合ったの……?」
「そういうあなたも、《影殺》のアヤさんじゃないか。彼女はソロで有名なのにそれこそどこで知り合ったんだい、マツリさん?」
ちょっと待て──俺の知り合いがトッププレイヤーしかいないんだが……?
えっと、つまり、周りから見たらトッププレイヤー二人(しかも一人はGM)と馴れ馴れしく喋っている誰かって事だよな……やばい。視線が痛い……
「えっと、アヤさんはリアルで友達で、スケさんは、ゲースデンキに行った時に知り合った」
「なるほど、じゃあスケさんもマツリちゃんとリアルで会った、って事か──お互い、リアルでは会ったことは無いけど、マツリちゃん繋がり、って事でよろしくね。スケさん」
「いやいや! こちらこそよろしく。アヤさん」
二人はそう言うと握手を交わした。
まあ仲良くなれたっぽいし良かったな。二人ともトッププレイヤーで、しかも二つ名付き、って言うんだから共通点もあるし、当然といえば当然か。
でも二つ名の意味ってなんなんだろうな。
「ねぇアヤさん、スケさんの《静動》ってどういう意味なんだ?」
「それはね、守りになれば山のように硬く、攻撃に入れば風のように素早く敵を仕留める、っていう所から来ているらしいよ」
「それなら《山風》で良くないか……?」
「僕もそれは思ったんだけどねー、もうこの二つ名で浸透しちゃってたんだ」
スケさんはそう言ってははっ、と笑った。
というよりこの人GMだろ……?
トッププレイヤーになって大丈夫なのか……!? なにかGMだからって不正をしているかもしれないし……
まあその辺はまた聞いてみるか。
スケさんのことを考えるのをやめた俺はアヤさんのも気になっていたので、聞いてみた。
「じゃあアヤさんの《影殺》は?」
「本人からは言いづらいと思うから僕が言うね。
影に潜んで一撃で敵を刈りとる。その動きは、紛うことなき暗殺者の如し、って掲示板で言われてて、それが広まった、って感じじゃなかったかな?」
そう言うとスケさんは悪戯っぽく笑った。それを見たアヤさんは何やらプルプルと震え出した。
「わ、笑わないで下さい!! 私だってあんなこと書かれているって知ったのは最近なんですからね!!」
アヤさんがそう言うと、何かを思い出したようでスケさんがそうだ、と言って俺に小声で話しかけてきた。
「マツリさん、こういう事もあるから、掲示板はチェックしておいた方が良いよ。その装備はユニークと言うのもあって何を書かれているか分からないし、ましてや僕達二人と一緒にいる所を現在進行形で色々な人に見られているしね」
その顔が真面目そのものだったので、俺はこくり、と頷いた。
確かに気になるし、後で見てみるとするか。
それもだけど二つ名ってカッコイイなぁ……
俺も欲しい! いつか呼ばれてみたい……!!
──俺が頷いたのを見たスケさんは、態度を崩して
「ではそろそろ、マツリさんの初陣でも」と言った。
それに俺が「どこに行くんですか?」と聞いたら、スケさんはうーん、と少し唸ってからこう言った。
「じゃあ、轟雷八柱・火雷神 とかはどうかな?」
……絶対初心者向けじゃねぇだろそこ。
俺は耐えかねて突っ込んでしまった。
「ちょっと! 絶対そこ初心者、しかもPS皆無の俺が行くところじゃないですよね!? 貴方知ってますよね!? ねぇ聞いてます? 耳塞がないでくれません? おかしいでしょどう考えても! あなた達トッププレイヤーの思想で語られても無理なんですよ!」
俺が突っ込むのを最後まで聞き届けると、スケさんが清々しいほどの笑顔でサムズアップしながらこういった。
「大丈夫、やればできるさ!」
俺は初めて心からぶん殴ってやろうかと思った。
俺とスケさんはその後、ちょっとした喧嘩に発展しかけたが、何とかことは収まった。しかし俺は、気を取られすぎて全く気が付かなかった。
──アヤさんが一言も話さずにスケさんの事を見つめている事に。
side:アヤ
私は祷くんが少女の姿になっているのにすこし戸惑ったが、結局美少女だったので良しとする。
そ、それより、祷くん──もといマツリちゃんがスケさんと知り合っていたのは驚いた。
でも、少し引っ掛かりを覚えた。なぜなら、スケさんはこのゲームでは初めてマツリちゃんと会ったのに、一度どこかで会ったかのような口調で話していたのだ。
……やっぱりマツリちゃんって言うのは少し違和感を感じる……。いっそのこと祷ちゃんでも──何でもない。普通に祷くんと呼ぼう。
一言も聞きもしないのに、装備の事をユニークだって言ったり、祷くんが怒りながら貴方知ってますよねって口を滑らせたのも聞いた。
一体どういう人なのか、それが分からない以上信用はできない。だから私は、直接聞くことにした。
ちょうど、祷くんがトイレに行くために落ちたので、聞いてみる事にする。
しかし私が話しかける前に、先手を打たれてしまった。
「あの──「アヤさん、僕のこと疑ってるよね? 大丈夫。今は、ただのプレイヤー、スケだよ」
「でも──「それに、マツリさんは僕の正体を知っているよ?その上で接してくれているんだ」
本当に──?
そんな言葉を出すのをぐっと堪え、私は少しさっきの祷くんとスケさんのやり取りを思い出す。
確かに、怪しい人だったらあんなに軽く祷くんが接することは無いと思う。むしろ彼が来る前に知らせてくれるはず。
じゃあ何か言えないことが……?
いや。今はそんな事は関係ない。
ただこれ以上の詮索も良くない気がするし、ここでこの話は終わりにしよう。
「分かりました。スケさん、あなたを信用します」
私が目を見てそう言うと、スケさんはフッと笑って、
「こちらこそ、信用しているよ。あと、そんなに堅くしなくても良いよ。楽にして」
と言ってくれた。優しい人だったのだ、本当に。
……祷くんの初陣に轟雷八柱・火雷神を選んだのは優しくないと思うけど。
だってあいつは──まだ誰も倒したことが無いのだから。
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PN:マツリ
性別:女
称号:─
種族:大天使 Lv.1
職業:光に導く者 Lv.1
人々を正しき方向に導く心優しき天使。
【職業アビリティ】
・パーティメンバーのHPを毎秒0.5回復
・パーティメンバー死亡時、MPを100消費して
3回まで蘇生可能。
・HPが60%以上の時、即死しない
・HPが10%以下になった時、全ステータスを
+40する。
【装備】
武器:天使の剣
頭:天使の輪
胴:天使の装束〈上〉
脚:天使の装束〈下〉
足:天使のブーツ
【ステータス】
MP:120
《汎用型》
STR:20 ★
VIT:20 ★
AGI:20 ★
DEX:20 ★
INT:20 ★
【スキル】
SP:0
《浄化》《慈愛の一撃》《堕天化》
本当は初戦闘まで持っていきたかったのですが、
5000字くらい行きそうだったのでやめておきました。
そうです。このゲームは様々な神話が入り乱れています。
和洋折衷お徳用セットですね(違う)
最後に感謝の言葉を書くのが定型文みたいになってしまっていたのでやめておこうかな、と思いました。
こんな所に定型的な感謝の文字を綴るくらいならもっと物語を進めた方が恩返しになるかな、と思いまして。
でも毎回これだけは書かせていただきます。
これからもよろしくお願い致します。




