勇気を出したモブ
やあ! 俺の名前は本橋祷!
え? なんでこんな名前なのかって?
俺の親に聞いてくれ! 俺だって嫌なんだよ!
ん? 彼女!? いるわけねえだろ!
しかも俺のあだ名は「モブ」なんだぜ!? 笑えてくるよな! はっはっはっ!!
はぁ……あれ……? なぜか目から汗が……
閑話休題
まあ説明しなくてもいいと思うが──というかしたくないが、俺はクラスの中でモブの立ち位置にいる。
しかも顔も特別良い訳でもないし、かといって悪すぎる訳でも無い。だから、ついたあだ名がモブ。
クソっ……。このあだ名をつけた田中を一生恨んでやる……というか現在進行形で呪詛送ってる。
でもあいつ最近来ないんだよなぁ……病気でもこじらせたのか?
とりあえず俺の説明は終わりにして、突然だが俺は今日、中條綾乃さんに告白するつもりだ。
中條さんは優しくてノリも良いので男女問わずクラスの人気者だ。話の輪の中にはいつも彼女が居ることが多い。
そしてもちろん隠れて彼女を狙っている輩も多い。
俺か? 俺はそういう奴らとはとは違うんだよ。
そんな無駄なことする暇があればさっさと家に帰って部屋でも綺麗にしてろってんだ。
どうせお前ら、部屋に薄い本でも隠してんだろ……? 言われなくてもわかるぜ。
あ、掃除機を掛けるところまでちゃんとやれよー。掃除機を掛けに来た親が……ってのはテンプレ展開だからな。うん。
……良いよ! 白状しますよ! 俺も狙ってますよ! だから言うんですよ!!
閑話休題
とりあえず俺は彼女を屋上に連れていくために声をかけることにした。
「ちゅ、中條さん。ちょっと話があるんだけど、屋上まで来てもらってもいいかな? 」
「あっ、本橋くん。いいけど、どうしたの?」
ああっ!! 可愛いっ!! やめてー!!
首をコテンってかしげないでー!!
「……? 本橋くん?」
はっ!? つい見つめてしまった!早く連れていかなければ周り(主に野郎共)からの視線が……誰にも俺の邪魔はさせねぇ……!!
「な、なんでもないよ!! ごめんね!行こう!」
「う、うん……?」
シャーッと野郎共を威嚇しながらそそくさと連れ立って教室を出る。
とりあえず中條さんを連れ出すことを成功した。
そして屋上まで来た訳だが……
「本橋くん、話って……なに?」
「え、えーっと……」
やばい、いざとなると緊張する……!
しっかりしろよ俺! こんなモブがOK貰えるわけないだろ! 顔は普通、成績もちょっと良いくらい、ほぼボッチ……やべ泣きそうになってきた、もうやめよう。
ダメで元々、言ってやるぞ!
「す、好きです! 俺と付き合って下さい!!」
よし、言い切った……言えただけすごいぞ俺! この経験を活かして他の人に言う時に──
「いいよ?」
「そりゃそうだよねえぇぇぇぇっっっっ!? い、いいの……? 本当に……?」
「うん。私も本橋くんかわい……ん゛ん゛っ、かっこいいなーって思ってたもん!」
嘘、だろ……俺が、かっこいい……?
なんか咳払いの後に言い直された気がするがこんな美少女から言って貰える日が来るとは……!!
俺が多分間抜けな顔で喜んでいると中條さんが話しかけてきた。
「あっ! 折角だからさ! 二人でVRゲームしてみない?私ゲーム大っ──好きなんだ!!」
中條さんがフンスフンスと興奮しながら言ってくる。
俺もゲームは嫌いじゃないし、断る理由はない!!
「いいよ俺もゲーム好きだし! ところでなんていうゲーム?」
「えーっと……ヴァリアスワールド・オンラインって言うRPGゲームなんだけど」
RPGか、そう言えば最近格ゲーばっかだったからたまには良いかもな。まだ機械自体も持ってないし買わなきゃだけどそれくらい端金だ!!
「分かった。俺、今日帰ったら買うね!」
俺がそう言うと中條さんはまた笑顔になった。
「ありがとう! チュートリアル終わったらレベリング手伝うね!」
ということで俺は中條さんとヴァリアスワールド・オンラインというRPGゲームをプレイすることになった。
いろいろリアルのことが終わったので今日から久しぶりにVRMMOものを立ち上げました。
完全にノリで書いているので変なところがあればご指摘下さい