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ダイブ先は異世界で  作者: ヒト
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始まり

 VRバーチャルリアリティ技術が生まれてから長い時間がすぎた、発展た技術は人々の生活を変えた、生活の空間は仮想世界に置き換わり遊びも買い物も仕事も全て仮想世界で行われる様になった。


 自宅から端末を使い仮想世界にアクセスすることで職場に行く手間は省け、事故に巻き込まれる心配は無くなり、経済的にも書類や設備、土地などの維持費はかからずかかるのはサーバーの維持費のみで安く済むので多くの企業が採用している、もはや物理的に必要な日用品、食品以外は全て電子化していた、中には学校ですら仮想世界に作ってしまった所もある様で、どんな地域からも登校できる他、生徒同士の喧嘩などでも怪我をしないなどの理由で結構人気があった。


 ゲーム会社もVRに注目し機体を販売し、そこそこ高い機体なので子供達では手が届かないが誕生日のお祝いなどで買ってもらうなどして多くの人々が手にしていた、それに比例して多くのゲームも発売され子供から大人まで幅広く浸透して行った。


 掛橋千晃も類にたがわず子供の頃に親にねだり機体を買って貰った一般的な青年、普通科の高校を卒業し大学に通い始めた。


 学業とバイトと忙しいがそれでも楽しく充実した日々を送っていた。


 そんな千晃が『ワンダー・ワールド』を見つけたのは中学の時だった深夜に流れていたCMに興味を持ち始めたのがきっかけ、始めたの頃は高い自由度に戸惑ったものの直ぐに慣れハマってしまった、今では空き時間を見つけ次第ログインしては遊んでいた。


 まず驚かされたのはキャラの種族の多さだ、人から始まりオーソドックスな獣人やエルフ、ドワーフと言った種族に加え魔人や鬼人などの亜人まであった、そして各種族でステータスに変化が有り適正職業があったりと組み合わせも多く存在した、また途中で種族を変える事が出来たので様々な組み合わせを試しながらプレイする事が出来たのだ。


 次にスキルの数、基本的なスキルと職業によるスキルに種族ならではのスキルも有り他にも装備品やアイテムにもスキルがあったりと初めの頃から存在しているにもかからず、使用する事で成長、発展し更に増えて行くとこで無限とも言える数に増えていた。


 そして度重なるアップデートで次々と増えて行くマップにアイテム、スキル、職業など、全てを網羅使用と思ったらキリが無い程があり、プレイヤーの好きな様にプレイできるその自由度は多くのプレイヤーを魅力し、熱狂させた、一応メインとなるストーリーがあるようだが最早チュートリアルの様なもの、ストーリーを進めなくてもマップの好きな所に行き好きな事ができるので初期アイテムの腕輪型の端末と装備、回復薬を貰いワープゲートを使える様に通行証を発行して貰えた所でストーリーを進めていない、なんてプレイヤーも多く居る位だ。


 しかもある程度お金を払えば土地が買え、そこで暮らしたり店を開く事もできるため商人や鍛冶屋、農業を始めたプレイヤーも少なく無い、生産系のスキルを極める事で伝説級の武器やアイテムにも劣らない物を作る事ができるため冒険よりもこちらをメインとし楽しんでいる様だ。


 他にもギルドまで作れるので個人的な集まりのギルドや大きな攻略組ギルド、商人や鍛冶屋などの専門ギルドなども増え皆が思い思いにプレイしていた。


 千晃も同じでマイペースで進め、その中で多くのプレイヤーと遊び、ギルドを作るなど様々な事を試して思い思いにプレイするプレイヤーの1人になっていた。



 その日も千晃はバイトを終え帰宅し直ぐにログインして遊んでいた。


「ふむ……ここはこのパーツを入れて、ここにはこっちを、それでこっちはこれを入れれば……違うな、ならこっちは?」


 カチッ


「やっぱりこっちだったか、さすが俺」

(あてずっぽうでやったけど以外にやれるんだな)


 ギルドのメンバーがまだログインしていなかったため何となく1人で遊んでいた所またまたダンジョンを見つけ、「まだ知らないダンジョンだ!」と興奮し好奇心と冒険心をくすぐられた結果単身突入、時間を忘れあちらこちら探索しているうちに最奥部まで来てしまった、ダンジョン自体そこまで難易度が高い訳でもなく、やり込みの成果でかなり高レベルになっていたのでそこまで苦戦せずに辿り着いた所までは良かったのだが最後の扉の前で事件が起きた。


 この扉はパズルを解かねばならず、ダンジョンの各地に落ちているピースを集めて近くの台座にはめる事で扉が開く様になっていた為、慌ててダンジョンを1から再探索しピースを集め、苦手なパズルを解こうと思えばダミーのピースまでありパズルは難航し、ついに最終手段である『片っ端から全部試す』を決行、長きに渡る戦いの果てついに解く事が出来たのだ。


 そしてゴゴゴゴゴと音を立てて扉が開く、中から眩しい光が漏れ出すとドキドキしながら覗いた。


「なんだここ、外か?」


 扉の先に見えたのはボスの姿ではなく草原、空は青く晴れ、草木が風に吹かれてカサカサと音を立てている、耳をすませば鳥のさえずりも聞こえて来そうだ、まるで平和そのもの、サンドイッチでも食べながらのんびりと過ごせそうな光景が広がっていた。


 さっきまで攻略していた地下遺跡を模したダンジョンとは違う、何かの間違えで外に出てしまった、もしくはワープさせらてたとしか思えないがそれでも何かの演出あと思い中へと足を運ぶ。


「まるで正反対だな、場違い過ぎるぞ、どんなダンジョンだよ」


 今までのパターンだと扉を開けると広い空間がありそこにボスが居る、もしくは部屋に入ると出現するので部屋……と言うより外の空間に近いのだが……


 と言うか入ったのだが何か出てくる気配がしない、風が吹いてて気持ち良いなとしか思えない。


 そもそもボス部屋と言ってもここまで内部の様子がガラリと代わる事など今まで無かったのだ、確かに別空間に繋がっているなんて事はいくらでもあったが真逆までは無かった、そもそもあまりダンジョンのレベルが高い訳でもクエストで潜っている訳でもないのにここまで凝った演出なのはおかしい、また運営の人がふざけて作ったのか。


「だけどボス部屋なのにボスが居ないとかは無いよな……まだボス登場の条件を満たしていないとか、なんか見落としたのか?」


 バタンッ!


 ボス部屋の事を考えていたら扉が閉まる音がした、と言うか閉まった、とりあえず開いているか振り返って確認するとそもそも扉がなった、後にも草原が広がり遠くに山が見えるのどかな風景が広がっていた、戻って見るも元々扉なんて無かったと言わんばかりに姿形がない、扉は完全に消滅していた。


「まじかよ、『撤退不可能なタイプ』かよ」


 扉が閉まるとか消えるのは良くある仕掛けで、ボスを倒すまで開かず逃げる事が出来ない様になっていて、撤退ができないため他のダンジョンよりも難易度が高くなっていると言う中級から見られ始めた使用だ。


「となると転移結晶使えないよな……他のアイテムには制限は無さそう……」


 転移結晶は文字通り結晶型のアイテムでこれを砕く事で自分が使った最後のワープゲートまで瞬時に移動できるアイテムだ、いざと言う時の撤退手段に多くのプレイヤーが持っている定番アイテムで、転移結晶と回復薬、マジックポーションをまとめて冒険の三種の神器と呼ぶプレイヤーも少なくない。


 だが転移結晶はこう言った撤退不可能なボス部屋を初めとした転移無効エリアと言う所が有り、そこでは使えないなど制限があったりする、まあ、ボス部屋では一部のアイテムを使えない制限エリアもよく見られるので予め確認しておくなどの情報を集める、なんて事もダンジョン攻略の基本だったりするが、なんせ初見攻略なので全く情報は集めていなかっったのだ。


「とりあえず進んで見るか……ボスいるよね、そもそもここ部屋だよね、この景色は壁に描かれたリアルな絵だよね、正直ゲームだからなんでも出来ちゃうし区別がつかないのが怖いよね……」


 なんて独り言を言いながら少し歩くと人影が見えて来た、第1村人発見である。

 近ずいて見るとどうやら五人組のパーティーのようでそれぞれ武器と防具を持っている、ざっと見たところ前衛2人に回復役と魔法職、斥候が一人ずつでバランスの良いパーティーに見える、仲が良い様で楽しそうに会話をしながらこちらに向かって来ている、ならやることは決まった。


「おーい、すみませーん」


 と、手を振りながら駆け寄って行く、中にはやらない人も多いようだが一応声をかけた方が良いだろうと思い大声で呼びかけた。


「ん?」

「お?」

「どうしたんだい?」


 と思い思いの反応している、だが肝心の物はない、つまり敵!


「『ソニックバースト』」


 突進系の片手剣スキルを使い距離を詰めると同時に攻撃、先手必勝とはまさにこの事!


 ガキンッ!


 防がれたか、リーダーと思われる前衛に一撃入れたかったが仕方ない、1度距離を離す、さぁ定番のあれが来るぞ


「ちょっと待って!どうしたの!?」

「そうよ、いきなりなに!?」

「おいおい物騒だな」

「1度落ち着いて」


 ん?おかしい、こう言った変装しているモンスターは1度攻撃すると「よく見破ったな」とか「なぜ分かった!?」など言って変装を解くってのがお決まりなのだが…….違った?でもプレイヤーなら絶対に持ってる腕輪をしてないし初心者でもない。


「……端末はどうした?」

「端末?なんだいそれは?」


 完全に知らない人の顔だ、全員キョトンとしてるし。


「これの事だよ、なんで持ってないの?」

「知らない物だね、どこで見つけたのかな?」


 装備だと思ってるよ、NPCでも知ってる端末だよ!


「あの……一応聞きますけど盗賊ですよね?」

「あはは、違うよ、僕は冒険者、『銀の風見鶏』のリーダーアルトだよ、見ての通り戦士だよ」

「私はエレン、魔法使いよ」

「俺はゲン、リーダーと同じ戦士だ」

「私はカノン、僧侶をしています」

「ジン、密偵だ」

「君こそこんな所でどうしたんだい?」


 完全に思い違いだ、まかさNPCのパーティーだったとは、NPCのパーティーって基本的その場に留まって動かないんじゃ無かったっけ?


 そもそもNPCの冒険者パーティーはモンスターと一緒に発生してプレイヤーがパーティーと共にそのモンスターを討伐するとお礼としてアイテムをくれるだけだったけどアップデートされて動くようになった?


 そんな事知らないぞ、そもそもここ最近はアップデートされた記憶は無いし、公式サイトの方にもアップデートの予定は出てなかった。


 こっそりアップデートしたと言ってもNPCのAIのレベルも上がってかなり自然な対応をしている、まるで本物の人と話している様だ、ここまでの変化をアナウンスしないなんて普通じゃありえない。


「えっとどうしたのかな?」

「ここってどこですか?」

「ああ、エドラ王国の近くだけど……」


 エドラ王国なんて知らない場所だ、慌てて端末を操作してマップを見ても空白になってしまっている、オートマッピング機能のある『ワンダー・ワールド』では1度行けば勝手にマッピングされるのだが、自分の周りだけが申し訳ない程度に描かれているだけだ、最大まで縮小してもどこにも他の地図が描かれていない。


 ふと嫌な考えが頭をよぎる、いやいやないないありえないと否定しつつもログアウトボタンを探すが無い、もはや完全に例のあれである。


もしもバグならと思い剣を自分の左手に突き刺すとかなりの激痛が走る、正直くそ痛い、銀の風見鶏のパーティーが慌てて回復魔法を唱えて傷を治してくれて

「どうしたの」と「大丈夫?」とか心配してくれているが大丈夫じゃない、VRゲームでは感覚の再現されるが擦り傷程度の感覚しか諸々の規則で再現しないのだ、しかも血まで再現されている、ゲーム内では赤色のポリゴンだったのに……


「完全にあれだ、これは異世界転生だぁぁ」


そう、これは漫画や小説で良くある異世界転生、俺は異世界転生をしてしまったのである。

見切り発車で書き始めたお話です、果たして終点まで辿り着くことはできるでしょうか、既にグダグダな状態ですが生暖かい目でご覧ください。

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