小人の家では青い光は強すぎる
青い月を目の前にして
真っ白な画用紙を眺めると
無数の色を成していた
筆は必要なかった
強い青い光は
僕の中にある小人の空間を照らした
無数にある街路灯は
時間軸を刻む目盛りのように
一定の距離を保ちながら
揺るぎない地位を築いていた
新鮮だった
音のない狭い空間が全てだと思っていたのに
気づけば音は回復し
顔を洗う動作は念入りになり
小人の空間は
もはや小人の空間とはいえなくなった
これが、知る、という
効能なのかもしれない
もはや青い光は
僕には強すぎる
君の手を握ると
僕の空間に薄いカーテンがかかり光が弱まり
もう少し君を突き破るのも悪くはない