まとめ編 038
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うちの家は他の家と比べて、ちょっと常識がおかしい…
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お泊り旅行の話を知ってから私は兄の様子を伺っていた。
兄は男友達と旅行だと家族には告げている。
でも旅行チケットと一緒にコンドームを隠しているのを見つけて確信している。
今回は本気だ。
私はどうしたいのか私もまだわからない。
ただ同じ日の同じチケットを握りしめていた。
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彼女
「温泉楽しみですね」
兄
「一緒に入る?」
彼女
「もう…家族風呂の予約取れたらね」
妹
「…わざわざ変装までして、兄貴と彼女さんが楽しそうにしてるのを見てるんだろう」
友
「あなたがドMだからよ」
妹
「…なんで隣にいるの?」
友
「たまたま同じ日に旅行が重なっただけよ」
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友
「あなたって学生時代から変わらないわね」
友
「自分が決めた事は曲げない曲げれない、生徒会長の時もそうだった」
妹
「…それは今は関係ない」
友
「そうね、でもせっかくの旅行だし自身も息抜きしたら?」
妹
「息抜き…」
友
「一緒に観光地歩く?」
妹
「…手は繋がないからね」
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友
「あなた担任のこと好きだったでしょ?」
妹
「!?」
友
「相手は既婚者なのにいつも届かないところに惚れるわね」
妹
「…私の勝手でしょ?」
友
「これでも心配してるの」
妹
「…」
友
「ちなみに百合の世界なら今すぐ手に入るけど?」
妹
「…」
友
「無言で電話するのはダメよ」
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妹
「私に付きまとうの辞めてもらえる?」
友
「兄に付きまとうの辞めれる?」
妹
「私のことはほっといて」
友
「私のこともほっといて」
妹
「単なる友達でいいじゃない」
友
「単なる兄妹でいいじゃない」
妹
「兄貴のこと諦めようかな」
友
「私は絶対諦めない」
妹
「…」
友
「…」
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友
「あなたが私を否定する限り自分自身を否定するのと同じよ」
妹
「…」
友
「一度受け入れてみるのも一つの選択よ」
さわ
警察
「逃亡犯がいたぞ!」
友
「っち!急用を思い出したから私は行くけど、私は絶対諦めないから」
警察
「待て!」
妹
「…こっそり110番しといて良かった」
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ホテルの部屋
妹
「勢いで隣の部屋を取ったけど別に何も見えないし聞こえないもんね」
妹
「部屋にいても何もないし大浴場でサッパリしようかな」
ガチャ
妹
「あっ」
彼女
「あっ」
妹
「お風呂ですか?」
彼女
「お風呂ですね」
妹
「一緒に行きますか?」
彼女
「…いいですよ」
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妹
「小さい時は兄貴と一緒にお風呂入ってたなぁ…」
彼女
「仲、いいですよね」
妹
「うん…部屋が一緒だからゲームしたりアニメ見たり、それで妹離れできないのかな?」
妹
「この前も着替え見られて、でも兄貴ならいいかなって…あっ、彼女さんにいうことじゃなかったね」
彼女
「…」
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彼女
「仲、本当にいいですね」
彼女
「彼から妹さんの話もよく聞きます…本当に大事にされてるんだなって」
彼女
「"家族"として大事にされてるんだなって」
妹
「…」
彼女
「でもね、そんなお兄さんに私…この後抱いて貰うの」
妹
「!?」
彼女
「私は彼女として大事にしてもらうね」
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つづく
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