八.雨宮悠の物語〜それぞれの夢の芽生え〜
更新です。
これで悠の学生時代はとりあえずということで、完結です。
今後の展開は、本編に沿ったサイドストーリーになるかと思います。
「お前、ほんと好きだな」
「良いじゃんかよ。空に一番近い場所だぞ、ここ」
「天国に近いわけでもないんだし、ゲーセンいこうぜ」
私は、聞くつもりはまるで無かった。けれど、どうしても演奏をやめると聞こえてくる声に、打ち消す声を持ち合わせていなかった。
もう、何回目だろう。ここに奥田君が友達と放課後にやってくるのは。そんな内心の呆れは、茶飯事になってしまっている。
「つーかよ、雨宮さんって、いつもここで練習してんのかな?」
私の練習場所にいつもやってくるあなたたちは、よほど暇なのね。―――そんなことを言えるほど私は、この二人を知らないし、そんな仲でもない。
「じゃねぇの? この辺りはそうらしいしな」
下の階の渡り廊下からも演奏が聞こえる。後輩が談笑しながら練習している。私は一人。おしゃべりは嫌いじゃないけど、練習くらいは静かに、誰にも見られずにやりたい―――奥田君たちがいなければ、もっと気分良く出来るのに。
人に努力をしているところを見られるのは嫌。だから、そろそろ私の心はイラつきを覚えていた。
「ま、いいや。俺もそろそろ部活行かねぇと」
「もうすぐで終わりだろ? しっかりやれよ」
「心配ねぇよ。俺に勝とうなんざ百億年早ぇって教えてやる。でもって、卒業式には、ボタンなくなってやっからな」
「お前は無理に賭ける」
「言ったな? 覚えとけよ。俺、人気あんだぞ」
「分かったから、早く行けって」
そうして奥田君の友達がいなくなる。下らない話に笑えるのは、意味が分からない。ただ、一人減ったことで、静かで透明な夏風が一息つかせてくれる。今日も一段と空が青いわ。そんなことに気づける余裕が心地よくなる。
「今日はまた一段と空が青いなぁ」
近くから聞こえたその声に、ドキッとした。
「そう思わねぇ? 雨宮」
大して親しくも無いのに呼び捨て。慣れたけれど、いちいちこっちに話を振らないで欲しかった。
「……そうかもね。夏だし」
「カキ氷食いたいな」
人の話を聞かない、マイペース。私の調子が狂う。
「雨宮も夏の大会が最後なんだろ?」
また話が変わる。私が答えたところでまた話が変わるくらいなら、無視したほうが楽。私は演奏を再開することにした。
「……そっか。頑張ってるもんな。邪魔しちゃ悪いか。帰るわ」
後ろを通り過ぎる足音に、また調子が狂った。そして、思わず変なおとまで出しちゃった。
「お? 何だ今の?」
足が止まって、横目に視線が合ってしまった。うぅ、恥ずかしい。その気持ちだけが、この時は辛かった。
「……何でもない。汗で滑っただけ」
とっさの言い訳がそんなもの。頭の中は、こんな男の子に変なものを見られた、聞かれたとショックで真っ白だった。
「はははっ、雨宮もそういうとこあんだな」
悪気の無い笑み。だと分かっていても、それは屈辱に近い恥辱だった。
「失敗するから、こうして練習してるの。悪い?」
機嫌が悪くなった声だって、自覚はあった。去年から時々ここに来ては、ただ、去っていくだけの関係。クラスは違うし、話す話題も無い。この一年、ずっとそれだけ。進展も無ければ後退することもなかった。
今思えば、なんてつまらない女なんでしょうね、私って。
「いんや。初めてそういう顔見せてくれたしな。得した。ごちそーさん」
片手をひらかし、校舎に戻るその背中に何も言えなかった。ただ、恥ずかしさと気持ちの高鳴りに、戸惑ってしまうだけで。
それでも季節は過ぎ去るもので、待ってくれることも無く、部活を引退し、受験に入る。それからはめっきり奥田君との接点は無くなって、あの場所に行くことも無ければ、あの場所で響かせた音色も思い出の中に消えていた。ただ、やみくもに勉強して、その日を待つだけ。
「悠ぁー、そろそろ時間よ」
「うん、今行く」
私立の合格はとった。滑り止め対策は万全。もちろん、両親は私立に生かせてくれるような経済状況ではなく、受かるしかないのが現実で、昨日私は中学を卒業した。吹奏楽部の友達からは、高校に入っても続けようね、なんてありふれた約束を曖昧に頷いたけれど、素直に言うと、そのつもりはなかった。吹奏楽は内臓を鍛えるために進められて入部し他だけというのが本音。でも、やっぱり季節の変わり目には体調は崩すし、あまり変化は無かった。フルートの腕前だけは素人以上についたけれど、趣味の枠を脱することは無かった。
「そう言えば、奥田君も受けたんだっけ……?」
「ん? 何か言った?」
「ううん、なんでもない」
合格発表の会場―――受験した高校へ向かう。関係ないことだけれど、ふっと思い浮かんだ。
高校の駐車場に止めて、お母さんと発表を待つ。他にも他校や知ってる顔ぶれもいたけど、特に話すことはしなかった。
「ドキドキするわね」
「お母さん、受験してないじゃない」
「娘の受験ってのはね、親としては自分が受験するより緊張するのよ」
そういうものらしい。私にはよく分からないけれど、私よりお母さんの方が受験生らしく見えたことは、内緒。
「来たわよ、悠」
「分かってるってば」
先生たちがロールされた紙を持ってきて、掲示板に張り出す。いっせいに動き出す受験生と保護者の中に、私とお母さんもいた。受験票の番号を遠目から探す。不思議と緊張はしてないけれど、やっぱりドキドキした。周りの歓喜、悲哀の声の中で、私は気にすることも無く自分の番号を探す。
「悠、番号何だったっけ?」
「Gの1421」
ずらっと並ぶ番号をじっと見ていると目が回りそうだった。
「あっ……」
その中で、一つだけ私の視線を捕らえた番号。
「うおっしゃっ! 受かってるっ! 受かってるっ、おれっ! ほらっ、あれっ!」
その時だった。まるで私の驚きを奪い去るような威勢のいい声がすぐ目の前から聞こえた。
「あっ、雨宮っ。 おいっ、見てくれよっ。俺っ、受かったぞっ!」
「そ、そう……おめでとう」
あまりの強引な喜びに、声を絞り出すことが精一杯。奥田君が一際大きく喜んでいた。
「悠、あったわよ、ほら、あそこっ」
「う、うん。見えてるから」
私の番号もあった。でも、素直に喜ぶ気持ちがどこかへ行っちゃった。ドキドキしていたものが、奥田君に盗まれたみたいに、隣で喜ぶお母さんの声も届かないくらいに、私は冷静になってしまっていた。
「雨宮、お前は?」
「えっ? えっと、あった、よ……?」
突然聞かれて、間抜けな答えだった。
「マジかっ!? よっしっ! 頑張ろうな、高校もっ!」
「ちょっ、お、奥田君っ!?」
いきなり両手をとられて、ぶんぶんを上下に振られた。あの時の恥ずかしさは、きっと絶対に忘れない。人前であんな恥ずかしいことをされたのは、あれが初めてだったんだから。
それからの高校生活は不思議と縁があった。もしかすると、偶然を装われただけなのかもしれないけれど。
「おーい、雨宮」
「……後ろから大きな声で呼ばないで」
学校帰り、偶然じゃない、絶対に待っていた。追いかけるフリをしているのが明らかな顔だった。
「途中まで帰ろうぜ」
「勝手にすれば」
「じゃあ、勝手にする」
高校に入ると、生活が一変。なんてことは無かった。勉強も何とか追いついて行けるし、家からもそんなに遠くない。顔見知りもいるし、違うのは部活動に入らなかったこと。誘われることは多かったけれど、どうしてもやる気を見出すものは無かった。
「そういやさ、だいぶ髪、伸びたよな、お前」
ただ、変わったこともある。私は奥田君といまだに呼んでいるけれど、奥田君はたまに私のことを、お前と言う。もちろん最初は不快だった。でも、人とは怖いもので、注意することを止めると、次からは慣れが出てきて、今は受け入れてしまっている自分がいた。きっと、同じクラスになってしまったから。そう思いたかった。
「高校に入って、さすがに編むのは嫌だから」
中学のころは三つ編みをよくしていた。高速が厳しくて、髪を切りたくもなかったから。特に願を掛けるようなこともなかったけど、ただ、長い髪が気に入っていた。
「俺は今のほうが良いと思うぞ」
「……奥田君の好みは知らない」
「そりゃそっか」
依然としてのあっさりとした態度。でも、さらりとそういうことを言うから、最近はとっさの言葉が出てこなくて、体が少し熱くなることが多い。
隣に並んで帰ることは無かった。いつも後ろから来るのに、気がつけば私の前に奥田君の背中がある。
「奥田君」
「ん?」
「髪型くらいしっかりしたら?」
放課後だって言うのに、奥田君の後頭部には寝癖が跳ねてる。その上方で一日を過ごしたなんて、馬鹿らしいというか恥ずかしくないの?
「んなもん面倒じゃん。俺別にオシャレとか興味ないし」
「なら手櫛するの止めれば?」
感心ないようなことを言いながら、しっかり開いている片手で髪を気にしてる。
「頭が痒かったんだ」
そういうことにして欲しいらしい。男の子って変。
「おっ、P―3C」
奥田君が空を見上げた。そこを一機のプロペラエンジンの飛行機が飛んでいく。航空自衛隊の飛行機。私も見慣れた飛行機。
「やっぱり今も好きなの?」
「そりゃぁな。俺的にはP―2Jだな。あれは格好良かった」
そう言われても、分からない。
「どんな飛行機?」
分からないことは素直に聞く。この当時の私は比較的素直だった。
「俺らが小学生くらいの時かな。引退したんだけど、黒くて、あれよりちょっとデカかった。B―29って知ってるか?」
「それくらいは」
戦争で原爆を落とした飛行機。くらいの知識は私にもある。
「B―29の先頭部分って、スケルトンなんだよ。攻撃とかする時に使ってたんだけど、P―2Jも似たような作りで、格好良いんだぞ」
言われている話は分からない。いつも一言二言な会話だけど、飛行機の話をすると、奥田君は私の前でも饒舌になる。きっと、友達といる時よりも。
「ふーん。やっぱりパイロットになりたいんだ?」
「ああ。まぁブルーインパルスは無理だろうけど、プロペラでも良いな」
中学のころの漠然とした希望じゃなく、高校の奥田君は現実を分かった上での夢を抱いている。そう思った。
「お前は? 将来はどうすんだ?」
それでもやっぱり奥田君は奥田君。マイペースな話の展開に、私は振り回されるだけ。それも慣れて、別に嫌ではなくなっていた。
「将来は大学に入って考えるかもしれない。今は特に興味あることもないし」
目標を絞る奥田君とは違い、私は明確なビジョンと言うものを、いまだに見つけられない。最低、役場の職員にでもなって、恋愛結婚をして、家庭に入り、主婦になる。そんなありふれたものでも十分な気がした。
「ふーん。お前らしくないな、なんか」
言われなくても分かっていることだけれど、口に出されるとどうしてか、ムッとする。
「雨宮、お前さ、好きなことって何?」
「急に何?」
すぐに応えない辺りは、自分でも分かる嫌いな部分。でも、直らない。
「良いから。で、何が好きなんだよ?」
急にそういうことを言われても、ぴんとくるものはない。
「フルートと読書とかは割りと好きかも。細かいことも単調よりは好きかも」
強いてのこと。仕事にしたいとかそういうものじゃなく。
「手作業とか好きなのか?」
手作業―――。どうしてそう思ったのか分からないけれど、間違いじゃない気がする。
「そう、かもね。嫌いじゃないかな」
「物理の実験とか英語とか結構好きだろ、お前?」
また話題が変わる。ついていく人の苦労を組まないのは、いつものこと。
「だから何?」
お互いに理系クラス。数学や物理や化学は別に嫌いじゃない。そうじゃなければ文系にいるはずだから。
「お前さ、整備士とか良いんじゃねぇ?」
「はっ?」
突拍子もない言葉に、素っ頓狂な声が勝手に出た。
「いや、だって、手先は器用で理系。細かい仕事も嫌いじゃない。だったら、整備士とか向いてるって、お前」
今思えば、それがきっかけ。些細なものだった。きっと健介は覚えていないことでも、私はきっと、その言葉は忘れたりしない。
「他にもやりがいのある仕事とかあるでしょ?」
「ない」
断言される。呆気にとられて何も言い返せなかった。
「お前には絶対向いてるって」
「どうして奥田君が断言するのよ?」
「パイロットになる男の直感だ」
全く当てにならない返答に、わざわざ反応する私自身に自己嫌悪。
「私は私で将来は決めるの」
「俺がお前が整備士になる方に賭けても良い」
だから。人の話を聞け、この馬鹿。いくら私でもストレスというものを感じるもので。
「勝手にして」
「あ、俺こっちだから」
あぁ、もぉ。何なのよ、こいつは。
「明日、持ってきてやるから、見てみろって」
「何をよ?」
曲がり角で立ち止まった。その必要はないのに、イラついているのに、奥田君の言葉を待ってしまった。
「パイロットと整備士の本。マジで面白いから、読んでみろって」
「それじゃあ」
私はそれには応えなかった。後ろから聞こえる、持ってくるからな、の言葉にも振り返らずに、それでも少しだけ読んでみたい思いもあったりして、私は家路についた。
それからは、きっと現在の基盤になった付き合いの始まりだったかもしれない。
「ねぇ、悠。進路って決めた?」
「うん。一応ね」
「何になるとか決めた?」
「航空整備士、かな」
沸き起こる驚きの中心に、私はいた。当たり前といえば当たり前。そんなことを目指すなんて、少し前の私には考えの欠片もなかった
「何それ? 悠」
「飛行機の整備士よ」
再びの喧騒。まさかの展開を誰が予想したことか。いや、一人だけいる。
「おーい、雨宮。ちょっと良いか?」
「ちょっとごめんね」
「あ、悠……」
席を立ち、学年が上がって理系クラスの編成で別クラスになった奥田君がドアから呼ぶ。ちょうど頼んでいたものを胸に持って。
「ほら、これ」
「ありがと。いつごろ返せば良い?」
受け取る数冊の雑誌は、主に整備士の基礎知識の載ったもの。中には普通に航空機の写真が載っているものもあるけど。
「俺は何度も読んだからいいや。やるよ、それ」
「そう。なら遠慮なくもらうから」
「ああ」
会話はそれでも単調。会話の数は増えたけれど、内容の展開はいつも偏ってる。でも、私としては何かにつけての恋愛話に発展するよりは、今はこういう展開で終わるほうが気が楽で良かった。
「あれ? でも、この本、この前出たんじゃないの?」
「うっ……」
一冊の整備士の本。刊行はつい最近だった。何冊か今までにもらった本は、基本的に古い。でも、これだけは新しかった。奥田君の顔を見て、察しはつく。簡単に感情を顔に出す男の子だった。今も昔も。
「お金払うから、ちょっと待ってて」
「いい、いい。俺が読みたくて買ったんだ」
「嘘。これ、パイロット知識のことじゃないでしょ?」
簡単に捲るページには、まだ分からない言葉の羅列と知っている物理の公式。パイロットに関しての記述は見当たらない。
「い、良いんだよ。似たような進路選ぶ奴、お前しかいねぇんだから、大事にしたいんだよ」
「…………っ」
その言葉は、私に明確な恥ずかしさと照れを呼ぶ。
「じゃ、じゃあな。ちゃんと呼んで勉強しとけよ。工業の連中より、遅れてんだからな」
「あっ……もぉ」
結局お金は渡せなかった。かすかに感じる本の熱に、奥田君は自分の教室にそそくさと戻っていった。
「へぇ」
「ふーん」
「そっかそっか」
「何よ?」
席に戻ると、私を面白そうに見る友達。分からないわけじゃないから、先に釘をさす。
「違うわよ。これを借りたの」
「良いって良いって」
「うんうん」
「男子に興味持たない、そっけない悠にも春が来たかぁ」
誤解された。
「違うって。あれのどこが良いわけよ?」
そう、この当時は私に将来の夢と言うものを示唆した男の子という程度でしか、感情を覚えることのない関係だった。向こうがどう思っていたのかは、この時の私は気づくことがなかった。
中学高校を通して、私が知った奥田健介という男子は、夢を語り、夢に引き込んだ、マイペースで自分勝手な印象。それなのに、私は無理な反論をしたことも、いらいらすることはあっても、反発する気が起きたことは、一度もないこともまた、事実で、私の青春時代において、もっとも会話を交わし、人柄を知った男の子でもあった。
《どうだ? やっぱ大変か》
「そうね。でも、面白いわよ」
高校を卒業と同時に、関係は大きく変わった。通う大学は異なり、卒業式の日に交換したアドレスと番号で、たまに連絡を取り合う程度。
「そっちはどうなの?」
《こっちも大変だ。さぼってる暇もねぇよ》
「健介にはちょうど良いじゃない」
《うるせぇよ。別に飛行訓練は楽しいから良いんだけどよ》
私は航空整備科のある大学へ。健介は航空大学校へ。それぞれ進学し、生活も一変した。そして一番変わったのは、やっぱり、名前。
《そういや、悠。お前、卒業したらどこに就職するとか決めてんのか?》
「まだ早いわよ。とは言っても一等航空整備士取らないと大手は無理だろうし、しばらくは付属で経験積むか、地方じゃないかしらね。健介は?」
《飛行時間も規定あるからな。そのときの募集次第ってやつだな》
付き合ってるわけじゃないのに、名前で呼び合う。いつごろ変わったのか、それは良く覚えていないけれど、お互いが進学して顔を合わせることがなくなった頃だった記憶はある。
《あ、やべ。そろそろ時間だ。今日から夜間訓練入ってんだよ》
「そう。せいぜい教官に扱かれなさいよ」
《お互い様だ》
「私は要領よくこなしてるわよ」
《うへぇ。猫かぶりかよ》
「猫は可愛いものよ」
そんな冗談も言い合うようになったのは、きっと顔を見ないで話すから。
《んじゃな》
「頑張りなさいよ」
《お互い様だ》
通話を切ると、寮のカーテン越しに空を眺めた。何も飛行しない静かな星空。何となく息を吐き出して、自分の机に向かう。
「さて、明日の予習でもしますか」
机上に広げる教本。入学当初はまるで意味の分からなかった数式や英語名称の部品、取り扱い方。今ではそれを当たり前のように勉強している自分がいて、時間の流れの早さと充実している今の生活に、やる気が少しだけ出てきた。
「今日の気分はこれかな」
ここには、私の夢をからかう人は誰もいない。ただ、いるのはライバル。同じ夢を共有し、競い合う。叱られ、詰られ、悔しくて泣いて、見返してやろうと勉強して、笑いあって、少しずつ成長していく。きっと健介も同じ生活をしているんだろうと思う。
楽しいことばかりじゃないけれど、これまで歩んだ人生の中では、一番明日が来ることを楽しいと思っているこの生活に、私はコンポにCDをセットした。流れてくる牧童の笛の軽快なテンポに、タクトを振るようにペンを動かした。
閲覧ありがとうございました。
現在パソコンを修理に出しているため、通常更新作が手元にないため、更新予定作は「とある事務所のテトテトテン」と「マリーとサイファー」の二作と本作の三本になります。数日ほどで戻ってくると思うので、その時は「ユースウォーカーズ」から更新を再開し、これまでと同じ更新を続けていきます。
それまでの予定作は、21日くらいに
「とある事務所のテトテトテン」を更新します。