76 神奈川 VS 東京3(決着)
ここまでの第2回 ジャパロボ 女子大会の経過。
攻め 守り (数字は犠牲者の数)
神奈川✖1 ー 山梨〇
茨城〇 - 栃木✖2
千葉〇 - 茨城✖0
茨城〇 - 千葉✖1
埼玉✖2 ー 群馬〇2
神奈川〇 - 山梨✖2
神奈川〇 - 群馬✖0
神奈川〇1 - 群馬✖2
神奈川〇 - 茨城✖0
神奈川〇 - 茨城✖2
神奈川〇 - 千葉✖1
神奈川 - 東京
残り2名。
東京都1人。(祐名・女の子。)
神奈川県1人。(ヨジョンちゃん。)
「こんな戦い、さっさと終らせて、勝者の特権で、現実世界にドラゴンを解き放ち、渋谷を、東京を、日本を、我が北朝鮮領にするのだ!」
ヨジョンちゃんの企みであった。
「そしたらディズニーランドに行き放題。毎日、プーさんと遊ぶんだ! キャハ。ミッキーもドナルドも待っててね! キャハハハハ。」
これが今回のテロ行為の真実である。北朝鮮にディズニーランドがないのが悪かったのだ。
「女王蜂たちの死は無駄にはしない。」
祐名のジャパロボには、AI(人工知能)の明治天皇と助手席に、谷子がシートベルトをして座らされている。
「ここはどこ? 私はだあれ?」
「ほれ、面識もないのに、連れて来たから、なんもわかってまへんわ。」
「ああ!? 私に袋を被せたロボット!?」
「話は、後だ! 天皇! ドラゴンを倒すんだ!」
「はい! 祐名はん!」
「うわぁ!? 動いた!?」
いきなり動いたので、谷子はアワワアワワしている。
「あなたが最後の1体よ! 自衛隊のジャパロボなんて、炎で1撃よ!」
「違う! 私が目覚めたことで、おまえに最後が来たんだ!」
両者は、激しく対峙する。
「くらえ! ファイヤー!」
しかし、ドラゴンの口から、炎が出ない。
「あれれ? もしや・・・燃料切れ!?」
マリコによって無限のエネルギーである核は、ドラゴンから取り外されているのだった。その後も何発も考えなしで炎を連発したので、燃料が切れたのである。
「く、口の悪い女に、見せ場を邪魔された!?」
祐名なりの照れ隠しである。本心ではないと思われる。
「炎が無くても、強力な爪がある。」
ヨジョンちゃんは、ドラゴンの前足を上げ、祐名のジャパロボを踏みつぶそうとする。
「私のジャパロボには、みんなの想いが詰まっている!」
ガチーン! とドラゴンの足をジャパロボは受け止める。
「なに!? 受け止めただと!?」
「ドラゴンの重さなんか! 世界の平和を思う人々の心に比べれば軽いものだ!」
「ドラゴンが押し返される!?」
「ディズニーランドで遊びたいだけの私的な理由で、こんなことを、こんなに、何もかも破壊していい訳ないだろうが!」
「仕方ないだろう! 私の国は、貧しくてお金がないんだ! 生きていくだけで大変なんだ! 豊かな国で過ごしている、おまえに何が分かる!?」
「そんなこと知るか!? だからって、他の国を侵略しても良いということにはならないだろうが!」
「私は、私は悪くない! みんな、おまえたちが悪いんだ! お前達さえ抵抗しなければ、戦わなくていいんだ! 戦争なんか、しなくていいんだ!」
「この、わからずや!」
ドラゴンが異常に強いのは分かる。みんなが驚いているのは、ジャパロボの方だ。ただの自動車に手足を付けただけのジャパロボが、ドラゴンと互角以上に戦っている。
「すごい・・・!?」
「奇跡だ!? データを取れ! カメラも回せ!」
「ジャパロボの可能性は、リアルプリンターシステムが現実に作るドラゴンをも越えるというのか!?」
森田大臣は、1人の開発者として、ジャパロボに驚いていた。
「なにか分からないけど、このままだと決着がつかないね。」
「そうでんな。」
「私、これから「ほんのおねえさん」の収録があるんだけど?」
「すんまへん。終わったら、送っていきますから。」
「遅刻は困るよ!? 今日は生放送だもん!? なにかドラゴンを倒す方法はないの?」
「無茶言いなさんな!? 祐名はんは、ドラゴンと互角に戦うだけで限界でっせ!」
祐名の目が光を放ち、ジャパロボのオーラと一体化していた。どこか、イッテしまった人間になってしまっている。
「方法としましては、友達スキルちゅうのがありまして。」
「友達スキル?」
「谷子はんに、なんか特技でもあれば、発動することができまっせ。」
「なんだ! そうなんだ! 早く言ってよ!」
そういうと谷子は1冊の本を出した。タイトルは「3000年、地球に渋谷ハチ公の形をした隕石が追ってくる!? 恐怖の大魔王の正体だ!? 特別版。」である。
「友達スキル ほんのおねえさん 発動!」
そういうと、谷子は本を読みだした。
「宇宙から、渋谷ハチ公像の形をした隕石が降って来て、ドラゴンに命中しました。」
ゴゴゴゴゴゴ!!! 空から隕石が、ドラゴン目掛けて大気圏を突き抜けて落ちてきました。
「ギャア!?」
「うわ~あ!?」
バキューン!!!!!!!!!! 隕石は、ドラゴンを貫通し、地面にぶつかった衝撃で大爆発を起こした。 ボワーンときのこ雲が上がった。まさに隕石が地上に激突したのだ。
「祐名!? 祐名は大丈夫なのか!?」
「モニターは爆煙で、何も見えません!?」
森田大臣も芦原名人も、片津を飲んで煙が晴れるのを待つ。
「祐名先輩!」
「まったく見えない!」
「生きてるかな?」
「勝手に殺さないで!」
ブッコとナゴンも心配している。
「マリコちゃんは、どっちが勝ったと思う?」
「言うまでもない。授業をサボって、毎日、眠りに学校に来ているサボり魔。たっぷり眠ってエネルギーを充電しているんだから、こういう時に使ってもらわないと。」
「クス。」
「常盤子ちゃん、どうして笑うんだ?」
「マリコちゃんは、あの人のことが、本当は好きなんだね。」
「な!? な!?」
「だって、それだけ、ずっと授業中も見ているってことでしょ? 好きじゃなかったら、そんなに関心ないよ。ニコ。」
「・・・。」
マリコは、常盤子には勝てないな、と思っている。
煙が晴れてきた。渋谷のスクランブル交差点だった場所は地面むき出しの隕石地になっていた。渋谷の街は、なぜか、ハチ公の像を除いて、全て消し飛んでしまった。
爆発の中心、煙の中心に何かが見える。車だ! ロボットだ! ジャパロボだ! 腕も片腕だけになり、足も両膝を地面についている。車のボディもフロントガラスが割れていたり、全身ボロボロになりながらも、祐名のジャパロボが立っている。
操縦席と助手席では、横になって意識が無く動かない、祐名と谷子がいる。
「祐名先輩! やっぱり死んでる!?」
「ブッコちゃん! 勝手に殺しちゃダメ!」
操縦席で何かが動いた。AIの天皇である。天皇は不思議と生きているのだ。
「祐名はんは、寝てるだけでっせ。」
「え!?」
「生きてるんだ!」
そう、隕石が落下した状態でも、眠り姫、森田祐名は、眠たくなったら、眠るのだ。そして眠るために、オーラを自分と谷子と天皇を守るためだけに回したのだった。なんとか、生き残ることができたのだ。
「東京 WIN」
会場の大型スクリーンに表示される。
「おお!」
会場のお客さんが歓声をあげ盛り上がる。
「第2回 ジャパロボ 女子大会 優勝者は、東京都に決まりました!」
これにて、大会は幕を閉じた。
第2回 ジャパロボ 女子大会は東京都の優勝。森田祐名の個人2連覇で幕を閉じた。
つづく。




